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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】10・切替の日《25》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

『…未衣子は、諦めきれないだろうなとは、薄々気づいていたさ。
黒川の行方を1番、気にしていたからな。』
アレックスさんは私の気持ちを知っていた。
怒るどころか、むしろ妙に納得している雰囲気だった。

『マルロが俺の研究室にやって来たんだ。未衣子の《夢》について聞き込みに、な。』
「え?」「なんでアイツが聞きに行ったんだよ!」
『俺が物知りじゃないかとでも思ったのか、あるいは…[ユートピア]で未衣子と話し合ったから、かもな。』
「…まさか、未衣子が昔の話をしたから…?」
『HRでも、繊細な心を持ってるんだなぁと感心したさ。黒川も同じだったか。』

なるほど…。私は頭の中で合点がいった。
マルロとばったり会った時、最後にこう言い放ったんだ。

『終わりを握らせたくないなら、貴様がトドメを刺せ。
狂う程に挑んで、奴を倒せ。でないと、くたばらないぞ。』

マルロは、私達兄妹が戦場に行かず、平和に暮らせばいいと考えていた。
私が昔の話を打ち明ける前でも、『地球の学校のシステムは素晴らしい』と堂々と宣っていた。

そんな彼が、どうしてあんな捨て台詞を吐いたのか、理解できなかった。台詞を吐いた後に、当の本人は去ったのだから。

あの時、マルロはアレックスさんと色々話をしていたんだね。

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明日もお楽しみに!

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