PRスキル6「ニュース配信サイト活用スキル」
私はこれまでカレーの専門家とともに広報PRコンサルタントとして約20年にわたり、数多くの企業や団体に対してPR指導を300社以上に行い、企業取材を通じて多くの広報活動に携わってきました。その中で、特にメディアに頻繁に取り上げられる企業には、いくつもの共通したスキルや手法が存在することに気づき、まとめています。その実践的なスキルについて、具体的な事例を交えながら詳しくご紹介します。
「ニュース配信サイト」がうまく活用できずコストがかさみ悩んでいる企業が多い!「ニュース配信サイト活用スキル」として、効果的なニュース配信サイトの活用法とそのメリット・課題をお教えします!
今回、ご紹介するPRスキルは「ニュース配信サイト活用スキル」です。これは、PR TIMES、@プレスなどの有料ニュース配信サービスを利用することで、広報活動を効果的に展開する方法です。直接的な広報手法とは異なりますが、近年非常に注目されており、講座や企業からの質問も多いため、詳しく解説します。
ニュース配信サイトの仕組みと利便性
ニュース配信サイトを使うことで、企業は自社のプレスリリースを簡単に多くのメディアに届けることができます。例えば、PR TIMESを利用すると、リリース内容を専用フォーマットに入力するだけで、同社のサイトに掲載されるだけでなく、約300の提携媒体に配信され、全国紙や大手ニュースサイトにも掲載される可能性があります。
≪メリット≫
〇広報初心者でも簡単に利用可能
広報の専門知識がなくても、基本情報を入力するだけでリリースが作成・配信できるため、誰でも手軽に広報を始められます。
〇手間をかけずに広範囲に配信
自社でメディアリストを作成し、個別に配信する手間を省けるため、効率的に多くのメディアへ情報を届けられます。
〇メディアリストの管理が不要
常に最新のメディアリストが用意されているため、自社でリストを作成・管理する必要がありません。
〇検索エンジン最適化(SEO)に効果的
リリースがニュースサイトに掲載されることで、検索エンジンの上位に表示されやすくなり、オンラインでの露出が増加します。
≪課題/デメリット≫
メリットの反面、多くの課題やデメリットがあります。
一部をまとめると次になります。
✕コストがかかる
有料サービスであるため、頻繁に利用するとコストがかさむ可能性があります。
✕フォーマットの制約
自由なレイアウトが難しく、視覚的なインパクトを最大化するには工夫が必要です。
✕ニュースリリースの質が重要
基本的なリリース作成スキルが不足していると、効果が半減します。ポイントを押さえた内容でないと、注目されにくくなります。
✕情報過多の中で埋もれる可能性
例えば、PR TIMESだけでも30,000社が利用し、毎月約100,000件のリリースが配信されています。そのため、メディアに届いても見落とされるリスクが高まります。
✕直接のコンタクト不足
ニュース配信サイトでは記者や編集者との直接のやり取りがないため、文章だけで強いインパクトを与える必要があります。
効果的なリリース作成のコツは?
ニュース配信サイト向けのリリースを作成する際には、以下の点に注意しましょう。
◎簡潔でわかりやすい文章
ネットメディアで読みやすいよう、1ブロックを2〜5行にまとめ、文字数は必要最低限に抑えます。
◎シンプルな内容構成
複数のテーマを盛り込まず、一つのメッセージに絞り込むことで、読み手に強く訴えかけることができます。
◎ビジュアルを活用
写真やグラフィックを多く取り入れることで視覚的なインパクトを高め、内容を直感的に伝えられます。
◎見出しと導入文を工夫
最初の数行で興味を引くようなキャッチコピーを作り、重要なポイントを簡潔に示すことで、最後まで読んでもらいやすくなります。
ニュース配信サイトの効果的な活用の方法とは?
基本的な広報活動は自社配信を中心に行い、不足分や特定のターゲット層へのアプローチにニュース配信サイトを活用するのが効果的です。
◎広報活動を始めたばかりの企業に最適
広報の体制が整っていない企業や、メディアとの直接的なコンタクトが取れていない場合、まずはニュース配信サイトを活用して広報活動をスタートしましょう。
◎新興メディアや特定のターゲットへのアプローチ
配信数が少ない新興メディアやニッチなターゲットへのアプローチにも有効です。
◎実績を営業資料として活用
掲載実績を営業資料に組み込むことで、「多くのメディアに取り上げられている」という信頼性を顧客や取引先に示すことができます。
まとめ
効果的な広報戦略の実現へ
ニュース配信サイトのPRスキルは実践的で効果的な方法です。少し高度な内容ですが、ぜひこれらを身につけて、自社の広報活動を成功に導いてください。
【参考情報】
井上岳久が講師で広報PRのスキル及びテクニックを伝授する
最高峰の広報研修機関「日本広報教育センター」とは?
日本広報教育センターは、企業の広報力の底上げを目指し、広報パーソンの教育や研修を展開する機関です。
広報の力によって、企業の価値は左右されます。広報を確実に展開させて企業価値を高めるためには、広報の基礎知識と実践力を持った広報パーソンの存在が不可欠ですが、国内にはその育成機関がほとんどありません。
そうした現状を踏まえ、日本広報教育センターでは、次の3つの事業を柱に、成果を出せる広報パーソンを育成していきます。
<主な事業>
・広報PR研修事務局
~広報担当者や広報スキルを得たい方などを対象に研修を実施
・PRエキスパート資格
~広報の専門家を目指す方やキャリアアップを希望する方などに向けて 認定資格試験を実施
・戦略PR協会
~広報PRの専門家や実践者などが行う最前線の広報活
<日本広報教育センター https://nihon-prec.jp/>
◆ 講師紹介:井上岳久氏とは?
実は、井上岳久氏はカレー専門家に加え、戦略広報および戦略PRコンサルティングの分野で長年活躍している、広報界のトップコンサルタントです。最先端の経営戦略である「戦略広報経営」の研究と実践においても第一人者として知られ、その豊富な知識と経験で数多くの企業を支援してきました。中小企業診断士の資格を持ち、慶應義塾大学経済学部を卒業後、事業創造大学院大学では客員教授も務めています。
これまでに広報に関する著書を20冊以上出版し、コンサルティング支援を行った企業は300社を超えます。さらに、宣伝会議や経営合理化協会、広報専門学校などの教育機関で15年以上にわたり人気講師として教壇に立ち、広報人材の育成に貢献してきました。特に、宣伝会議主催の「広報担当者養成講座」では、広報の基礎から応用までを指導し、多くの企業広報担当者から高い評価を得ています。
その講演活動も非常に活発で、年間120回以上、大手企業の研修や広報講座で登壇し、実践に基づいた広報戦略の重要性と効果的なPR手法を伝えています。井上氏の指導を受けた広報部門は、確実に成果を上げ、企業の成長を支える強力な広報チームへと変革を遂げています。