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【虚構のアイランド】6・シックスターゲット《14》
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。
拗ねていたラウトさんが、気を取り直した。
座標データの単位は、メートルでの換算になる。
これは[スロープ・アイランド]の元となった地形のある国を基準としている。
元々この地上は、日本国の都市、大阪だった。
災害級の大雨で世界の各地が沈んでしまってからは、昔の国の概念が薄くなっていった。
みんなが降りかかってくる困難から身を守るのに精一杯で、他の事なんて考えられなかったから。
雨は止んだ。
だけど、雲が動く気配はなかった。
雲の流れがピタッと止まった時から、この地上に青空と太陽を拝めなくなった。
虚像獣の討伐ミッションでしか、晴れの景色を眺める機会がなかった。
天気の晴れ模様自体、貴重な光景となってしまったのだ。
滅多にお目に掛かれなくなった快晴の青空で、穢れた虚像獣がのうのうと過ごしている。
モニターの映像から目視できる奴は、恐竜と似た翼をパタパタと動かしていた。
そいつが、境界線からマイナス100の座標にいる。
つまり、100メートル南の位置に止まっている。
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明日もお楽しみに!