逃げられない子どもたち~クリス・コルファー
▼ この記事のつづきです。
子どもだけでは逃げられない
今回は、大人のための話です。
子どもの置かれている環境については、やはり、できる限りの配慮をしてあげたいものです。なかなか難しいケースもあるかと思いますが…。
クリス:青年期は、人生で一番、大変な時期だと思います。
なぜなら、自由がないにもかかわらず、あらゆる責任があり、大人としての決断をすることを求められます。
しかし、大人であることの利点は得られず、自宅学習でもしない限り、高校のような環境で、文字通り罠(わな)にはめられてしまう。
自分のいる場所で、周りにいる人たちをコントロールできないのです。
ー クリス・コルファー 2019.11.12 対談「インパクト・セオリー」より
クリスさんも、中学の1年半を自宅学習にしましたが、その後は高校を卒業するまでいじめられました。
数学の成績が足りなかったため、転校するのも叶わなかったそうです。
いじめの内容は、私がいくつか耳にしたものだけでも、ここには書けない卑劣でひどいものでした。
私の場合
子どものころからDVに悩んできた私でしたが、23歳のときに、隣の空き家だったところの一室を与えられて、あっさりと解決しました。
「離れる」効果の大きさを思い知った体験でした。
荒れていた本人も個室を持って落ち着くことができ、そのせいか、精神の病気そのものもよくなりました。
あとから(というか、昨日)父から聞いた話では、祖父母が空き家を買う費用を立て替えてくれて、両親が少しずつ返済したのだそうです。
電気代の支払いも毎月滞るような家計でしたので、やはり、簡単に購入できたわけではなかったのです。
両親が、ここまで骨を折ってくれていたことに、感謝しています。
どうしても、逃げ場がないとき
しかし、そんなにうまくいくケースの方が少ないかと思います。
私自身も、学校ではなく家庭なので「卒業で離れる」ということができず、23歳まではどうしようもなくて、じっと耐えていたわけです。
クリス:いやがらせを受けている時期を耐え忍んでいるとき、特に若い人の場合は、それをどうやって乗り越えるのか…今は平和ではないかもしれないけど、心の中の平和をどうやって手に入れるのかを、学べる場合があります。
それは、実際に周りの世界をコントロールできる、外面的な現実の平和ではありませんが、優れたコミューケーション能力を大いに身につけることができるでしょう。
ー クリス・コルファー 2019.11.12 対談「インパクト・セオリー」より
「乗り越え方」、「心の中の平和」というのが、クリスさんにとっては7歳から始めた執筆と演劇だったのでしょう。
私も、部活やボランティア活動に打ち込みました。人のためというより、自分のための居場所づくりだったように思います。
クリス:いじめられている子というのは、世の中がいじめっ子みたいなバカでいっぱいなのを目にしている一方で、ある時点になれば彼らがいなくなるものだと信じています。
しかし、人生にはいつだって、いやでも、卑劣で乱暴な人々は付きまとってくるものです。
ー クリス・コルファー 2019.11.12 対談「インパクト・セオリー」より
こういう場合もよくあると思います。
大人ですと、自分でそこから離れたり、関係機関に訴えたりという手段がありますが、いじめに耐えながら自分の世界をつくって対処してきた人は、より上手に乗り越えることができるのかもしれません。
▲ 今回も、「インパクト・セオリー」からでした。
クリスさんは、いじめられている子たちに寄り添いながら、著作のなかで、「人をいじめてはならない」ということをさりげなく、根気よく教えていらっしゃいます。
そのこともまた、記事にしていきたいと思います。
▼ こちらの記事ですね。