【M&A戦略を考える】ヘルスケア領域で稼ぐならこの領域しかない
株式投資の話ではないです。
M&Aなどの事業投資のことを書いているので、ご注意ください。
結論から申し上げると
ヘルスケア領域で勝つには
人材紹介分野
製薬会社向けのマーケティング支援
データ活用ビジネス
この3領域になるでしょう。
アンチエイジングとか化粧品も分野もあるでしょう!
という話は当然ありますし、スカルプDを目玉とするアンファー株式会社も儲かっている企業の一つでしょう。
しかし、最近のD2Cビジネスは、常に景品表示法や薬機法なども法的リスクをはらみつつ、
稼ぐためにはグレーゾーンを攻めるような企業も出てきているのも事実です
つまり継続的にキャッシュフローを見るのはリスクがあるということです
この分野を突き詰めようとすると、結果的に医療分野までの踏み込みが必要ですし、競合が多く稼ぐハードルは高いです。
上記であげた代表的な企業についてサクっと紹介しますね!
人材紹介_メドレー
意外と聞いたことがない方もいるのではないでしょうか。
この会社はCLINICSなどクラウド診療システムを外販しています。
診療の予約をネットでできるようにするシステムも含まれます!
CLINICSの広告を出しているので、クリニック向けのDXサービスで儲けているかと一見みえますが、
その利益を大半を医者の人材紹介事業で稼いでいます。
医者も転職をすることが多いです。
医者は就業環境が決して良いわけではなく、家庭環境や労働環境の変更のため、転職するケースは多いです。
2022期の業績は
売上高140億円、EBITDA20億円と稼ぐ力がかなり高いです
うち人材紹介ビジネスの数値は
売上高100億円、EBITDA45億円
となります。売上高の約半分が利益になっているという驚異的な数値ですよね。
全体で利益悪化しているのは、診療プラットフォームビジネスへの投資をしているからですね。
当社のように、医者の人材プラットフォームをがっちり抑えている企業はめちゃくちゃ稼げるということです。
製薬会社向けのマーケティング支援_エムスリー
エムスリーは皆さんもきいたことがあるでしょう。
下記のサイト『m3.com』を運営しています。
同社のビジネスモデルの中核となっており、
会員規模は国内の臨床医30万人以上と、9割超をカバーしています。
会員の3割以上が毎日アクセスするなど、すでに医療現場ではインフラとも言える存在となっていることが特徴です。
そのため製薬会社はこちらに自分たちの薬を医者に取り扱ってもらうために
ホームページ上に、広告を載せます。
その広告費がエムスリーにとっての大きな収益源となっています。
製薬会社から医師への情報提供の仕組みは、非常に非効率な構造となっていました。
インターネットを中心に情報を収集する医師に対し、製薬会社はMRを通して対面で薬剤や疾患に関する情報を提供しており、
営業コストの9割以上を、その関連費用に投じてきました。
その非効率な業務フローを変革するようなビジネスを当社が生み出し、
結果的にほぼ市場を寡占しています。
グループ全体の売上高は2,300億円、営業利益は740億円となっています。(2022期)
うち、当メディアによる売上高は930億円、営業利益は410億円です。実に利益の多くを稼ぎ出している事業です。
ちなみに当社も人材紹介サービスを手掛けており、
売上高140億円、営業利益46億円とメドレーとほぼ同程度の事業規模です。
エムスリーはそもそもメディアによる接点が多いため、当然といえば当然かもしれませんね。
この製薬会社のマーケ支援については同社が寡占しているため、ひっくり帰ることはないでしょう。
データ活用ビジネス_JMDC
こちらの企業は皆さんあまり知らないのではないでしょうか。
エムスリーが製薬会社のマーケティング支援を主としているのに対し、JMDCは診療・健診データの活用支援において、パイオニア、かつトップランナーの地位を獲得しています。
同領域で競合に当たるメディカル・データ・ビジョンとは、現状、時価総額で約7倍の開きがあります。
同社はヘルスデータを大量に保有する体制を構築しており、そのデータ量が圧倒的優位性を築いています。
いわゆるファーストパーティデータを保有している企業は複数あると思いますが、
最も重要なのは、活用できる形にデータ加工する技術いわゆるデータクレンジング力が高いのでしょう。
そしてデータ提供による収益化だけでなく、実際に労働集約型ではありますが、
コンサルティングメニューを用意することで、人月ビジネスを行っているのも特徴です
筆者がお役にたてること
サクっと解説しましたが、上記が個人的にヘルスケア領域でマネタイズできるビジネスの典型例と考えます。
参考になれば幸いです!
筆者は元銀行員であり、元事業再生コンサルタントです。
現在はとある事業会社での社長室に所属しており、M&A戦略などを手掛けています。
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