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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】1・捕囚の日《6》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

「家族構成も最初の段階で聞いた。」
「祖父母と、父が単身赴任の形で働きにいっとるんやろ?」
「…そこまでわかれば十分ではないか?」
「お前やったら、もっと疑うやろうと思ったんやけどなぁ…。」
武人の発言の後、アレックスはムッと彼を睨みつけた。
童顔な男で、威圧感は薄い。

場の空気を険悪にしたくないので、武人はアレックスを宥めた。
「すまん、研究者への偏見やった。」
「疑問から入るのはいつもの事だからな。」
アレックスは再びお茶を啜り、飲み干した。
コップをテーブルの上に置く。

「日本でも、海外でもそうだが。子供には両親が付きものだからな…。」
「やっぱりそこは考えるんやな?」
「生物上、子を成すには父と母の存在が欠かせない。まして胎内の育成機能を持つ母がいないのは…。」
「何か訳ありってなるわな。」
「と先程言ったが、一応彼らの母についても伺っているぞ。もうこの世にいないらしい。」
「あちゃー。見当ついとったか?」
ショックを受けた感じの発言をしたが、武人の表情は変わらない。
「子供達は短期間でもパイロットとして任命している。少しの懸念は抑えておきたいんだ。」
「じゃあ…家族構成を深掘りするのはどうや?」
「…俺はこれ以上手が回らないぞ。
誰かさんのせいで試作の一般機の改良に忙しいんだ。」

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明日もお楽しみに!

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