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「新しいゲーム」の魅力、「パスティーシュ~最高傑作の誕生~」の面白さ (新澤大樹インタビュー)

※この記事は、「パスティーシュ~最高傑作の誕生~」のPR記事です。

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ゲームデザイナーの新澤さんに、「パスティーシュ~最高傑作の誕生~」のリメイク元となった「ラミネートラミー」の面白さを聞きました。

ーー自己紹介をお願いします。

10年くらいボードゲームを作っています。
サークル倦怠期の新澤大樹です。

ーー「ラミネートラミー」(「パスティーシュ~最高傑作の誕生~」)はどんなゲームですか?

ラミー系のゲームです。ラミーというのは、カードや牌などを使って、同じ数字の組や連続する数字の組をそろえて役を作るゲームです。
このゲームでは、特別なシステムが採用されています。誰かが役を発表したら、その一部を新しい役を作る時に再利用できます。

ーー初めて遊んだ時の印象を教えてください。

はじめて遊んだ時に「これは新しいゲームだぞ!」と思いました。
美味しいうどんにさりげなく添えられた、スダチみたいな感じというか。とにかくフレッシュな香りがしましたね。
フレッシュなシステムっていうやつです。

ーーどのようなところが新鮮に感じたのでしょうか?

役を発表すると、それがその後に作られる役のタネになるというところ、そして、自分だけじゃなくて他人の発表した役も利用できるというところ。
後半になると利用できるパーツが増えていって、どんどん勝負が激化していき、難しい役もお手軽に作れるようになるのが新しくて、面白かったです。

ーー「新しいゲーム」というキーワードを、新澤さんはよく使いますよね。

ボードゲームを作っている人としての自分は、他のゲームを遊ぶというか研究する時に、面白さというのはそんなに重要じゃないんですね。もちろん遊ぶ人としては、面白さは重要です。
しかし、作っている人としては、他に新しいものを求めています。そんなに面白くないなと思うゲームでも、新しい要素が入っていれば何度も遊ぶこともあります。
このゲームは「新しいゲーム」だし面白いし、何度も繰り返し遊んでいます。

ーー特に新しいと思ったポイントを教えてください。

ラミー系のゲームは、どうしても地味になりがちなんです。何かをコツコツ集めて役を作る、地道な作業の積み重ねだからです。難しい役を作ろうとすれば、じわじわとカードを集めていかなくてはいけない。
そうやってゆっくり準備していくことが面白さでもあります。けれど、いわゆる現代的なゲームデザインのダイナミックな感じはあまりありません。
ラミー系のゲームは、友達と一晩中じっくりと何回も遊びたいゲームが多いんですね。
その、じっくり楽しむ面白さというのは、ボードゲームをある程度遊んでいないと分かりにくいところでもあると思います。

ーートリックテイキングなんかも、ある程度遊んでいくとじわじわ面白さが発見できるゲームジャンルですよね。

そうですね。トリックテイキングでいえば「自分の手札のどのカードをプレイすると、他人にどのような影響を与えるのか」という派手ではない面白さを感じるようになるのは、時間がかかります。
「ラミネートラミー」(「パスティーシュ~最高傑作の誕生~」)に話を戻しますと、ラミーなのに、ゲームがダイナミックに動く瞬間がなんどもあるんですね。
他人の役を使えるルールがあるので、まるでゲームを通して自分が積み重ねてきた役が評価されるような気持ちにもなります。
例えば「11ストレート」という11枚のカードを使わなくてはいけない役があるんですが、ゲームの序盤には「これ全然無理じゃん!」って思う。でも、ゲームが進んでいくと、「自分のこのカードと、あの人のカードと、これとこれを使ったら作れる!」みたいな感じで、すごく難しい役が簡単に発表できるようになります。これは、達成感がある。場にあるカードを組み合わせて、難しい役の作り方がパッとひらめいたときはとても嬉しいです。

ーーこのゲームはどんな人におすすめですか?

コンボが好きな人は、オススメです。
派手なコンボが好きな人は、ラミー系のゲームってあまり遊ばれないのかなと思います。先ほど言ったとおり、じっくり楽しむタイプのゲームが多いので。
でも、こんなダイナミックなラミーもあるんだよって知ってもらえたらいいなと思います。
このゲームを入口に、ラミーの面白さを知ってもらえるかもしれません。
実際のゲームでいえば「宝石の煌き」が好きな人とかですかね。
ラミーが大好きな人にも、もちろんおすすめです。普段とは違う味付けのラミーが遊べます。またゲーム展開が早いので、何度も好きなゲームの美味しいところが味わえるとおもいます。
ラミーの面白さもあるし、ダイナミックさもあるし、新鮮さもある。ある程度ゲームを遊んでいる人だったら、面白いんじゃないかな。

ーー「新しいゲーム」ということは、ゲームを作っている人たちにもおすすめですか?

このゲームには、とても良い工夫がされていると思います。ですので、ゲームデザイナーにもおすすめです。
ルールに複雑性を持たせたいとき、ゲームに使用する道具を増やすんじゃなくて「一つの道具で複数の役割を表現する」と遊んでいる人にルールが増えたと感じさせずに「ゲームの内容を濃くする」ことができます。

このゲームだと「カード」は手札から役を発表する役割だけではなく場に残って、新たな役を作るための役割も持っている。
他にも、カードには「お金」の役割もあるんですね。他人の役を借りる時には、カードを渡します。もちろん、渡したカードを使われちゃうから、どのカードを渡すかも考えなくちゃいけない。
ルール量は増えてるんだけど、実際にはそこまで増えてるとは感じずに、面白さがギュッとつまっているように感じるデザインになっています。
しかも、カードに書かれている情報は基本的には「数字」と「マーク(スート)」しかない。
ゲームで使うのカードの数は増えてはいないのだけれど、「カードをどう使うか」というルールが増えているんですね。

カードの中に複数の数値やテキストが記載されていると情報量が多くなって、ルールが把握しずらくなったりしてしまいます。
もちろん、そういうたくさんの情報が楽しいゲームだったらよいのですけれど。複雑に感じさせないために、あまり使われてない手法として「カードに表示されている情報は増えないけど、それを使う場面を複数用意する」というルールデザインの工夫があると思います。

他の工夫点としては、モダンなゲームというのは後半に向けて「難しいことができるようになる」とか「出来なかったことができるようになる」という要素が重要です。
ダイナミックにゲームが動くと、自然なかたちで逆転できる展開も生まれます。

ーー最後に、「ラミネートラミー」(「パスティーシュ~最高傑作の誕生~」)が気になっている人へコメントをお願いします。

とにかく、面白いので遊んでほしいです。
ゲームを作っている人には、ルールデザインに注目してほしいです。
でも、単純に楽しんでほしいかもしれません。
他人とのインタラクションが強い、ラミーのような役作りのゲームって少ないと思うので、面白いと思います。自分も相手も役を積み重ねつつ、お互いに助けになるというところが、醍醐味だと思うので楽しんでほしいですね。


新澤大樹
2011年ごろからボードゲームを製作開始。パズル制作会社に就職。現在も従事。現在も本業とは別に10年近くボードゲームを製作発表し続けている。
主なボードゲームの作品に、オインクゲームズ佐々木氏との共作maskmen マスクメン(オインクゲームズ 2014年)や、アメリカンブックショップ(双子のライオン堂 2019)などがある。


【ゲームの詳細】
「パスティーシュ~最高傑作の誕生~」
https://note.com/curryyylife/n/ndbe206919477
通常価格:2750円
プレイ時間:30~50分
プレイ人数:3~5人
ゲームデザイナー:りかち
アートディレクション:中村圭佑+平本晴香
企画:田中佳祐
発行:双子のライオン堂

WEB通販:https://liondo.thebase.in/items/55190952
ゲームマーケット2022春(土日両日)【ツ10】Bitaby&双子のライオン堂書店ブースでも、販売します。
ゲームマーケット会場購入予約:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSexvCuns9A3KPQr7GLwlfhzGYC_vFMiEVb0Jh80admEtt8nZQ/viewform?usp=sf_link

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