おめかしな1日
ママ!ツリーのところにプレゼントがあるよ!
娘がドタバタ階段を昇り降りする音ではじまるクリスマスイブ。
大寒波を追いかけるようにしてサンタはやってきた。
12月24日。
本当は365日のうちの、似たような顔をした1日のはずなんだけれど、クリスマス・イブというとっておきの衣装を着ておめかしをする。
髭の生えていないサンタは洗濯を終えると、ピザを焼こうと強力粉をごそごそ取り出す。
ふと、ほぼ1ヶ月過ぎた賞味期限に目がいく。
相変わらず詰めが甘いなぁと、自分にがっくり。薄力粉だけのレシピで「ま、いっか」と、ピザ生地を作る。
数時間後に夫から「美味い。このレシピ、教えて」と大絶賛のピザに生まれ変わるとは、この時の自分にはわかるはずもない。
文字通り(?)ごっつぁんゴールが決まった気分である
「ま、いっか」
これは最近の自分への、おまじないの言葉。
いくらとっておきのプレゼントも、サンタがげっそり、疲れた顔して配っても、子供たちは複雑な気分だろう。
ささやかなプレゼントでも、笑って配りたい。
そんなサンタさんでいたいな。
…クリスマスでない日も。
…もし今、1人だったら、何をしていただろう
子供がいなかったら夫と、どう過ごしていただろう
ふとそんな気持ちが、何とはなしによぎる。
テーブルの上でがやがやしていた料理達は魔法のように消え、賑やかな時間はカーテン向こうの雪に、吸い込まれていった。
24日の夜はイブニングドレスを脱ぎ、次第に本来の姿へと戻っていく。
2022.12.25 Merry Christmas 🎄
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