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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】2・更改の日《7》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

通信が復旧したのは、敵の撤収後だった。
通信障害は敵の妨害だったのだけしか操縦士達は知らなかった。
敵の陣地に踏み込めないからだ。
[ラストコア]総司令官の西条宗太郎は、別部隊の操縦士から武人拉致の情報を聞いていた。

だから彼は、稼働部隊が戻る前に個室のモニター前にいたのだ。
目的は、外部との連絡だった。
統制制御室でできる作業だが、敢えて個室から通信回線を繋げた。
宗太郎はとある人物と連絡を取る時、この方法を利用していた。


ディム・カミング。元アメリカ軍中将。
彼は[ラストコア]の設立を支援した人物だった。
これから宗太郎は、彼との通信に踏み切る。

「中将…。誠に申し訳ございません。」
宗太郎は個室のど真ん中で、壁際のモニターに対して頭を下げた。
モニターには還暦を迎えた元中将の男性・ディムが映し出されていた。
『顔をあげるんだ西条。
このような結果が出るのは想定内だ。むしろ、10年も維持できたのは幸いだった。』
ディムは左の手のひらを出して、画面越しの男に謝罪を止めた。

『話が長くなるだろう。適当にイスを持ってきて、座りたまえ。』
「それは…。」
『気にするな。将校の時代は過去の話。今の私はただのおじさんだ。
君は辺境の地にいるとはいえ、現役の左官だ。足に負荷をかけさせたくはない。』

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明日もお楽しみに!

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