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平凡な名前の人②

コミック+エッセイの続きです。


干潟くんとはその後、なんだかんだ仲良くなった。好かれている気配もあった。

こんなかんじで。

何度かデートもしたのだが、つきあうことはなく、私が転職して顔を合わせなくなった。

再会

数年後、私たちはまた同僚になった。久々に顔を出したときには嬉しそうで、私に見とれているようであったし、出張帰りにさみしそうな顔をしたこともあったが、競争心の塊になっていてうざかった。それでも素直に話してくれるときは、変わらずおもしろいと思った。

無植生ですらない

この頃私はコミックエッセイを描き始め、同僚から本人まで見せていた。この仕事と会社は辛かったのだが、そんな中にいても、私はわりと好きに暴れていて、恥もなかったのだなあ、と振り返って思う。笑

「だったらどうする?」

私がこの仕事を辞めることになったとき、彼はなぜか私が結婚するのだと勘違いしていた。私のような自立系国際派には、失礼もいいところなのだが、そのときはまだ周りに言える状態ではなかったこともあって、うまく返せなかった。

ところで私には、言ってみたかった台詞がありまして。笑
名探偵コナンで、哀ちゃんが、歩美ちゃんに「コナン君のこと好きなの?」と聞かれたときの返し、「だったらどうする?」である。

「えー、困るよ」
「心配しないで。私、彼のことはそういう風に見ていないから」と続く。
そして、そんな機会があったので、言ってみた。

「結婚するの?」
「だったらどうする?ショック受ける?」
すると、少し眉毛を下げ、さみしそうに、彼は言った。
「…しょうがない」

そのあと少し長く席を外したので、泣いているのかと心配になったのだが、コンビニで食べ物を買って帰ってきて、はきはきと仕事について聞いてきた。

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