私が愛の不時着にどハマりした理由
愛の不時着にそれはそれはハマって、同じくハマってる知人のブログを読んでこっそり感動したので私も書く。二番煎じみたいになっちゃうのだけど、気持ちの整理のために。笑
正直、韓国にはいい印象がなかったから韓国ドラマは最近まで観たことなかった。
思い返してみれば日本のドラマもあんまり観たことなくて、みんなが好きな逃げ恥もプロポーズ大作戦も観たことない。
でもこのコロナの影響でずっと家にいて、前から友達に勧められていた韓国ドラマでもいっちょ見てみるかと思ってトッケビを見たのが始まりだった。
トッケビを観て、あれよあれよと言う間に韓国ドラマの緻密さにハマった。 日本のドラマに比べて圧倒的に長いんだけど、その分しっかり張られた伏線が回収されていって、細かな部分にまでちゃんとスポットライトが当たるんだよな。
トッケビもなかなか素晴らしくて、いわゆるトッケビロスになって、さあこのロスを解消すべく次はなにみようかなーと思ってた時に、愛の不時着を勧められて見始めた。
正直最初はリ・ジョンヒョクのかっこよさがわからなかった(髪型が変だから…)けど、3話目くらいからどんどん話が面白くなるし、リ・ジョンヒョクのかっこよさにすぐ虜になった。なんなら6話以降は全部の話で号泣してた。
愛の不時着ってあり得ない設定かと思いきや、すごくリアルなんだよね。
この自由な時代に、身分違いの恋も許されざる恋ってなかなか想像しづらい。
でも冷戦状態にある韓国の財閥令嬢と北朝鮮の政府高官の息子が恋に落ちるって、誰が見ても絶対許されないことが一目でわかる現代版ロミオとジュリエットなんだよ。
じゃあなんで普遍的なロミオとジュリエット的恋愛ドラマである愛の不時着にこんなにも惹きつけられるのか。
それは大きく分けて舞台の特異性、キャラクターが確立していること、愛の描かれ方、OSTの素晴らしさ、その4点だと思う。私は映像作品に詳しいわけでもないし、演出に詳しいわけでもないから、自分が感じたことだけだけど。
(1)舞台の特異性
スマホ1つでなんでも出来て、飛行機だってバンバン飛んでて、好きな人が世界中のどこにいても時間とお金さえあればすぐに会えるこのご時世に、ある意味最後に残された砦が北朝鮮なんだと思う。韓国にとって、一番近くて遠い場所なんだよね。
21世紀の自由なこの時代に、行きたくても行けない、そこにいる人に会いたくても会えない、連絡を取ることさえも許されない。
そんなところがまだこんな近くにあったんだなと脱帽したよね。舞台設定がうますぎる。
殆どの人が北朝鮮での暮らしを知らないからこそ北朝鮮の姿がすごく興味深いし、そこでの暮らしに共感してみたり、びっくりしてみたり、ただの生活のシーンでも感情が動く。
北朝鮮でのリアルな暮らしや政治はわからないけど、ニュースでみる姿から想像するに、あんなことがまかり通ってる可能性も大いにあるだろうと思わせる力がある。
ただ住民の暮らしには悲壮感もなくて、なんとなく懐かしさが漂ってるだけの案外普通の暮らしが描かれているから、田舎の風景を見てるみたいな気分になる。
なのに突然始まる宿泊検閲だったり、洗濯物を手で洗ってたり、炊飯器のこと話す炊飯器って呼んでたり、そんな些細なことで、ああそうだここは北朝鮮なんだった、普通の国じゃないんだった、と思わされる。北朝鮮をリアルに感じさせるのがうまい。
セリが言った「アフリカにも南極にも行けるのに、どうしてあなたはここに住んでるんだろう」という言葉。
他のどこの国の人でも愛することが許される現代で、ただ唯一、一緒にいることさえも許されない人を愛してしまった切なさ、苦しさがこの言葉に詰め込まれてる。
(2)確立されたキャラクター
このドラマには一人として無駄なキャラクターが出てこない。
リ・ジョンヒョク、ユン・セリ、ク・スンジュン、ソ・ダン、ダンのお母さん、リ・ジョンヒョクの家族、セリの家族、第5中隊のみんな、社宅村の奥様方、セリの部下、チョン社長、国家情報院の人たち、宿敵のチョ・チョルガンまで、みんなが魅力的。
ここからはキャラクターについて詳しく書いてみる。
①リ・ジョンヒョク
まずマジで顔天才すぎて、死ぬほどかっこいい。ソウルに来て、セリに言われた通りにスーツ着替えるシーン、初めて観た時かっこよすぎて笑っちゃった。思わず巻き戻してストーリーに載せたよね。
彼はいつでも丁寧で、繊細で、生真面目で。なんと言っても寡黙だけど、深い愛情を持っていて、それをちゃんと態度で表現できる人。
セリのためにろうそくとアロマキャンドルの違いを覚えたり、一緒に写真を撮るのは拒否したけれどセリの証明写真をこっそり余分にもらったり、軍人故に絶対に超えることは許されない軍事境界線を超えたり、自分がいなくなった後のセリを心配して食べ物を買い、それを棚にしまっている時にセリの身長を考えて下の棚に入れ替えたり。
彼の優しさは、命に替えてもセリを守る!という派手なシーンだけじゃなくて、日常の色んなシーンの端々に散りばめられてた。
多分、愛ってそういうことなんだよね。
命に替えても守りたいことも愛だけど、常に相手の存在が頭にあって、相手がいないところでも思いやることができるのも愛だと思うんだ。
あと、自分の弱さを見せる姿も素敵だった。
北朝鮮の高官の息子で、自分も軍人で、北朝鮮に帰りたくないなんて絶対に言ってはいけない立場のリ・ジョンヒョクがポロリと本音を言うシーン。
お互いそれがどれだけ難しいことか、言葉にしたら余計悲しくなることも寂しくなることもわかってる。だから今までそれを言葉にせず、セリが北朝鮮から帰るときも言わずに心にしまってた。
でもそれを思わず言ってしまうほど、思いが溢れ出してて切なさ満点。
意外とすぐに嫉妬するところとか、褒められるとすぐ顔に出ちゃうところとか、可愛いところもありすぎる。死ぬ。
②ユン・セリ
最初はただの金持ちで傲慢で計算高い女だと思ったけど、全然違った。
セリの過去や強さは弱さの裏返しだということがわかってからはセリのこと大好きになった。
正妻の子かつ男の兄2人に対して、セリは愛人の子かつ女という圧倒的なハンデを背負って、財閥一族という特殊な家庭で育った。
愛されよう認められようと、必死に頑張ってきて、それでも愛人の子という自分ではどうしようもない理由で、お母さんに愛されなかった(と思ってた)。
頑張れば頑張るほど、お母さんからは突き放されて。だから自分で自分を守るしかなくて、彼女の計算高さやプライドの高さはその証だった。
そんなセリがリ・ジョンヒョクに出会って、誰かに見返りなく愛されること、見返りを求めることなく愛すことができるようになって、お母さんの謝罪を受け入れることができて関係が改善して、お母さんに初めて頼み事をするシーン。めちゃくちゃ泣いた。
人に頼ることができるようになって良かった。
セリの運命に翻弄されない強さ、実はお茶目なところ、全部大好き。
セリとリ・ジョンヒョクがいつもお互いを心配してるの、本当深い愛情を感じた。
顔を見れば、その傷はなに?大丈夫?寒くない?って。「好きです」を「月が綺麗ですね」と訳したのと同じくらい、あれは愛してるの同義だと思う。
セリが「一度くらい私もリ・ジョンヒョクしを守りたかったの」って言うシーン、無償の愛でしかない。
愛って、守ってあげたんだから守ってよじゃないんだよ。守ってもらったから守りたいなんだよ。
③ダンとク・スンジュン
この2人もよかったね〜。ダンのために真っ直ぐになりたいと思うク・スンジュンと、リ・ジョンヒョクとは全く違う正面から向かってくるク・スンジュンにびっくりしつつも嬉しそうなダン。ダンめちゃくちゃ可愛かったなあ。
もっと長く一緒にいて、幸せになって欲しかった。
本当に好きな人の前では、よく見せるために自分を取り繕うんじゃなくて、その人に見合うようにちゃんと真っ当な人間になりたいと思うものなのかもね。
④リ・ジョンヒョクの家族
お母さんの息子への愛、素晴らしいよね。
息子が幸せならそれでいい、息子が愛した女性なら南町の人でも関係ないと言わんばかりの姿勢が素敵だった。
お父さんはピアニストになりたかった息子を軍人にしたこと、ずっと申し訳なかったんだろうな。
家族を守るためになら権力を振りかざすお父さんかっこよくて痺れた…
⑤セリの家族
財閥一家ということもあって、私たちの思う家族の形とは違うけれど、でもセリが入院した時、少なくとも両親と長男夫婦は家族だったと思う。心の底から心配したり、思いやってたように見えた。
長男夫婦なんか憎めないんだよね、二人とも馬鹿だけど可愛くて。とくに奥さん。
次男夫婦は本当に最低すぎて、革命化(収容所に入ること)してやりたかった。どういう神経してんのあんたたちって平手打ちしたかった。
お父さんはあまり最後までなにを考えてるかわからなかったけど、お母さん!好きよ!
セリのこと可愛がりたい気持ちと、愛人の子で憎らしい気持ちと、ずっと狭間にいたんだよね。でもセリがいなくなった時も怪我をした時も、誰よりも心配してずっとそばにいて…セリに許してもらえてよかった。
私たちみんな人格者なわけじゃないから、相反する気持ちをどうしたらいいかわからないことって多分結構あることだと思う。
例えば大好きな友達に彼氏ができて幸せそうで嬉しい反面、遊んでくれなくなって寂しい、みたいな。
あの家族で唯一すごく人間臭かったけど、最終的にはすごく素敵なお母さんだったと思う。
⑥第5中隊のみんなと耳野郎
はいもうみんな大好き、とっても可愛い。
ソウルでのみんな可愛すぎて、まとめて日本に連れてきたいよ。
ウンドン、耳の動く帽子いくらでも買ってあげるから…ピョ・チスもアカスリさせてあげるから…ジュモクもチェジウには会わせてあげられないけど、韓国ドラマずっと見てていいから…グァンボムも健康ランドで腕輪で好きなだけもの買っていいから…
俺らに見せるために車をいっぱい走らせてるみたいなこと言ったり、コンビニで米がないからラーメンばっかり食べてると勘違いしたり、みんなお茶目でキュートでたまらん。北朝鮮の人が本当にあんな感じならすごくピュアで可愛い人たちだよね。
北朝鮮にいる時もみんなの掛け合いが面白くて好きだったな〜。別れのシーンで読むピョ・チスの詩も好きだったな、俺の名前だけは言わないでくれって。あんた一番最初に言われるよ、なんだかんだセリは言わないけど。
そんな感じで、みんな想像してる北朝鮮の軍人とは思えないキュートさ全開だったのに、いざというときは体張ってセリを守ってて、そんなのずるいじゃん、かっこよすぎて好きだよ…あの時初めて、そういえばみんな軍人でしたね、という感じだったな。みんなスーツよく似合ってたな。
あと耳野郎のマンボクさんは敬意を込めて、耳野郎と呼び続けるよ。
耳野郎の職業病のおかげでセリとお母さんは仲直り出来たんだから。
⑦社宅村の奥様方
最初はヨンエさんに媚び売ってるばっかりで、全然好きじゃなかった。
でも、ヨンエさんの旦那さんが捕まったとき、みんなこっそり心配してヨンエさんの家に食べ物やら薪やら持っていくシーンで号泣したよね。
だって、自分たちだって見られたら危ないのに、それをわかってて行くなんて、本気でヨンエさんのこと心配してるわけじゃん。ただ夫の昇進のためにヨンエさんのところに集まってるわけじゃなかった。
なんだかんだみんな楽しそうにしてて、連帯感があって、一緒にキムチ漬けたくなった。
あとセリズチョイスの新作「恋しさ」をもらうシーン。
セリもみんなのこと恋しいけれど、みんなもセリのこと恋しいよね。はやく統一して、みんなでダラビーしてほしいよ。
⑧国家情報院の人たち
黒いスーツにロングのチェスターコート着てみんなで歩いてるシーン、かっこよすぎませんか?軍事境界線でのシーン、舐めるように見た。
何より、淡々としているけれど、北朝鮮からきた軍人たちを悪だと決めつけることなく、自分たちにできる方法でみんなを守るところがカッコ良かったんだよなあ。
もっと話がわからない人たちなのかと思ってたよ。勿論これはフィクションだから、というのもあるけれど。
⑨チョ・チョルガン
最後に極悪非道のチョ・チョルガン。
成り上がるためならなんでもする彼、ちょっとク・スンジュンに近いものがあると思う。
勿論やってることの卑劣さが全然違うけれど。
あれだけ徹底して悪で残忍で狡猾なやつもいるのか、、という感じ。韓国ドラマの悪役は、本当に根っからのクソ野郎が多い。
だからこそ、それに面と向かって戦って打ち勝つ主人公たちの凄さがより浮き彫りになるんだよな。
(3)運命の人、愛とはなにか
このドラマを見て、26歳にもなってなに言ってんの?と思われるかもしれないけど、運命の人ってどこかに絶対いるんだと思った。
普通の生活してたらそんな状況になるのはあり得ないことは置いておいて、命を賭けてもいい相手、自分のことより優先したい相手、いつでも頭の片隅にいてその人がいないところでも気遣いたい相手。そういう人が運命の相手なんだな。
今までの人生でそんな人に出会ったことないけど、多分どこかにいるんだと思う。そんな人に会うまで、好きかもしれない程度の適当な恋愛はいらないって本気で思った。
いつでも相手のことを想えて、命を賭けてもいい、そんな人に出会いたい(し、出会えないと困る)。
(4)OSTの素晴らしさ
トッケビの時も思ったけれど、ドラマのOSTが良いと曲を聞いただけで好きなシーンが鮮明に蘇ってまた観たくなるんだよね。
flowerを聴けばセリを無事に送り届けるためにリ・ジョンヒョクが二重警護してたなあとか、キャンドル掲げてセリを探してたなあとか。
sunsetを聴けば、平壌にいく電車が停電で運休して二人で焚火にあたってるシーンが蘇る。
here I am again と same sky, different world を聴けば別れのシーンとかセリが撃たれるような胸が苦しくなるほどの切ないシーンが脳内にどんどん流れて。。
ほらまた見たくなった。
私が特に好きなのは
・Flower
・Sunset
・Here I am Again
・Sigriswil
・Time of JungHyuk for Seri
・same sky, different world
の6曲だな、どの曲もメロディが美しくて切なくて素晴らしいよ。
このドラマに出会えて本当によかったと思う。愛がテーマだけど、これはただの恋愛ものじゃない。あと今までなんとも思ってなかったヒョンビンに出会わせてくれてありがとうと1000回言いたい。
あまりにも受けた衝撃、影響が大きすぎて思わずブログ始めて、長い記事かいちゃった。
でもそれくらいの衝撃をもって、私の中に不時着とした作品だった。。