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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】2・更改の日《3》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

まだクーランの銃は降ろされていない。
その後の発言がエストに衝撃を与えた。

「お前さんは戦闘終盤に、ラルクに変な話を持ちかけられただろう?
ラルクの手を握ってみたいだと、一瞬たりとも思っただろう?」
「何を…根拠に?」
「お前さんの終盤の動向で、なんとなく推測したさ。」
クーランの右手の人差し指に、銃の引き金を押す力を強めていた。
弾は発砲されていない。

「お前は用済みだわ。喚くだけ喚いて、面倒見んのしんどいんだわ。」
「ま、待ってください!僕にはまだ価値が…!」

エストはこれ以上、喋らなかった。いや、喋る事を許されなかった。
エストの胸元に銃弾が貫通し、穴が開いた。
HRは自身の心臓部分をやられると、全体の機能が停止する。
彼もこの例から漏れる事はなかった。

最後のエストの脳内に、戦闘に挑んだ武人の言葉が繰り返された。
『後悔するで。』
言葉の真の意味を知った彼だが、もうなす術はなかった。

エストが呆然とした状態で仰向けに倒れた後のクーランの部屋。
少年らしき男が入ってきた。
動かないエストに見向きもせずに、ロッドの底を突きながら歩いた。

クーランは銃を下に捨てた。
「おう、報酬の件だな?」
「…銃声、部屋から離れた場所でも響いたぞ。」
「強力だからな、この銃。」

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明日もお楽しみに!

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