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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】8・力説の日《26》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

宇宙船[トールメイス・サウ]の舷側から、砲弾型のミサイルが放たれた。
軌道を描けるミサイルは、マルロが乗せられている【パスティーユ・フラワー】へと集中していた。

弾は破裂し、炎が上がる。
『きゃあっ!?』『うわっ!?』
マルロではなく、操縦する未衣子と勇希の声だった。
【フラワー】の強固なバリアのおかげで、【パスティーユ】全体は落ちなかった。
衝撃で揺れを感じて、軽く悲鳴はあげた。

『やめろ!無駄玉を使うんじゃない!』
マルロが凶変した。
彼の表情には、悲しみも込められていた。
前面モニター側のオペレーターの目にはそう感じ取った。
「相当、追い詰められていますね…?」
「迫られている?それは我々も同じだ!いや、我々の方が過酷な状況に陥っている!
貴様など、呑気に無能力な民達と戯れている貴様など…!」

全身をワナワナと震えさせていた1人の幹部は、マルロと面向かって、疑問をぶつけにかかった。
「なぜそこまで下等な原始地球人に固執する!
我々の《祖》であるからか!?
もうその思想は古代産物だと、貴様の脳では理解しているだろう!」
言い切った幹部は声を荒げていた為、喉を痛めてしまった。
しばらくは、叫ぶ事はできないだろう。
隣にいた者達で、彼の背中をさすった。

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明日もお楽しみに!

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