サロンドショコラカランドリエ2022〜人類はもこもこのプラリネを食べたことがあるか?〜
バレンタインの季節がやってきました!サロンドショコラのカタログやマック本も皆さんの元へ届く頃ではないでしょうか?私は一足先に、クリスマスのアドベントカレンダーで今年度のサロンドショコラの先取り(去年度の復習と言ってもいいかもしれません)をしましたので、ショコラの感想をまとめました。たいへん盛りだくさんの内容で、満足でした!来年のサロンドショコラに参加される、どなたかの参考になれば幸いです。
(ショコオキャレとアトリエガトーに関しては、カタログでの見つけやすさを重視し店名で目次表記しております)
1日目
[クリスチャン・カンプリニ、フレデリック・アヴェッカー]
クリスチャン・カンプリニ
「マンダリン エ シトロン」
マンダリンらしい苦味とすっぱさと甘味の表現が見事。さすが柑橘の貴公子。マンダリンの苦味と、それとはまた種類の異なるチョコレートの苦味がよくマッチしている。去年食べたケークを彷彿とさせる調和だが、今度はチョコレートとして完成されている。
フレデリック・アヴェッカー
「レ クール ドゥ プロヴァンス レ」
一度砕いてチョコを混ぜているので、口当たりがふわふわでおいしい。サブレとチョコレートの中間のような。後味に塩っぽいような穀物っぽいような甘い味が残っておいしい。ふわふわとパチパチの二種類の食感が素敵。
2日目
[フランク・ケストナー、ニコラ・ベルナルデ]
フランク・ケストナー
「デリカテス」
黒すぐりのピューレに加えてガナッシュもフルーティー。後味が甘くてすっきりしている。食べているときはそこまで軽くなく、どちらかと言うと重いくらいなのに、口の中で消えていく頃には軽やかになっている。後味の方が甘いので不思議。
ニコラ・ベルナルデ
「サブレ ディアモン」
しっとりしたケーク寄りのクッキー。ケークにしてはさらりとしている。
3日目
[トゥルビヨンバイヤンブリス]
ヤン・ブリス[トゥルビヨンバイヤンブリス]
「クレモンティーヌ」
すべてがとろーんとしてる。外側のチョコと中のママレードの区別がないみたい。口に入れるとチョコもとろーんとなる。
ヤン・ブリス[トゥルビヨンバイヤンブリス]
「サブレ クール フランボワーズ」
名作。クッキーの上にドンとチョコレートが乗ってるような見た目だが、すべてで一作品として完結している。酸味少なめで、全体的な苦味にふわっと甘味が重なる感じ。
4日目
[カンタン・バイィ、クリスチャン・カンプリニ]
カンタン・バイィ
「ル・クリスピー」
強い食感。ガツガツしてる。なのに味はスッとしてる 食感の楽しさと力強さに反して優しい簡単な味。カンタンバイィらしい遊び心とやさしさ。
クリスチャン・カンプリニ
「サブレ キャラメル クール ノワール」
キャラメルの酸味が味を特徴づけていると感じる。酸味が味を爽やかにしているが、主役はチョコ!という感じ。おそらく粉砕してから固めた感じのサブレなので、ほどける感じがガトーショコラっぽい
5日目
[ポール・オキパンティ、オリヴィエ・ヴィダル]
ポール・オキパンティ
「マンディアン グルマン」
酸味の強いチョコレート。オレンジコンフィなどはチョコに乗せると強くなりがちだが、それに負けないチョコレート。しかし酸味であって、雑味やいやな苦味ではないので、上のフルーツやナッツとすっきり混じり合いスッと消えていく。私が今回はじめて口にして衝撃を受けた秀作。
オリヴィエ・ヴィダル
「サブレ ブルトン レ」
ミルクの風味が強い。小麦とミルクとチョコレートの素朴な風味だが、非常においしい。
6日目
[ヴァンサン・デュラン、クリスティーヌ・フェルベール]
ヴァンサン・デュラン
「プラリネ・ドゥルセ」
ブロンズチョコレートは特徴のある甘さでおいしいので好き。塩とひまわりの種が効いている。軽い口当たりのおやつという雰囲気。
クリスティーヌ・フェルベール
「サブレ ドレッセ」
ほわ……というサブレ。なんというやさしいサブレ。
7日目
[ショコオキャレ、リリアンボンヌフォア]
ジャンピエール・ロドリゲス[ショコオキャレ]
「トロワ アグリュム」
シトロンのやさしい酸味。キャラメルだが、キャラメルというジュレ?のような味で、でもキャラメルのふわふわ感がある。ふわふわとろとろしているキャラメルのいいとこどりをしている。酸味もやさしいので見た目に反してとても優しい味のチョコ。
リリアン・ボンヌフォア
「アフター10」
リリアンボンヌフォアらしいどこかミルクっぽい味。フィグの方がレモン(タブレット)よりやわらかい味だと感じた。
8日目
[フィリップ・ベル、ダヴィド・カピィ]
フィリップ・ベル
「フランボワーズ ロマラン」
フィリップベルらしい複雑で繊細で、頭良さそうな味わい。フランボワーズとローズマリーという二つの単語からは想像のつかないほど奥行きのある味。それでいて潔い。
ダヴィド・カピィ
「サブレ 4 セレアル」
私たちのうれしい甘さのチョコレートにぱきぱきふわふわした幸せなサブレ。ピクニックでおやつの箱を開けた時の喜びのような味。
9日目
[アレクシア・サンティニ、カンタン・バイィ]
アレクシア・サンティニ
「プラリネ カニステリ」
サブレのプラリネが上品。ちょっと苦味もあって派手すぎないしとやかな味。
カンタン・バイィ
「サブレ フルール ド セル」
鼻からミルクっぽい香りが抜けるが、食べてみるとミルクはいない。バターのしっとりしたサブレが噛めば噛むほどしょっぱかったり甘かったりこっくりしていたりとさまざまな面を見せる。
10日目
[オリヴィエ・ヴィダル、アトリエガトー]
オリヴィエ・ヴィダル
「プラリネ フイヤンティーヌ」
サクサクしたプラリネが本当にサクサク。やわらかくてやさしい味。さすが"天才"。非常にシンプルで正統派なおいしさ。
ニコラ・アレウィン[アトリエガトー]
「プティビスキュイ ノワール グリヨット」
グリヨットがねっとりしている。全体的にねっとりしっとりって感じの食感だが、ビスキュイとチョコレートの苦味がちょっと効いていておいしい。
11日目
[ジョアン・ジャケティ、フィリップ・ベル」
ジョアン・ジャケティ[ルブルストルパリ]
「タルト シトロン」
鼻に抜けるシトロンだがやらかな舌触り。上の一部にメレンゲが入っているのが、サクッとした触感を生じさせ、突然の驚きを与える。最終的に外側の上品なチョコにまとめられる印象。
フィリップ・ベル
「クルスティベロ」
スパイスっぽい味や塩っぽい味が見え隠れする名品。基本的にはザクザクしたナッツのチョコという感じだが、複雑さを感じさせるのがフィリップベルらしい。
12日目
[フィリップ・ベルナシオン、アルバン・ギルメ]
フィリップ・ベルナシオン
「メティス ノワール」
マジパンがしゃりしゃりしていてちょっとねとっとしている。かなり濃い味かなと思うのに、おいしい後味だけ残してさっと消えていくのは流石。ボリュームがあり楽しい味。
アルバン・ギルメ
「サブレ ジャンドゥーヤ」
ギルメさんのお好きなジャンドゥーヤ。ジャンドゥーヤを挟んでいてもサクッサクのサブレが、口の中ではほどけやすくて、その隙間にジャンドゥーヤが入り込んでいって、口の中でしっとりと完成する。食感の楽しさ(サブレはサクサクだし、チョコはパキッとしている)と、ジャンドゥーヤのおいしさが高度に両立している。さらに言うと一枚が大きいので扉を開けたときの喜びが大きい。
13日目
[クリスチャン・カンプリニ、フレデリック・アヴェッカー]
クリスチャン・カンプリニ
「マンディアン ノワール」
上のオレンジの風味が良い。めちゃめちゃ香ってびっくりした。ねっとりじゃなくてサクサクしてるオランジェット。チョコレートがいい意味で主張が強くない。軽めのマンディアン。
フレデリック・アヴェッカー
「レ クール ドゥ プロヴァンス ノワール」
なんか少しココナッツぽい風味がある(おそらくアニスをそう感じました)。ココナツを感じるくらいなのでわりと味としてはまったりしてるけど、サブレがシャクシャクしていておいしい。
14日目
[フランク・ケストナー、ニコラ・ベルナルデ]
フランク・ケストナー
「スタニスラス」
ふわっと立ち上がるチョコ。ちょっと苦味があるゆずっぽい柑橘の味がとにかく上品に香る。どこでもなめらかな口触り。とても好き。
ニコラ・ベルナルデ
「クッキー ショコラ ノワール」
うれしいチョコチップクッキー。バターとミルクを感じる。チョコで囲っているのでしっとりしていて、でもザクザクもしている不思議な食感。ちょっとねっとりしている。
15日目
[トゥルビヨンバイヤンブリス]
ヤン・ブリス[トゥルビヨンバイヤンブリス]
「プラリネロマラン エ アブリコ」
上品で甘やかなパータドフリュイとさくふわのプラリネがいい感じ。えもいわれない食感と味。
ヤン・ブリス[トゥルビヨンバイヤンブリス]
「サブレトゥルビヨン レ」
どう見てもヤンブリス。お菓子っぽい感じ。カラメルの苦味と甘さ、ジャリジャリしてる感じが面白い。
16日目
[カンタン・バイィ、クリスチャン・カンプリニ]
カンタン・バイィ
「パッション」
カンタンバイィはこの表面のチョコの薄さにも感動する。まずパリッとした食感、直後に柑橘系の酸っぱさが来て、それが溶け出した頃に甘いホワイトチョコが混じるけど、非常に薄いのですぐに消えるというバランスのよさ。
クリスチャン・カンプリニ
「サブレ キャラメル クール レ」
塩と焼いたキャラメルの苦味みたいのを感じる。層が分かれているというより、完全にすぐ一体になる。
17日目
[ポール・オキパンティ、オリヴィエ・ヴィダル]
ポール・オキパンティ
「プラリネ ノワゼット フランセ」
オキパンティらしい(まだ食べるのは二度目ですが、これオキパンティだ!と思いました)。外層はあっさりしている。プラリネは旨みや苦味、そして甘みを感じるつくりになっている。
オリヴィエ・ヴィダル
「パレ プラリネ ゴーフレット ノワール」
ヴィダルらしい正統派感。コーヒーに近いような酸味と苦味を感じる。すごくザクガリしたパーツが入っているが、全体的にしっとりしている。
18日目
[ヴァンサン・デュラン、クリスティーヌ・フェルベール]
ヴァンサン・デュラン
「エモー ブレッサンス」
ブラックチョコレートは酸味が強い。ブロンズチョコレートはキャラメルが奥で絡み合うのがおいしい。
クリスティーヌ・フェルベール
「サブレパンデビス」
とてもバター。さっくりしている上にやわらかな風味。のどかな草原のある田舎っぽいやさしさを感じる。
19日目
[ショコオキャレ、リリアン・ボンヌフォア]
ジャンピエール・ロドリゲス[ショコオキャレ]
「ミュルティセレアル」
ピスタチオを焼いた感じ。本当に焼いた質感がするし、あたたかい感じがする。感動した。
リリアン・ボンヌフォア
「プティサフ ノワール」
キャラメルの苦味とほろほろさらさらする食感がおいしい。チョコでコーティングしてキャラメル挟んでるのもあってしっとりしてる。
20日目
[フィリップ・ベル、ダヴィド・カピィ]
フィリップ・ベル
「ブールキャラメル カラマンシー」
めちゃめちゃフィリップベル。中にたっぷり入ってるシトロンとチョコレートの食感がかなり違って面白い。ガリっと食べたらねっとり落ちてくる。
ダヴィド・カピィ
「サブレ セル ドゥ ゲランド」
おいしいチョコクッキー。チョコもクッキーもしっとりしてる。軽い食感。小さくてかわいい。
21日目
[アレクシア・サンティニ、カンタン・バイィ]
アレクシア・サンティニ
「クレモンティーヌ」
しゃりしゃり音がしておいしいチョコ。パタードフリュイの不思議な食感。
カンタン・バイィ
「ショカロン フランボワーズ」
みんな大好きなショカロン。めちゃめちゃいしい。フランボワーズとマカロンの食感がマッチしていて、それに軽い味のチョコレートがかけられて、とてもおいしい。
22日目
[オリヴィエ・ヴィダル、アトリエガトー]
オリヴィエ・ヴィダル
「クール プラリネ」
モコモコしたプラリネ!モコモコ!?みんなはモコモコしたプラリネを食べたことがあるか?食感に衝撃を受けた。そして旨みの強いチョコ。ふわふわでおいしい硬めの雲を食べてる気持ち。
ニコラ・アレウィン[アトリエガトー]
「ビスキュイ ノワゼット」
ビスキュイがボンボンのアクセント的な使われ方をしている。キャラメルがぎゅっと集まっている印象。
23日目
[ジョアン・ジャケティ、フィリップ・ベル]
ジョアン・ジャケティ
「ミルフイユ」
ホワイトチョコ甘いなーと思ったらパンチのきいた塩味で頬をはたかれる。噛めば噛むほど味に深みが出てくる感じ。
フィリップ・ベル
「サブレ ショコラ レ」
ガリッガリのクッキーとおいしいチョコレートでシンプルにおいしい。
24日目
[フィリップ・ベルナシオン、アルバン・ギルメ]
フィリップ・ベルナシオン
「アヴリンヌ」
相変わらずの雑味のない味。ナッツとチョコがクリアに重なり、スッとなくなる。ナッツが大きめなのでおやつっぽいパーツだが、上品さで押している。
アルバン・ギルメ
「サブレ キャラメル アマンド」
すべてがやさしい食感。サブレがしっとりしているので、最初からサブレとチョコとキャラメルが混ざり合っているような印象を受ける。
どれも非常に美味しかったですが、私は初めて食べたポールオキパンティの秀逸さと、オリヴィエヴィダルのもこもこプラリネに特に衝撃を受けました。来年のサロンドショコラが今からとても楽しみです!