Syoという男について

我がバンドのリードギター担当のSyoという男
彼とはもう20年くらいの付き合いになります

幼稚園、小学校、中学校という
莫大な数の人間に出会う義務教育期間の中で
将来的に自分の人生に
ここまで深く関わってくる人間が
まさか彼とは当時の俺は夢にも思いませんでした

タイムマシンに乗って、20年前に戻り
くま組所属、5歳児の山上少年に
「君はあの子とこれから長い付き合いになるよ
少なくとも20年は」って伝えたら
どんな顔をしただろうか
怪訝そうな表情を浮かべた後
「変な奴がいる」と先生に告げ口されて
園の外につまみ出されるところまでは読めました

初めはそれくらいお互いの印象は
薄かったと思います
祖母の家で出されるお吸い物くらいには

けど、思えば、5年、10年と過ぎる月日の中で
自分の身に起こったあらゆる事の隅っこに
彼はずっといました
なんか知らんけど隅っこにいたり
わりと近場にいたりしました
直近だと、俺が仕事終わりにSwitchを買いに
近所のGEOまで車を走らせた時も
なんか知らんけど助手席にいましたし
帰宅後にオンライン登録するときも横にいました
作曲用のMacを買った時もなんかいました

こいつぶん殴ってやろうかなってくらい
ムカつく事はちょくちょくあるものの
未だに付き合いがあるという事は
なんだかんだ仲が良いんだろうなと
改めて思います

中学時代の思い出として
彼の家に同級生と3人で集まって
ゲームをしたり、どうでも良い話をしたり
彼がバイオハザード4をプレイしているのを
後ろからボーッと見ていたりしたあの時間は
もしかしたら、何もかも上手く行かずに
半ば自暴自棄、且つ、惰性で人生を送っていた
当時の自分にとって心の拠り所に
なっていたのかもしれないなと、たまーに
考えたりしますね

そんな彼は昔から機械やネットに強く
同時に重度のTwitter廃人でもあります
TLに現れなかった日を俺は知りません
高校時代、クソ雑魚バッテリースマホを
使っていた俺に無意味に20件以上の
いいね通知を送りつけて
残っていた45%の電力を根こそぎ持っていき
即死に至らしめるという
おおよそ正気とは思えない
行動を取ったりしていました
受けた事のないタイプの嫌がらせで
かなり困惑しました
おかげで下校中、調べ物も出来なければ
音楽も聴けず、イライラしている俺の横で
彼はケラケラと笑っていました
何わろとんねんと思いました
今も今で、引用リツイートの存在意義を
疑わざるを得ないような使い方をしては
その度、ケラケラと笑っています
何わろとんねんと思います
俺は多分、これに一生付き合わされる
一生振り回される

そして、ケラケラと笑っていたかと思えば
次に会えば暗い顔で病んでいたりするのです
もとい、顔はずっと暗い
圧倒的に口数が少なくなり
信じられないほどの負のオーラを放つのです
俺はといえば、ふんふんと彼の話を聞いて
相槌を打ち、気の利いた言葉もかけられないので
「なんか飲む?」とコンビニで
好きな飲み物を奢り、後は心の中で
小さく太鼓を打ち鳴らし
「頑張れ」、「早く立ち直れ」と
応援するばかりなのであります

ここまで書き連ねた文を
読めばわかると思うのですが
彼はめっちゃ変な奴なのです
めっちゃ変ですが、同時にいい奴でもあるのです
そして、彼無くして、今の自分は無かったな
とも思うのです
彼がバンドに誘ってくれなかったら
自分は未だに生き甲斐もなく
ただただ死ぬまでの暇つぶし感覚で生きてた
気もするので

以上、Syoという男についてでした


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