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AI化という言葉の解像度を上げる

AI化ってわかるけどイメージが全然できていない問題


教育について調べたり、考えたりする上で
絶対というくらい
出会う言葉が、「AI化する未来」。

近い未来AI化が進むことで、
人間の仕事がAIに取って変わられる。

特に、ホワイトカラーと呼ばれる仕事から徐々に奪われていくでしょう。

だから、子供にはそんな時代を生き抜く力や思考力を育てましょう。

大まかに言えば上記のような言葉を何度目にしただろう。


うん、言いたいことはわかるよ。
でもどうしたらいいかが全然わからないんだ。


AI化するということは、言わば現象に過ぎない。
私が知りたかったのは、その先に
どんな価値観の変化が起きると考えられるのかということ。

「結局、私たちはどのように価値観をシフトすればいいの?」

私なりの答えを探す旅が始まった。

AIが人間の生活をより身体化させていく


隙間の時間に動画を2倍速で見てみたり、
本を読んでみたり、自分なりの腹落ちを探して転がっている情報を拾い集めていく。

印象的だったのが、落合陽一さんのインタビュー動画だった。

内容としては、AIが人間の仕事をしてしまうから、絵を描いたり、運動したり、
人間はAIにはない身体というものを使った活動に価値が生まれる。
人間はより原始的なものに回帰していくだろうといったものだった。

こうした身体化によるという意見は他にもたくさん散見された。

フィジカルやクリエイティブなものに価値が移行される時代になると。

確かにそうだなあと納得するものの、私にはまだ腹落ちしきれない何かが残っていた。

目の前の霧を晴らしてくれたオードリー・タン

母の家に立ち寄った時、読書好きで新しいもの好きな母が「面白いから、よかったら読んでみたら?」と本を渡してくれた。

それは、コロナショックで一躍時の人となったオードリー・タンのインタビューをまとめた『私はこう思考する』という11月に出版されたばかりの本だった。

IQ160超えの天才とされるオードリーが語る言葉は、哲学的でとても深いけれど、
優れた人にありがちな高次元すぎて、たまに突き放されていると勝手にこちらが感じてしまいがちな無意識の威圧感がゼロだった。

自身が受けた教育や考え方、未来についてが語られた本は、例えるならば、大人が膝を曲げて、子供に目線を下げて話してくれるような優しさが溢れた内容だった。

すっかりオードリーのファンになってしまった私は、いくつかの本を読漁った。

その中の1冊である『自由への手紙』という本の中でで、Ai化が待ち受ける未来に私が子供を育てる上で、持っておかなくてはならない心持ちはこれかもしれないという言葉に出会うことができた。

もしも何か特定のスキルセットこそ、自分と切り離せないものだと考えているなら、AIは脅威となるでしょう。
「この仕事のこの技術こそ、自分である」

それがプログラミングであれ、文章を書くことであれ、データを分析することであれ、何らかのスキルセットを重視している場合、ロボットは仕事を奪い去る敵となり、不安が生まれます。

私自身にスキルセットはありません。だから少しも心配していないのです。
どうしても心配になったら、のんびりと山に登りながら、考えてみるといいのではないでしょうか。

「自分の価値観をどこに置くか ー それはスキルセットでいいのだろうか?」と。

『自由への手紙』オードリー・タン[語り]  Text by Courrier Japon 講談社


何かができる自分じゃなく何が好きかに目を向ける


自分の今までを振り返っても、
人から褒められたり、価値を置かれていると感じることはスキルセットだった。

テストの点数
入った学校
職業
成果物

私が絵が好きだとか、メイクが上手だとか、
そういったことに興味を向けてくれる大人はあまり多くなかったし、
次のステップに行くために、スキルセットを身につけることはマストなことでいつの間にか自分の中でもそれが目的化してきていた。

スキルセットの外に自分の大切な価値観を置く。

子供達がそうした目線で世界を見ることができるように。
私が自分の中で醸造してしまった価値観で曇らせてしまわないように、
私自身が時代と自分自身を見直していく必要があるのだ。


子育ては自分育て。


時代を超えて残る言葉はやはり本質をついているのかもしれない。








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