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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】1・捕囚の日《7》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

「頭に留めておくだけでもええよ。俺の、ちょっとしたワガママやし。」
「尚更自分でやれ。俺に任せるな。」
「せやな…人任せはあかんな…。」
武人の口調に弱さが表れた。アレックスはそれを見逃さなかった。

だから、譲歩策を武人に示した。
「俺から声をかけてみる。」
武人はその言動を聞き逃さなかった。
「…そうか、すまんな…。」
「技術局の管轄外の者も含めるが、構わないだろ?」
「もちろんお任せするわ。」
武人はソファーから立ち上がり、研究室を出ようと、ドアの前に向かった。

背中を見せると、アレックスの制止が掛かる。
「お前…ストレスでも溜まっているんじゃないのか?」
アレックスがそう言うと、武人は顔を合わせずに、右手をヒラヒラさせた。
「悩み相談の時間、無いんやろ?
【パスティーユ】の改良を第一優先しとき。」
自動ドアが開かれた。武人は研究室から通路へと歩み出した。
自動ドアが閉められた研究室に、アレックスが1人残されていた。

「…やっぱり溜め込んでるだろ、アイツは。」
彼もソファーから立ち上がり、使用済みのコップをトレーに乗せて、キッチンまで運んでいった。
(アイツ絡みで、トラブル無ければいいが。)
アレックスは深刻そうな表情をしていた。

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明日もお楽しみに!

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