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【虚構のアイランド】短編3・ザ・グレイテストスナイパー《15》
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。
屋上ならば、敵もなかなか攻めにくいだろう。
ヘリなどの飛び道具でも使用しない限りは辿り着けない。
まして高低差で、下から同じスナイパーで仕留めるにも、視点の切り替えが必要になる。
ラウトは長いライフルを組み立てて、銃口を屋上の石壁に固定した。
右目でスコープを覗いて、照準を調整していた。
俺はラウトの行動を静観するだけだった。
狙撃を実行している彼に、余計な邪魔が入らないようにする為だ。
長いライフルではあるが、小径は細めであった。
火力が大きいのか、ドーン!と銃声が響く。
小さな砲弾だろうか、と錯覚してしまった。
狙いを定めたのは、2キロ先にある敵の集団だった。
狙撃とはいえ、人命を落とすのだけは避けないといけない。
彼は集団のかたまりではなく、側にある屋根の板を狙っていた。
当たった屋根はグラグラ揺れて、根本から割れて落下した。
近くの集団は、屋根の落下から逃げていた。
『A1!聞こえているかA1!』
無線機に通信が入った。
部隊の仲間達なので、すぐに返答した。
「A1です。狙撃、開始しました。」
『こちらも確認した。敵は我々の作戦通りの陣地まで来ている。そちらはもういい。撤退を開始しろ。』
「了解です。直ちに引き上げを…!?」
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明日もお楽しみに!