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ピラミッドの値段は?のハナ氏。
こんにちは。ハナ氏です。
まずは、なんとなくでもこのページを開いてくださり、ありがとうございます。大変光栄です。
今回は、ボスの一人しゃべりシリーズをお届けします。
テーマは、“ピラミッドの値段は?”です。
ピラミッドの値段って知ってますか?という話なんだけど・・建築建設業の人達だったら、そこそこ知ってる話。古代エジプトの建築物・・ピラミッドとかスフィンクスはまだまだ解き明かされてない不思議なこと多い建造物だけど、こういうのを建築的視点で現代の技術においていくらかかるのかっていうのを出した試算っていうのがあるんだよね。
こういうのを少しだけ知識として入れておくだけでも 、エジプトに旅行へ行く方とか、いつか行きたいなと思っている方には、ちょっと面白くてワンランク上の旅が楽しめる内容なのかなと思います。
ピラミッド建設費用にいくらかかったのか・・考えたこともありませんでしたが、それは確かに興味深いです。。
まず、皆さんが思っているピラミッドって、岩がゴツゴツしていて、むき出しになって積み上げられていると思うだけど、あれって下地なんだよね。もともとは正方形の四角錐。ツルツルしていて、すごく綺麗な状態だったんだけれども、剥ぎ取られて・・盗まれて・・今みたいな形になってしまった。なんで、表面だけ取られて中が見えちゃっているっていうのが今のピラミッド。
紀元前2500~2600年くらい前なので、今から4500年前くらいに建てられたんだけど、当時あの辺って緑が豊富で樹木があって、農耕が盛んで、小麦や大麦が植えられていた。街があって人がいっぱいいたし、ナイル川も近くに通ってた。だけど気候変動とかナイル川がどんどん移動して、砂漠になってしまった。その影響で人がいなくなって、盗まれちゃったっていうのが今の現実なんだよね。なので本来の形じゃないけれども、壮大な建造物で魅了されるよね、あの建物って。
ピラミッド=砂漠のイメージしかなかったので、当時は周辺環境が緑豊かな場所だったと知り驚きました・・
そして、今あるピラミッドが本来のかたちではないとは・・当時はさらに美しいフォルムだったのだろうと想像できます。
それで、これを現代の技術にしたらいくらなのかなっていうのを、スーパーゼネコンの大林組(※スカイツリーつくった会社)が、昭和53年6月に試算しているんだよね。
まず、大前提としてピラミッドの底辺の正方形は1辺が230メートルぐらいらしい。それから、それぞれの面っていうのが正確に東西南北の方位を表していて、対面している。 また、4つの角っていうのは完全なる直角らしく、これってすごい測量技術というか、方位と角度が正確に出ているっていう・・なかなか今でも難しい内容を4500年前にやっちゃってるっていうのが、すごいなっていうところの1つ。
それから岩が積まれているけど、岩が1つおおよそ2.5トンぐらいで、重ければ7トンぐらいの切った石。それが230万個、正確に四角錐のように積み上げられて、高さが147メートルになっている。これがなぜできたのかっていうのはいまだ解明をされていないらしいよ。
4500年前、現代のような機械設備はもちろん、PCもない時代に、すべて人の手作業でこれほど正確な寸法や方角を出すことができたとは、人間の力やパワーを感じます・・
そして、この大林組がいろいろ考えていく中で、石材は古代のエジプト人が用いた石を当時と同じ場所、採石場の近くから得ることにしようという前提をつくったんだよね。
で、ピラミッドの中って王の間っていう空間があって・・この王の間に用いる石っていうのは、非常に綺麗で重たくて良質なものなので、100キロ以上離れたところから運んでこようと 。最初の作業として、石の量と数を計算して、どうやって採石して検査して運搬するか。そして積み上げていくかっていうことを考えると・・
いろんな情報が載っているんだけど、面白いのが、労務計画表っていうのがあって。労務計画表には一番忙しい時期で、ピラミッドで作業をしている人たちが何人いるか?それが3500人必要と書いてある。3500人の労働者がいるってことは、もちろんその家族もいると思うので、家族もいるとなると1万人ぐらいはいる可能性はあるよね?
とうことで・・1万人が住む街を最初につくる。職長のマンション、労働者のマンション、独身寮。他にも町なんで、子どもが学ぶための学校があったりとか、モスク・・ あとは食堂とか市場も。公園、浴場、地域の集会場とか。こういうものをつくるっていうのをまず最初に考える・・なんで、本当に1つの街をつくってそこで生活してピラミッドをつくっていく。
で、工程表も載ってるんだけど。工程表には、今言ったまちづくりに約1年かかる計算。ピラミッド工事に3年半ぐらいで、最終ばらしに半年ぐらいで、 合計5年の計画ということらしいんだよね。もともと古代エジプトのピラミッドっていうのは、当時20万人の人が毎日作業して、30年かかると言われている中で、3500人で5年で済ますという形になってる。技術の進歩っていうのがここでよく分かるよね。
従業員のまちづくりから構想するとは・・リアルに考えられていてとても興味深いです。当時30年かかるといわれていたところを5年計画で人員もおおよそ当時の1%・・4500年分の進化を感じます。
冒頭にもあった値段については、 昭和53年時点で総工費1,250億円かかるらしいです・・。1,250億というのは昭和53年の単価。なので、日本銀行が消費者物価指数(※一般の人が物を買う時の基準・指数のようなもの)っていうのを出しているんだけど、 今と比べると大体1.6倍ぐらい。なので、昭和53年から今の令和は1.6倍ぐらいの価値価格が変わってくるってことは・・1,250億×1.6倍ってことで、令和のお金でいうと2,000億ぐらい。2,000億ぐらいでピラミッドは建てられるよっていうイメージです。ちなみに、2,000億って大阪万博ぐらいなんだよ。日経新聞のニュースで大体2,000億ぐらいかかるみたいな話を見たことがあって。なんで、大阪万博ぐらいの規模感とか事業感覚っていうのが、ピラミッド建築かなというところだね。
2,000億・・高額になるとは想像していましたが、すごい数字ですね。ここまでくると想像もできないというか・・そして、大阪万博もすごい金額が投資されているんですね。。
ちょっと話を戻して、さっきの1,250億の内訳も載ってるんだよ。一番高いのが石の切り出し。これが大体200億ぐらいで、日本から重機を持ってくるんで、日本から重機を持っていくお金で185億 。で、労働者のまちづくり。さっき話した街をつくるのに140億。なので、ピラミッドを建てる前に、まずまちづくりで140億かかっているっていうところ。 面白いよね。5年もかかるわけだから、ただ働くだけじゃなくて娯楽もいるし、お酒も飲みたくなるかもしれない。それこそ、古代エジプト時代のピラミッドを建てていた頃の労働者っていうのは、朝と夕方にエールビールを飲んでたらしい。 あとはパンを食べていたり とか、お肉を食べていたりとかっていうのが分かっているらしいよ。なので、そこそこ良い生活をして、楽しみながらやっているっていう。 こういう大変なプロジェクトは、そうじゃないと出来ないよね。
石の切り出しに一番費用がかかるんですね。。確かに2.5トンの岩を正確に切り出すのはとても大変な作業になりそうです。そしてなんと、日本から重機を搬入する計画とは驚きました。。
で、個人的にちょっと面白いなと思ったのが、ライフライン関係 。電気とか給排水。これだけのプロジェクトだと電力を相当使うから、エジプトの国営の電力を使うと他に電力いかないとか影響が出ちゃう。だから、自家発電をするっていう計画になってるんだよね。 給排水もそうで、ナイル川から水を機械で圧送する・・圧力で流していくと。排水に関しては、汚水とかは濾過器で完全に浄化させた後に工事で使ったりもする。 工事で盛り土をする時の、締め固めのための水にこういうものを使っていこう・・そういう計画もあるらしい。ライフライン関係もまちも工事が終わった後、ちゃんと引き継げる(利用できる)ように、エジプトの行政にそのまま継承するっていう計画らしいよ。この辺もちゃんと考えられているよね。
ライフラインの確保の方法や工事終了後の引継ぎまで計画・・水は世界最長のナイル川から。エジプトを感じます。
じゃあ、ピラミッドのそのもののつくり方なんだけど、これも結構面白くて。最初の高さ60メートルまでは、傾斜路をつくる。これね、古代エジプトの時のピラミッドと一緒で、当時も傾斜路をつくって石を運んだって言われてるだけど。同じように傾斜路をつくって、トラックで石を運ぶ。これが60メートルまでで、そこから80メートルラインまでは今度はクレーンを据え付ける。クレーンを据え付けて岩を積み上げていく。で、そこから138メートルまでっていうのは、運搬のエレベーターを使う。運搬のイメージとしては、傾斜の上に ベルトコンベアみたいなものを据え付けて、岩を乗せて上に上げて、どんどん積んでいくと。 最後の頂上147メートル部分、これはヘリコプターで上から持ってくる。上から持っていって、最後にぽこっと乗せてあげて完成というのが今の現代の方法らしいです。
当時のエジプト人のように人力でやった場合、いくらかかるのかっていうのも書いてあって・・4兆円らしい。 4兆円を現代の技術とか考え方で だいぶ削減して、1,250億。 今の金額でいうと2,000億ぐらいで実現させられるよっていうのが書いてあるんだよね。
当時のように人力のみで建設するとなると、4兆円規模の費用がかかると・・その規模の大きさに驚かされました。。
現代では、ベルトコンベアやエレベーター、ヘリコプターなどの機械を駆使して建造物を完成させることができますが、当時はこれらの機械なしに、どうやって巨大な建造物を建設していたのだろう。。
想像もつかないような厳しい作業だったと思われますが・・知恵と工夫で完成させた。そんな建造物が現代にも残っていることは、本当にすばらしいし、歴史の重みを感じました。
この記事は、昔から結構有名で見てるんだけど、何が面白いかっていうと、この計画を立てるのに、3ヶ月間かかったらしい。3ヶ月間、普段の業務があるにもかかわらず、それとは別でそれをやっている。しかも昭和53年のスーパーゼネコンって言ったら、もちろん建築業もそうだけど、割と激しい働き方をしているはず。そんな中で、この一見無駄に見えるようなこういう行為・・だけどなんかワクワクするし、知的好奇心を満たすっていう。こういうことをやってのけちゃう企業だよね。こういうことを昭和53年に考えて、季刊誌に載せて。それをやってしまうような大林組ってほんとやっぱりすごい企業だなっていう、リスペクトしかないよね。すごく面白いなと思います。
今回この記事を書きながら、思わず読み込んでしまいました。ピラミッドに特別興味があったわけではありませんが、技術が進歩した現代においてもピラミッドを建設するには、莫大な費用、時間、労力がかかることを考えると、当時の人々の技術でピラミッドを造り上げたことは、想像を絶する偉業だったのだろうとあらためて感じました。
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