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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】5・遭遇の日《3》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

薄い肌色の首元の感触を、普通は感じ取る筈だが。
マルロが感じたのは、人肌の温かさではなく、冷たい物だった。
しかも、柔らかい人肌と違って、弾力のない硬い物に触れている感じがした。

「何だ…これは?」
『随分と早めの目覚めか?』
男の声が、自分の耳に入ってきた。
誰かいるのかと疑ったマルロは、すぐに閉じ込められた部屋中を調べた。身体は重いので、頭部だけランダムに動かした。
部屋の中には誰もいない。
薄暗い部屋の灯りの代替えになる、壁面のモニターに誰かが映っていた。

マルロはこの人物について、誰かは知らない。確証だけはあった。
対峙した最新鋭の宇宙船を保有する組織の一員、という事だけは。

モニター越しの童顔の男性研究者はマルロと目を合わせると、話を続けた。

『機能は停止させていないから、回復すれば十分に戦えるだろう。』
「…。」
『俺はアレックス・ヘイリー。ここ[ラストコア]の技術局長だ。』
モニター越しの男・アレックスは別の部屋で、堂々と椅子にもたれていた。
余裕を見せているかのようで、笑みを欠かさなかった。

『天王星圏の星々の情報も入手はしているが、小人族を目にしたのは初めてだよ。宇宙の種族って、奥深いな。』
「…よくロボ形態から元に戻せたな。」

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明日もお楽しみに!

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