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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】2・更改の日《20》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

「西条司令、お話があります。」
土星圏ニコンからの訪問者2人は、立ち去らなかった。
「すまないが…。[天海号]の件はシークレットな部分も含む事項だからな。」
「いいえ。そちらの事項とは別件の話です。」
サレンは前に出て、きっぱりと言った。
隣のリュートは、目を逸らしたままだ。

「アレックスさんには事前に通達しましたが、私達は母星に帰らせていただきます。」
サレンの瞳に、躊躇いはなかった。

ジェームズは猛反発した。
「ちょっと待て!黒川の対決と引き換えに[ラストコア]に協力すると約束しただろう!」
「アレックスさんは話をつける、と言いましたよ?」
「今の司令の話を聞いていたか!?黒川のいない今、我々の戦力はガタ落ちなんだ!少しはやる気になってもらわんと困るぞ!」
「土星圏の私達には、関係ありませんから。」
ジェームズは反論する若者にイライラが募っていった。
サレンは彼の怒りに対して、怖気付く様子はなかった。

宗太郎はジェームズに代わり、目の前の若者に鋭い眼差しで言った。
「すぐに帰還準備をしろ。」
「宗太郎!」
「戦意喪失者に、これ以上協力を請うても無駄だ。」
「ありがとうございます。」
サレンは礼をすると、リュートの手を引いて退出した。
土星圏の王子達は、2日待たずして地球を去った。

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明日もお楽しみに!

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