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PCDJ vs それ以外という古くて新しい定番beefのこと

きっかけは何だったのかな、クラブ現場でやってはいけないこと云々というハッシュタグが流れてたのも見たし、私のTLでは Remo-con 氏のこのツイートがきっかけだったか。

まぁ伝聞だし気にするべくもないと言えばそうなんだが、やはりそれでもPCDJをものする諸氏にはやはりカンに触るものがあっただろう。

少し前のnoteにも書いたが、PCDJのメリットは非常に大きく、時代はそちらに移っていると言っても過言ではない。きちんと使いこなせる人が使えば、VinylやCD、USBよりもプレイに機動性と柔軟性をもたらす。個人的にはいちいち曲を覚えてなくてもブレイクの位置が視覚的にわかるのがとてもありがたい。

さて、beefである。

※論争、口喧嘩、揉め事等のことを意味するスラング
cf. http://hiphopflava.net/blog/2014/09/29/slang-dictionary/#b

PCDJの場合、DJそれぞれが別のPCとコントローラを持ち込んで箱の機材に接続して使うことになるわけだが、現状ではこのことが残念ながらDJの転換時のトラブルの原因になりやすい。よく聞かれるのは以下のような問題。

1. 前のDJに断りなくプレイを邪魔する形で準備を始めてしまう者がいる。
2. 機材全般への理解が乏しく、稼働している機材を傷めるような使い方をする者がいる。
3. 自分の出番が終わった後にPCやコントローラを片付けないために次のDJの邪魔になる者がいる。

よく慣れているDJにとって、これらの問題ははっきり言って「あり得ない」ことであり、PCを使うかどうかにかかわらずこういう問題を起こすDJはカスであるという話によくなるし、私自身もそう思っている。ただ、これだけDJの人口が増えて裾野が広がった以上カスが増えるのは当然で、カスのことをカスであると罵っていても始まらないのでできるだけ具体的に対応策を示してみようと思う。

つまりは自分の前後のDJとはよく相談しておくということなのだが、これを可能な限り具体的に示してみる。

1. 前のDJからはどんな曲で渡ってきてどんな曲で受けるかできるだけ具体的にイメージしておく。なんならこの曲と決めてしまう。
2. 自分から次のDJにはどんな曲で渡して次のDJはどんな曲で受けるのかできるだけ具体的にイメージしておく。なんならこの曲と決めてしまう。
3. 前後のDJとの転換で機材の出し入れがあるか確認し、実際に何を出し入れしてどの機材のどこにどの機材の何をどのようにつなぐか綿密に確認しておく。もちろんその際に機材を傷めるようなことはしてはいけないので、どのタイミングでどのchを下げるのかとかどのタイミングでケーブルの抜き差しをするのかも具体的に確認。
4. 音を止める必要の有無を確認し、止めるならその間どのようにもたせるか主催者や必要に応じて箱側のスタッフも巻き込んで打ち合わせをしておく。

具体化するとなかなか面倒に思われるかもしれないが、よく慣れているDJはすべてあくまで「当たり前に」やっていることである。これを「マナー」と呼ぶ向きもあるが、私はそうは考えない。「マナー」はつまり空気であり空気を読めと言っても通じない人には全く通じないからである。これは空気などではなく、DJが複数人でてきてひとつの催しを滞りなく全員で気持ちよく動かすには必要不可欠なことであるから、マナーではなくこれは「必要な手順」である。
これをベースとして、各箱並びに各DJが自分なりの立ち回りを環境と状況に応じて具体的に組み立てられるように、メモでもマニュアルでも作って管理していくという考え方もあって良いのではないだろうか(私はいまこれでやった)。上記内容が理解できない向きにおかれては、まず自宅に環境を作ってきちんと勉強されることを強くお勧めする。

ほんとうは、イベント開始前に出演者も含めた関係者が全員揃って、音を出しながらこれらのことを確認できるのが良いし、欲を言えばその日でてくる機材はすべて最初からブースに置いてあって、ケーブリングもすべて済んでいる状態がベストである。リアニ8のメインフロアのブース内の威容や、先日の秋葉原重工のDJ/VJ用のPCが5台ブースに居並ぶ威容を思い出すが(実際そうだったかまでは知らないが)、なかなかそういう環境を作れない現場が多いのも事実であり、今回あえてくどくど書き出してみた。

それもこれも、ひとつのイベントを滞りなく気持ちよく進行して、出演者や関係者、そして何よりお客さんにご面倒をかけずに気持ちよく過ごしていただくために必要なことであると考える。

タイトルに「古くて」と加えたのは、このテのbeefは複数の手段が並び立つ時に昔から必ず起きてきたものだからである。10年以上やっている各位はもしよければ、昔のmixiのDJ総合コミュの惨状を思い出していただきたい。アナログ派とCDJ派が日々しょーもない殴り合いをしていたものであった。PCDJにまつわるbeefも構造はあれと同じであり、あれをこれ以上繰り返さないためにもお互いのプレイ環境をきちんと読むことを改めて推奨していきたい次第。あえて書くならこれは「思いやり」ではない。「法」であると言って良いと思う。

以上、関係各位の参考になればこれ幸いである。

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