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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】8・力説の日《27》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

目には目を、叫びには叫びを。
浴びせられたマルロ本人も、幹部の期待に応えなければならなかった。

『こいつらは同志なんだ!《ラルク》を倒す共通の同志なんだ!
今の奴はもはや、柔な対策では倒せまい!
クーランの手により、強化も洗脳もされているだろう!
奴はもう、怪物と化したんだ!』
『え?』
これはマルロの前に座る未衣子の動揺だった。
彼女が漏らした声は、誰にも届かなかった。

幹部達には、まだ反論の場に立てる者が他にいた。
むせた男の代わりを務める輩が、今度は前に立った。
「《ラルク》と交戦しなかった者が、なぜか様な妄想を吐き出せるのだ!?」
『妄想ではない!事実だ!
クーランの隣で、養液に浸されて眠る奴を確認した!
その時、俺にはおぞましい恐怖を感じたのだ!
だから俺は《親》と取引した!
地球を落とす手柄を持って帰る事を約束した!
だが、その責務を果たせなかった!
俺は[ラストコア]で捕虜となった!』

マルロの力説はまだ続いた。
『俺は悲しんだ。仲間達と離れ離れになり、研究者にこき使われた事もあった。
だが、こいつらは今までの権力者達とは違う!
捕虜扱いの俺でも、格上の分野においては俺を慕ってくれる。
策略家の俺だが、優しく接してくれる。
今までの景色とは、大違いなんだ!』

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明日もお楽しみに!

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