見出し画像

初めてのキーマカレー

カレーって当たり前に存在してた。
給食やおうちで食べるカレー。
白米にとろりとかかる、甘くてスパイシーなルー。
ごろっと入ったジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ。
うちは関西の家だからか、牛肉が入ってた。堅くて歯にはさまる。
いつもの大好きなカレー。

おそらく11・2歳の頃。

もぐもぐゴンボ、だったかな。小学生が料理を作る番組や、料理の鉄人などで、料理が出来上がる過程を観るのが好きだった私は、おこづかいで初めて料理の本を買って読んでいた。

小林カツ代の基本の料理のレシピ本。
料理の本を著者のカンムリ付きで売ってるのがなんとなく目についたのと、値段が安くて手に入れやすかったからだと思う。
あと、なんとなく、プロの料理人って男の人が多いイメージを持っていた中で、女の人が本を出しているのが当時の心に響いたのだと思う。

そんな小林カツ代さんがある日、テレビに出ていた。
もちろん料理番組。
あー、この人!料理の本の人!嬉しくなって観ていると、
軽快な関西弁でトークをしながら、息子であるケンタロウさんとカレーを作り始めました。あの衝撃が今でも忘れられない。

すりおろしたニンジンとサラダ油を少々、ご飯と一緒に炊き込む。(え!)
次に取り出したのは合いびき肉。(ええ!)
お野菜と一緒に炒めると、普通のルーを入れて煮るだけ。(簡単!!)
そう、カツ代さんはキーマカレーを作ったのです。

キーマカレーなんて知らなかった私は「こんなカレーが世の中にあるの!?」とびっくりして、さっそく真似しました。
煮込む必要がなく、コストもかからない。ニンジンご飯もなんだかおしゃれ。おうちでこんなおしゃれなものが!と大ハマり。
当時両親がどっかの結婚式の引き出物でもらってきた「道場六三郎のカレー皿」に盛り付けては喜んで食べていました。
あ、ここにも料理の鉄人の影が。

小林カツ代さんは亡くなってしまいましたが、キーマカレーを私に教えてくれた出来事は、今後の私のカレー人生に深いしるしを遺してくれました。

いいなと思ったら応援しよう!