玉ねぎの考察 1
画像1(玉ねぎとスパイス)
カレーを作っていくうちに思う、玉ねぎについては謎が深まるばかり。
玉ねぎがなぜカレーに必要なのか、当たり前に入ってるこの白い物体は何者? 一心不乱に玉ねぎを炒めながらそんなことを考える。主に主観ですが、玉ねぎの因数分解が思ったより楽しかったからご紹介します。
玉ねぎの正体
ネギ科ネギ属の生粋のネギ。 「硫化アリル(アリシン)」による涙がでるような目への刺激、辛みと香りが特徴的な野菜。
欧風・インド・スリランカ等スタイルにかかわらず、玉ねぎは味変え、色変え、形変えその姿を現す。さらにカレーだけに止まらず様々な料理で活躍する文句無しの一軍選手だ。味わいとしては、
「生」なら主に辛み、フレッシュな香りと食感を
「加熱」すると甘味、旨味と香ばしい香りをもたらしてくれる。
僕がカレーに於いて、玉ねぎに期待したいものは「甘み」「旨味」「香味」ここらへんが大きな要素。
「甘み」と「旨味」はそのままカレーの味の【深み】につながり
「香味」もまた【香りの幅】を広くしてくれる。
自分が加熱された玉ねぎを必要としているってことは、まだまだ玉ねぎ炒めとの格闘は続きそうだ。なんで加熱すると味変わるの?ってことに関しては偉大な先人達が僕の何倍以上も時間を費やして調べてくれている。
「メイラード反応」と「カラメル化」2つの化学反応による変化
前者は、加熱によりアミノ酸、タンパク質、糖が結びつき旨くて甘くて香ばしいメラノイジンという物質が生じる現象 後者は、加熱により糖がカラメルという物質になる現象、よく聞くキャラメリゼというやつ
どちらも料理を美味しくする現象で避けて通れないもので、意識せずとも身近で体験しているはず。
カレーにおける玉ねぎ
自分が作りたいカレーは主に「サラリ」としてなお「旨味」と「深み」を感じるカレー。あくまでそのカレーをどんな食材でどう仕上げて食べさせたいかによるが、、基本的にドロリとしたカレーソースよりもサラリとしている方が口当たりが軽く好みだ。
求める味に向かう玉ねぎの「切り方」
じゃあどうするか?
自分は繊維に対して垂直に切っている。この方が、玉ねぎの構造上脱水が早まり甘味と香ばしさが顕著になり仕上がりのテクスチャーも自分の理想的な感じになる。
ちなみに微塵切り、普通のスライスも試したが。どれも火の入り方、仕上がりが違ってそれぞれの狙いがあるカレーに使えそう。手段が多いのはそれだけ良き事だと考えている。
あと気にしていることが一つ、、、
「食材は切れば切る程に味が落ちるんじゃね?」ということ。
包丁という金属が入れば入る程、その食材の風味と鮮度は落ちる!!
と勝手に思っている。(笑)実際加熱前に刃を入れすぎると水分が臭みに変わっているような感じ。だからみじん切りなんかする時は心の中でごめんなさいと唱えながら切っているのはどうでもいい話。
求める味に向かう玉ねぎの「炒め方」
”深い”味が好きだ。当然それがカレーでも欲しい。これを実現しようとすると先に話した2つの美味しくなる化学反応が重要になる。要は限界まで炒めましょうということ。
炒め不足のときはそれはそれで玉ねぎのフレッシュさや浅い色もカレーの構成要素の一つになるが、欲しいのはガッツリ反応済みのガン黒玉ねぎ 下の写真にしてまだ半ば
じゃあ限界って?と言われたら、、僕は焦げる手前だと認識している。主に、色味・香り・木べらで触った感触で判断している。焦げそうになったら火の上から外したり、少量の水を差して鍋中の温度を管理。
炒め始めは強火でガンガン余裕、後半はボヤボヤしていたらすぐに焦げてしまい焦げた香りが移ってしまいカレーが台無しになってしまうのでじっくりと。玉ねぎ炒めでほぼカレー作成の工程が終了するくらいの大きな時間のかかるプロセスとなる。
余談だが鍋も3種類使って試してみた。
・フライパン(テフロン)
・中華鍋(鋳鉄)
・片手鍋(アルミ)
結論としてはアルミ鍋がやりやすい。熱伝導率が良くて反応と脱水が加速しやすいのがいちばん大きい。
試してみたところ鋳鉄中華鍋もかなりよくって、反応が早い。グッと加速される感じがあったが脱水が追い付いてないイメージ
テフロンフライパンについては焼き色があまり良くなかった。油が多ければいけるんだろうが、自分のカレーは出来るだけ油を少なくしたい。状況によって使い分けれるかも。
鋳鉄中華鍋とアルミ鍋は甲乙つけがたいのだが、アルミ鍋の方が手入れや管理をしやすい。だからアルミパンを採用している。
玉ねぎに関してはまだまだ書き足りないけど今回はこのへんで。こうして一つずつ知識、考えと経験を実践に落とし込んでいき、より美味しいカレーが出来たりするのは何物にも代えがたくオモシロ!