デフォルト素材MZ
これはどういう記事か
RPGツクールMZにデフォルトデータとして入っているデータや素材だけをなるべく使ってどんなゲームが作れるのか試しつつ、もともとのサンプルデータの内容についての印象とかをぐだぐだ書いています。そういうのに興味がある人向けです。
私がMZ買ってからここまで
まずリメイクをやった
RPGツクールMZを買ったのが確か去年の6月末くらいで、それでDQ2のプライベートリメイクができあがったのが11月くらいでしたかねぇ、確か。
これをつくる過程だけでもけっこう満足していて、ぶっちゃけこれだけでもMZ買った元は取ったなと思ってます。何か自分のオリジナルをつくって世に問いたいとかそういう気持ちもそんなにないんです。
せっかくだしオリジナルも?と思ったら
とはいえせっかくだしとそれらしいものの制作にとりかかるも、すぐに気がつきました。
DQ2のリメイクでは、キャラの画像はMZのをそのまま使いましたし、マップはオリジナルで見たのをそのままぽちぽちやれば出来上がるしそれでよかったんですよね。でもオリジナル作品となるとそこも何かを見てぽちぽちやれば、とはいかないわけです。キャラクター(の絵)にこだわりがあればそれもどうにか用意しないといけない。
絵を描くにしてもマップデザインをするにしても、たぶんセンスというよりはなにかこう、そういうことをするための基礎的な素養が私には欠けているんだろうなと思うんですが、怠惰な人間なのでそういうのを改めていちから勉強とかやりたくないんです(笑)。仕事ならまぁやるかもしれませんけどこれは趣味なので。
そこで……
MZにもともと入ってる素材とかサンプルマップてそもそもどういうのだっけ? から派生して、そういやアクターデータとか職業、アイテム、スキルetcetcいろいろサンプルとして入ってるけどちゃんと見たことなかったなぁということに思い至りました。そしてひとつひらめきます。
(ほぼ)サンプルデータだけのRPG
構想2日、制作期間1か月ほどで完成しました。
絵は描かない、マップ(原則)自分でつくらないという大方針の中で、以下のような過程で進めていきました。
コンセプティング
ちょうど年末に自分が好きなゲームを書き出していたので、それらのどういうところが好きかというのを単語でばーっと書き出しました。そして近いもの同士をグルーピングしてみて、今作に採用するアイデアを絞り込んでいきました。
結果的に採用されたアイデアとしては以下のような感じです。
いろいろランダマイズする。
舞台となる国の名前
主人公に同行するキャラの職業、性別、レベル、装備。
ダンジョンマップ
ダンジョンマップを指定条件下で自動生成するプラグインを利用
アイテムや武具の合成
けっこういろいろ出したんですけど結果的にこれだけです。さっき改めてこのときのメモを見てみましたけど、惜しくも採用できなかったけどどうにかしたいなぁというのがけっこうあるので、いずれまた何か作ることがあればやってみたいですね。
ストーリー骨子
上記アイデアを使うためにはどういうストーリーが必要か?というちょっと逆算ぽい感じでストーリーを考えました。その中で、辺境の関所から国に入って、さまざまなエリアのダンジョンを抜けて国の異変の中心である城に向かっていくというアイデアと、パーティーメンバーとして入る可能性がある人工生命が実は……という仕掛けを思いつきました。最後にちょっとだけですがルート分岐もあります。
アイテム・スキル・武器・防具のデータ
このあたりはもともと入ってるサンプルデータをほぼそのまま使っています。合成があるのでそのレシピデータを追記したくらいです。
改めてサンプルデータを見た印象としては……アイテム・スキルは、各属性、ステート、HP/MPそれぞれに効果があるようなものがある程度ちゃんと網羅はされてます。ただ、魔法の数に比べて必殺技がかなーーり少なくて難しかったですね。あんまりスキルが増えないとどうしても戦闘も単調になっちゃうので、せいぜいLvが3-4くらい上がるごとくらいでスキルを増やしたいんですが、それだとLv20くらいまでのぶんしかないという……。今作は実際最後まで作ってみたらちょうどLv20くらいで終わる長さに偶然なったのでよかったんですが、長編をやるにはぜんぜん足りないでしょうね。魔法と同数までは言わないにしても、流石に倍くらいはあってほしいところでした。でもまぁわりとちゃんと速度補正とかもデータが入ってますし、十分参考になるしベースにできるデータだと思います。
敵データ
敵データについては、もともとが5種類しかいなくて流石にこれでは成り立たないので、素材画像に入ってるやつをほぼ全部使いつつちょっとカラバリも入れて、奥のダンジョンへ行くほど強くなっていくようにデータを入れました。大量のデータを俯瞰で見ながら扱わないといけなことが先にわかっていたので、json・csvの相互変換器を自作したのがとてもよかったですね(公式のツールはWindows向けしかない)。あれでだいぶ作業量が減りました。これで敵が全部で100種類くらいです。そしてDQ2リメイクのときにつくった CSVN_randomEnemies.js をリファクタしたうえでサイドビューにも対応させたので、いろんな敵がいろんな組み合わせでいろんな配置で登場させるようにしても敵グループの数は80くらいで済んでいます。
マップ
もちろん可能な限りサンプルマップと自動生成を使いました。完成後に数えたら全部でマップが34あるんですが、そのうちサンプルマップかその軽い改変を使用したのが15、自動生成にしたのが12、しょうがなく自分でつくったのが7。外観のサンプルマップと内観のサンプルマップで建物の形があってないのがどうしても気になったのでそこはもうしかたなく……。サンプルマップだけでどうにかする想定ではないんでしょうねやっぱり。
なおダンジョン部分の自動生成には MNKR_SAN_ManGenerator.js を使いました。
こちらの記事をかなーり参考にしました。ありがとうございますありがとうございます。
BGM・SE
これは何も追加してません。もともと入ってた曲を使ってますが、好みでピッチは変えたりしてます。けっこう表情変わるんですよね。
ランダムパーティーの実装
今作の基盤とも言える、主人公とパーティーメンバーの職業、性別、レベル、装備が全部ランダムで決まる仕組みの実装をまずやりました。フォーラムでもちょっと愚痴ったんですけど、イベントエディタだとこの「ランダム」というのが曲者で、定数でさえあればできるけど変数だから書けませんっていうのがすごく多くて結局jsいっぱい書きました。あとせっかくランダムで決まるようにしても無限に何度も脱退と加入を繰り返すガチャとかされたら面白くないなとか、そういう処理の外側のルールづけもなかなかホネでした。
まぁメンバー抽選と追加を行うマップの直前でセーブして、いいのをひくまでリセマラとかはできちゃうんですけどね。それくらいはまぁいいかと。
各マップのイベントの実装
お店おいたり、ヒント出す人をおいたりとかそういうあたりまえにやることをあたりまえにやりました。ただまぁストーリーが進むごとに発言を変えるとかももちろんあるにはあって、そこをちゃんと整合させるのはなんどやっても大変ですね。TextScriptBase.js も今回初めて入れたんですけど、使うデータを俯瞰で見ることはできないのでそういう場面ごとの整合をとるには使えなくて。このあたり何かいい方法ないもんですかねぇ。
このあたりまでくるとけっこう頻回でテストプレイもやってます。戦闘のバランスとか、敵のドロップの多寡とかを見つつですね。そうして最後のラスボス周りのイベントをつくって、すぐ手前のルート分岐のイベントとその派生で各拠点のセリフの整合とって、通しでテストプレイして、エンディングつくってひととおり流し終わって……このあたりまでで一旦完成としました。ぶっちゃけ全職業はテストプレイしてないんですけど、数値上はもうそこまで変わらないだろうということで。万が一変なのを見つけたら教えてください。
できたもの
macOS版(301MB)Windows版(183MB)
作者が通しでテストプレイしてだいたい4時間半くらいでした。しかしこうしてみると、苦手のお絵描きとマップデザインの工程さえ省略できればたかだか1か月でさくっとできてしまうということなんですよねこれ……。そのふたつの工程がわたしにとっていかにボトルネックなのかということを思い知る結果となりました。
未来へ……?
以降なんかもっとちゃんとというか、チカラを入れて作ることがあるとしたら、そういうのができる方と手を組んだほうがいいかもしれないですね。私がシステム担当みたいな感じになるんでしょうか。界隈で合作というか、そういうユニットとかあったりするんでしょうか。お祭りっぽく合作イベントーみたいのをやってるのはフォーラムで見ましたけど、私がやるとしたらそれじゃないしなぁ。まぁ次やる気になった時にでもフォーラムで聞いてみましょうかね。あるいは万が一どなたかからそういうポジションでお呼びいただいたら検討する価値はあるのかもしれません。
ということで、まぁまたそのうち。