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【虚構のアイランド】5・フィフスシンパシー《7》

※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

それからの彼の行動は、早かった。

隣に座っていた私の手首を握って、引っ張っていた。
ネロは立ち上がって、食堂の出入り口である両開きのドアを目指していた。
普段は大人しく控えめでいる私でも、流石に慌ててしまった。
「ちょっと!ネロ!」
私は制止してもらうために、戦闘時以外で大きな声を出した。
でも彼は、手首を離さずに強引に私を連れ出そうとする。
私もネロもパイロットだから、訓練で鍛え上げられている。
全力で抵抗すれば、腕を振り払うのは可能だった。

しかし、そうなればネロも怪我をしてしまう。
大袈裟だけど、任務に支障をきたすだけは避けたかった。
ネロの咄嗟の行動に驚いた私だが、半分は彼に流されてみようと考えた。
ネロ本人が、私と2人きりだったら、悩みを打ち明けやすいのだったら。
どうしてもボーデンさん達への報告が必須なら、その時はネロがいない所で場を設けてもらおう。
頭の転換が必要だ。

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