こども中心の教育を
前回まで私が教育に興味を持ったきっかけを記してきましたが、自分が目指したい教育は、一言で言えば、「教えない」教育であり、もっと適切な言葉で言うと「こども中心の教育及びその環境整備」です。
コロナ禍で無意味な飲み会・ゴルフが無くなったですが、これは、私が15年前に考えていた、10年後(だから今から見て5年前ですね)には訪れているはずの未来だったんです。ですので、コロナ前に身にしみて感じていたのは、ヒトの思考や行動様式、文化の変化というのは私が想像している以上に遅いということでした。
良くも悪くも時間が創出できたので、教育や心理学に関する書物、論文、統計などを通じて様々な学説や数字に触れることができました。大学一年で教職を放り出したことを思い出しつつ、やはり興味があれば何でも頭に入るということも改めて体感。
一言でこどもと言っても、小学生も中学生もこどもですが、現在は6歳以下(※1)の幼児期に着目しています。詳細はまた次回以降に解説しますが、6歳以下での経験・体験は成人になっても体に染み付いているという研究結果(※2)もあるほど、欧米では幼児教育も重要視されています(が、日本ではそこまで重要視されていないと私は考えています)。
※1)厳密にはこどもには個人差があるため、小学校低学年くらいまで幅があってもいいかなとは考えています。
※2)OECD, 2006, Starting Strong II
この間によくわかったこととしては、大きく下記3点です。
① 好奇心を育てる上で大事なのは、興味を持ったことを達成する喜びを感じること。
② 興味を持ったことを達成するために、黙々とそれに打ち込むこと。
③ できないときに、できないことを悔しがる感情が芽生え、周り(必ずしも大人である必要はない)がヒントを与えることで、できなかったことができるようになること。
つまり、「小さなつまずき〜支援〜小さな達成」というループで、「好奇心X集中力」を強化するということと理解しています。
これって、簡単にはできないんですよね。つい、大人は時間短縮(大人のための効率化)のためにやり方をすぐに教えてしまったり、こどもが「あれ何?これ何?」と言っているときにケータイに夢中だったり(これは自分も常に反省・気をつけながら生きています)…やめましょう。そして、こどもにもっと興味を持ちましょう。
自分も反省を繰り返して、日々マシなカタチに成長していると思っていますが、下記のサイクルがうまく回るようになると、大人が教えることが中心ではなくて、こども自身が取り組むこと・挑戦することが主体になります。
① 興味を抱く
② 触ってみる
③ 集中して取り組む
④ できない箇所がある
⑤ (ヒントを得る)
⑥ また集中して取り組む
⑦ できるようになる
「言うは易き、行うは難し」なのですが、この正のスパイラルを回すことで、こどもが生来持つ好奇心がより強化され、黙々と取り組むことで集中力も増していきます。こどもが主体になることこそ、こども中心の教育だと考えています。
とはいえ、反論もあると思います。教育とは「教え育てる」ことですし。教えれば教えるほど知識を吸収するこどももいると思います。ただここで重要なのは、こどもが主体的かどうかという視点です。教える行為はやはり大人が主体になると、私は考えます。
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