Horizon Forbidden West 初見終了感想(ネタバレあり)
ネタバレのないちゃんとしたレビューのご案内
まぁまず、ネタバレのない範囲で読めるちゃんとしたレビューとしてはこれでいいんじゃないかと思うのでそれをはります。
演出とかゲームシステムに関する見方についてはほぼ私も同意するところで、前作同様現代のオープンワールドアクションゲームに必要そうな各要素それぞれをすごく高いレベルで融合させて破綻してないというだけでもスゴいことだと思います、ほんとに。
私自身としても全体としてはよいゲーム体験であったと思ってはいるんですが、そのうえでもやはり気になったところがないわけではないので、そのわたしの話と、あと上記レビューでは触れられてないような個人的な感想(ネタバレ含む)を書き残しておきます。
不満点
グラフィックまわりがbuggy
ぶっちゃけPS5用につくってるのを流用してPS4用をつくってるんだろうとは思うんですよ。それはもうしょうがないし、テクスチャのロードが追いついてなくて超ローポリの焚き火出現とかつるっつるの資材箱登場なんかはぜんぜん許せるんですけど、カットシーンでそれが起こって仲間たちが虚空を走るとか、乗り物で走ってる途中とかなんなら交戦中に唐突にブラックアウト→ロード画面とか、乗り物で集落を飛び越えようとしたらフリーズしてそのまま落ちるとか、そういうのだけは勘弁してくれと。あんなことされたらぶち壊しでプレイフィールもクソもないんでねぇ。ちなみに拠点の床のロードが間に合わなくて床が抜けてて突然フリーフォールするやつはv1.08くらいで直ったみたいです。
つかまり移動のストレス
フォーカスのパルスでつかまれるポイントが見えるのはすごくいいんですが、なんでしょうねモデルから自動生成してるのか、つかまりポイントが密集してる岩壁なんかだとすぐ近くにあるところに飛び移れなくて登り直しになることがけっこうあって、あれはけっこうイライラしました。IGNのレビューでも「移動ルートが決めてあるのは古い」って書いてありましたけどたぶん同じことを指してますこれ。
死にゲーなのかそうでないのかわかんなかった
前作を象徴する機械獣といえたであろうサンダージョーが結果的には破砕砲とロープキャスターがあればなんとかなってしまうのは失敗だったと思ってたんだろうなとか、トラップワイヤー強すぎたよねとか思ってたんだろうなというのはわかるし、それが前作と同じままで良いとは私も思わないんです。あとまぁデスペナルティはないようなもんなんで、「わからん殺し」するならそれはそれで、死にゲーちっくにそれぞれの相手行動に対策を詰めて勝つっっていう楽しみ方ができただろうなと思うんですけど(ラスボスだけかろうじてそんな感じだった)、なまじ回復リソースが多くて対策する前にがちゃがちゃのまま勝ててしまう、でもなんか相手の行動全部通ってるし勝った気はぜんぜんしない、みたいのが終盤多くてどーもなぁと。私が下手で適応が遅いだけと言われたらもう返す言葉はありませんが。
なお前述のIGNのレビューはどっちかというと死にゲーっぽいとらえかたをしてるっぽかったですね。私の技量が中途半端なんでしょうか……。
R3指示角度UIの限界
矢弾の選択は前作から引き続いてL1押しながらR3を回して指示角度で決めるUIで、それを採用したこと自体は正解だっただろうと思うんですが、前作は確か同時に装備可能な武器種が4つまでだったので、その武器の中で矢弾が3種類あっても30°だからなんとか問題なく選べてたんです。しかし今作は6つまで装備できてかつ矢弾3種類のがあるのでその場合矢弾1つぶんの角度が20°しかありません。これが交戦中にとっさで選ぼうとするとけっこうストレスフルでした。そのへんはまじでどうにかならなかったのかとクリアした今でも思います。あれなら多少テンポを損ねてもメニュー画面でゆっくり選ばせるとか(ノートで敵の弱点をゆっくり眺めることはできるんだし)、もう少し工夫して角度がせいぜい30°までになるようにするとか、なにかあっただろというね……。
いちおう改めてフォローもしておく
ぐっだぐだ書きましたけど、あれだけのボリュームであれだけのことをやっていてこの程度で済んでるということもできると思います。前作の知識がないとよくわかんないだろうなというポイントも多々ありますが、それを抜きにしても十分ハマれる要素はあるゲームであるというのは念の為改めて付言しておきます。素晴らしかった前作の正統な続編であり正統進化してるのは疑いありません。
※これよりあとはネタバレ
(ここからネタバレ)ストーリーの感想
表向きの主人公
もちろん表向きの主人公はどこからどうみてもアーロイです。そりゃそうですよ。前作ではサイレンス以外はハデスを止めるための戦力にはほぼなってなくて賑やかし程度で、メサの戦いで全員集合する以外は実働はほぼ全部アーロイでしたしね。もちろん今作もノラの天命の使者、またメリディアンの救世主、そしてウタルもテナークスもクエンもぜんぶ救い、カージャの狂王ジランの時代から続くオセラム内の憎悪の連鎖も断ち切ってみせた伝説の英雄です。
しかしその陰には常にサイレンスの存在がありました。
アーロイとサイレンス
大厄災(約20年前)よりも前から知識欲のために手段を選ばず世界各地を旅し、結果的にエクリプスの創設に関与してハデスの暴走に加担したり追い出されたりする中でアーロイの存在を知り、ゼロ・ドーンを知り、ハデスの正体を掴み、ハデスの突然の暴走の原因を究明するためにさらにアーロイを散々利用してハデスを「捕獲」し(ここまで前作)、ファー・ゼニスの陰謀を知り、サイレンスなりのやり方でそれを砕こうとしていました。
そして、途中でこうも思いました。
作中でアーロイはサイレンスのやり方について「いたずらに犠牲者を出す、人の心がないやり口」だとして非難します。確かに私も、逆賊レガーラやプロメテウスの民をたきつけてテナークスの内戦を煽り、オセラム内部の過激派とテナークス族まるごとをゼニスにぶつける捨て駒にするのが上品だとは思いません。
とはいえアーロイはアーロイで、そのオセラム内部の過激派はほぼ全滅させてしまいますし、レガーラ一派の前哨基地だの野営地だのを全部壊滅させてそちら側にも相当数の犠牲者を出してるわけで、どちらかが決定的に邪悪だとは私には思えず、程度問題だわなとしか思えなかったんですよねぇ。
裏の主人公
前作でアーロイがハデスとエクリプス相手に華々しい勝利を挙げて大団円だったかに思われたのが、エンディングの最後の最後にサイレンスのものすごーく含みのある「では、始めようか」がきて、今作はチュートリアルが済んでちょっとしたらもうそのときにアーロイは一杯食わされていたというのがわかったところから滑り出していきます。
序盤からずっと逆賊やプロメテウスの民をたきつけて内戦を煽る中でアーロイとは敵対し続けるくだり、最終的にティルダやレガーラと共にアーロイの軍門に降る流れ、最後の最後、ゼニスが残したシャトルで地球外に旅立とうとしたところで、アーロイたちの様子を見てからの心変わり……なんだかんだ彼もずっとストーリーの軸を握ってるんですよね。画面にいなくてもずっと存在感があるというか。
この冷酷な流浪の賢人もまた、物語の縦糸を前作のほぼ最初から今作の最後までひっぱり続けていた裏の主人公なのではないかな、という印象を強く持ちました。
ネメシスに対して打つ手がないとなったときにそれぞれがどうするのかというのは作中では全く語られませんが、それは一応また同じようにどうにか団結して乗り越えるんだ、というメッセージとしてのあのエンディングだったのだ、というのが素直な解釈なのかなとは思います。
……そこで最後の最後にひとりでシャトル使いそうと思わせてくれるあたりがまた、「裏の主人公」っぽいなという気もします。
まとめ
なんやかや書いてきましたが、ざっくりまとめると、
ゲームとしてはほんとうに各要素がハイレベルで融合したスゴい作品、結果的に115時間やった。
バグが少なからずあってやや不快
UI/UXの詰めの甘さは前作に続き健在
Horizon はサイレンスの物語でもある
という感じでしょうか。正直このものすごい密度のゲームをこの5週間くらい? ずっとやっててちょっと疲れました。次はちょっと軽いのやるかな。
いじょうです。