見出し画像

広報進化論──変化する環境下で真に必要な広報パーソンの姿


広報新時代へ──変わりゆくメディア環境と、求められる広報パーソン像とは?

「多段階リリース配信」「PRブレーンストーミング」「ニュース配信サイト用リリース」「製品ファクトブック」「社内ラジオ広報」など広報の新手法を知っていますか?

私はカレー専門家として食品プロデュースとともに広報業務に携わって20年以上が経ちますが、近年の広報環境の変化には目を見張るものがあります。新たな手法やツールが次々と登場し、広報の役割も多様化しています。「多段階リリース配信」「PRブレーンストーミング」「ニュース配信サイト用リリース」「製品ファクトブック」「社内ラジオ広報」など、これらの最新スキルをどれだけご存じでしょうか? もし知らないものがあるならば、最新の広報業界で生き残るのは難しいと言わざるを得ません。

広報業務は日々複雑化し、業務量は増加し続けています。さらに、メディア掲載競争も激化しており、成果を上げるには高度な専門スキルが不可欠です。広報パーソンは、この現実をしっかりと認識し、変化に適応することが求められています。



【最近の広報を取り巻く環境変化】

<Ⅰ>メディアの変化

広報業務を取り巻く環境の中でも、メディアの変化は特に顕著です。
20年前までは「新聞・テレビ・ラジオ・雑誌」が影響力を持つ4大メディアでした。しかし現在は「Web」が加わり、5大メディアとなっています。さらに、SNS、YouTube、ブログなども強力な情報発信源として台頭し、メディアの総数は爆発的に増加しました。これらをすべて把握するのは非常に困難です。

質的な変化もあります。
テレビは地上波だけでなく、BS、CS、ケーブルテレビ、インターネットテレビなど多様化。新聞や雑誌もWeb配信を行い、「日経クロストレンド」や「現代ビジネス」などは、単独で大きなメディアとしての地位を確立しています。

メディア内部の業務も変化しました。
かつては、ジャーナリストが寝る間も惜しんで取材をするのが当たり前でしたが、今では効率化が進み、サラリーマン化した記者も増えています。また、副業ライターやセミプロのライターがWebメディアを支えるケースも増加。AI技術の導入も進んでおり、一部のテレビ局ではAIがリリースを分析し、必要な情報を選別する時代になっています。このような環境に対応する広報戦略が求められています。


<Ⅱ>企業広報の変化

企業の広報活動も20年前とは大きく様変わりしています。
当時は広報を行う企業自体が少なく、リリースの数も限られていました。しかし今では、多くの企業が広報に力を入れ、リリースの数は爆発的に増加。PR TIMESのようなニュース配信サイトは、1日1,000件ものリリースを取り扱っています。低価格競争が進み、無料で配信できるサイトも登場しています。

一方で、影響力のある巨大メディアは相変わらずテレビや新聞など限られたものに集中しています。つまり、メディア掲載を目指す企業が増える中で、競争は激化する一方なのです。

<Ⅲ>広報パーソンの業務の変化

広報の業務内容も、かつてのシンプルなものから大きく拡大しました。
以前はリリース作成と配信が主な業務でしたが、現在ではオウンドメディアの運営やSNS活用、危機管理業務まで多岐にわたります。社内広報も重要性を増し、リモートワークの普及に伴い、イントラネットを活用した日々の情報発信や、社員間コミュニケーションの促進が求められています。

特に注目すべきは危機管理です。一人の社員の不用意な発言がSNSで拡散され、企業に大きなダメージを与えるケースが増えています。その対応力も広報の重要な役割となりました。

業務が増加し、競争も激化する中で、リリースのクオリティも問われています。かつては100点中で、50点のリリースでもメディアに取り上げられましたが、今では80点以上の完成度が求められる時代です。



【今望まれる広報パーソンの在り方】

これからの広報パーソンには、どのようなスキルと姿勢が求められるのでしょうか

1)広報パーソンのスキルアップ

広報パーソンにとって、スキル向上は不可欠です。
「コンテンツ力」は広報の生命線です。全社から情報を集め、それを磨き上げ、時には新しいコンテンツを生み出す能力が求められます。SNSやオウンドメディアの運用、映像制作スキルも必要です。リリースも、ニュース配信サイトごとのフォーマットに合わせて最良の形にするスキルが求められます。

2)企業側の専門家育成体制づくり

企業側も、広報専門家を育成する体制を整える必要があります。
これまではジョブローテーションの一環として広報を経験するだけでしたが、今後は広報のプロフェッショナルを育てることが重要です。優秀な人材を採用し、長期的なキャリア形成を支援することで、企業全体の広報力が高まります。

3)業務整理と効率的な運用

増加する業務を効率的に運用することも重要です。
メディアリストのメンテナンスを定期的に行うことで無駄を削減し、AIやDXを導入して作業効率を高めましょう。業務の取捨選択も必要で、すべてを一人で抱え込まず、優先順位を明確にすることが求められます。



あとがき

ここまで、おおまかに解説してきましたが、私が顧問及び総合監修している広報育成の専門機関「日本広報教育センター」には、広報パーソンの育成に関する問い合わせが激増しています(https://nihon-prec.jp/)。
広報業務の複雑化に対応するには、広報パーソンと企業が共に成長することが不可欠です。広報育成の専門機関「日本広報教育センター」では、広報実務や戦略に関する講座を提供しているので、ぜひ活用してください。
新任広報育成広報実務(基本、応用)広報マネジメント(育成、戦略立案)、専門広報カテゴリー(マーケティングPR、WEB広報、危機管理、社内広報)専門スキル(リリーステクニック)など多岐にわたり講座、セミナー、社内研修を実施しているので、ご関心のある方はお気軽にお問い合わせください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【参考情報】

井上岳久が講師で広報PRのスキル及びテクニックを伝授する

最高峰の広報研修機関「日本広報教育センター」とは?

日本広報教育センターは、企業の広報力の底上げを目指し、広報パーソンの教育や研修を展開する機関です。
広報の力によって、企業の価値は左右されます。広報を確実に展開させて企業価値を高めるためには、広報の基礎知識と実践力を持った広報パーソンの存在が不可欠ですが、国内にはその育成機関がほとんどありません。
そうした現状を踏まえ、日本広報教育センターでは、次の3つの事業を柱に、成果を出せる広報パーソンを育成していきます。

広報PRは「スキルとテクニックが必須!」をスローガンに掲げ研修及び講座を展開

<主な事業>
・広報PR研修事務局
 ~広報担当者や広報スキルを得たい方などを対象に研修を実施
・PRエキスパート資格
 ~広報の専門家を目指す方やキャリアアップを希望する方などに向けて  認定資格試験を実施
・戦略PR協会
 ~広報PRの専門家や実践者などが行う最前線の広報活動事例紹介を実施 
日本広報教育センター https://nihon-prec.jp/>


◆ 講師紹介:井上岳久氏とは?

実は、井上岳久氏はカレー専門家に加え、戦略広報および戦略PRコンサルティングの分野で長年活躍している、広報界のトップコンサルタントです。最先端の経営戦略である「戦略広報経営」の研究と実践においても第一人者として知られ、その豊富な知識と経験で数多くの企業を支援してきました。中小企業診断士の資格を持ち、慶應義塾大学経済学部を卒業後、事業創造大学院大学では客員教授も務めています。

井上戦略PRコンサルティング代表として活躍中!

これまでに広報に関する著書を20冊以上出版し、コンサルティング支援を行った企業は300社を超えます。さらに、宣伝会議や経営合理化協会、広報専門学校などの教育機関で15年以上にわたり人気講師として教壇に立ち、広報人材の育成に貢献してきました。特に、宣伝会議主催の「広報担当者養成講座」では、広報の基礎から応用までを指導し、多くの企業広報担当者から高い評価を得ています。
その講演活動も非常に活発で、年間120回以上、大手企業の研修や広報講座で登壇し、実践に基づいた広報戦略の重要性と効果的なPR手法を伝えています。井上氏の指導を受けた広報部門は、確実に成果を上げ、企業の成長を支える強力な広報チームへと変革を遂げています。