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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】7・供述の日《22》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。


※今回の章のみ、性的な匂わせが強い描写がございます。苦手な方はこの章だけ飛ばして下さい。


私は立ち止まるマルロに同行を促した。

彼はどこか腑に落ちないような顔をして、私に言った。
「…何か、感じ取れないか?」
「何かって?」
「…気のせいか?」
マルロはそう言うと、彼は私の隣に来るように前進を始めた。

マルロの感じた『何か』の正体は、すぐに判明した。

施設内は屋外と比べると、狭い空間である。
警報のサイレンとなれば、耳を塞ぎたくなる程のやかましさとなる。
マルロが歩きだした直後に、突如鳴り出した。
短めの4往復のサイレンの後、男性の声による警報アナウンスが全域に響き渡った。[ユートピア]のスタッフさんだろう。

『たった今、愛嬌湾上空に3隻の宇宙船を確認しました。
安全最優先で、ご来園の皆様は至急、設置された地下シェルターに避難して下さい。繰り返します…。』
やはり仕事柄、スタッフさんはこの緊急時でも冷静に対応していた。

私達のいたベンチの周りにも、他の来園者は多数いた。
皆さんが騒ぎ出したのは、アナウンスが流れてからだった。

「宇宙船?」
「また愛嬌湾上空?」
「待ってくれ、真っ先にここが被害受けるぞ!」
「昔の、再来?」

『再来』。
その言葉だけで、人間達の雪崩が起きるのは容易かった。
わああああ、と皆が声を荒げていた。

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明日もお楽しみに!

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