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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】5・遭遇の日《26》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

お姉さんは《犯罪者》と語ったけど、今は改心して地球防衛への支援をしている。思考がまともだと思ってる。

マルロは[宇宙犯罪者]だと聞かされている。
武人兄ちゃんを拉致したHR達に、マルロの部隊の者もいたんだ。

極悪人が、私がパイロット業務に専念するのは馬鹿だと考えるの?
「あなたが言える義理あるの?現在の基地内で極悪なあなたが。」
「周りが勝手に言いふらしているだけだ。星を1つ潰しただけでも汚い箔がつくんだよ。」
へぇ。[宇宙犯罪者]の定義って曖昧なのね。
星を1つ滅ぼすと、数多の生命が失われるからだろうね。

でも、私は誤解を解きたかった。
私は別に戦闘狂になりたい訳じゃない。戦闘も本当は怖いし。
必要な知識だから学んでいるだけなんだ。

「私には目的があって今も毎日来ているんだよ。」
「目的?」
マルロは私の心の内を読めなかったようだ。

それでいいの。
どストレートに、私のやりたい事を答えたらいいだけだから。
「今はね、武人兄ちゃんを助けたいんだ。」
「武人…?」
「あなた達が拉致した黒いHRだよ。
だから、あなたが憎かったんだよ!」

私の表情から、笑みは消えていた。前の戦闘とは違って手は出さなかった。
だけど眉間に皺寄せて、口で怒りをぶつけたんだ。
効果はないのを知ってても。

「…なるほど。誰の話かは大まかな推測ができた。
あんな奴のどこがいいのか。」
「武人兄ちゃんはそんな…!」
「アイツも[宇宙犯罪者]だ。11の星を潰した男だ。
数比べっぽくなるが、俺の8つよりも多い。
奴のがよっぽど極悪人だよ。」

マルロはとんでもない事をしれっと言った。
…まさか、武人兄ちゃんが「敵に回ったらどうする」と言ったのは…。

「ガキはお前だな。
鏡を見てみろ。お前の驚愕した表情は笑えるぞ。」

マルロはその後、部屋側の壁に右手をつけながら私の横を通り過ぎさった。
私はしばらく、動かなかった。

→『6・招待の日』へ続く



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