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死にたいくせにソーシャルフットボール②

死にたい気持ちに飲まれる私にとってソーシャルフットボールは唯一、自由に呼吸していられる時間だった。

そんな私にとって関西大会は、苦しい今を生きる上で希望的な存在だった。

だけど、その直前で更なる不調、主治医からは、生きるために、入院することを勧められる。

入院するのか、しないのか、迷い周囲の人へ相談し始めた。

「今一番大切にしたいものは何?フットサル?」

そう何度も問われた私は、全て手放して入院しよう、そう気持ちが傾いていった。

─12月6日・夜

もう1人相談したい人がいた。
入院するということは練習に参加できないし、関西大会には出られない、仮に参加したとしても100パーセントの状態では無い。

チームの監督に電話で相談した、

10分くらい、入院するか迷っていることと、そのネックが関西大会であること、優先すべきは身体かなと思っていること、チームに迷惑をかけてしまうのではないかと心配していること、入院を決断しきれずにいること。

(ソーシャルフットボールチームは全国にいくつもありチームの形式はチームによってそれぞれだけど、私たちのチームは、精神疾患をもつ選手と私たちをサポートしてくれるスタッフで構成されている。監督は私の病気を知っているし、精神保健福祉領域にも詳しいので安心して相談できている。)

監督から伝えてもらったこと、
チームの中期目標は2026ヨコハマ、長期目標はひとりひとりがフットボールを長く楽しむこと、今回の関西大会がゴールではないから、今の自分を優先してもいいのではないかということ。

それと、

病棟の廊下を走っていればよい

ということ。

監督のジョークであり、精神科病院の廊下を走るという行為は逸脱行為的に見なされて保護室とよばれる鍵のかかった部屋での静養および(小声で)反省を求められてしまいかねず、退院できなくなるので、精神科病院の廊下は刑務所と1,2を争うほどハシレナイ廊下なのだけれども。

だけど、それが私は嬉しかった!!!

入院するイコール関西大会は諦める、そうなんか思ってしまってて、私の中では。治療を優先するのだから、もう関西大会は仕方ないって、そう思い込んでた。

監督の走っとけみたいな勝手なアドバイスは、入院しても関西大会に向けてチームの一員としていていいのだと、今の自分にとって希望であるソーシャルフットボールと断絶される訳じゃないのだと、そう感じた。

そのおかげで、前向きに、入院を選択するととができた。

─12月11日

週明け、バイトやら自助グループやらいろいろ予定の整理をつけて、入院した。
治療のため、休息のため、といえど、予定に穴を開けることは、ごめんなさい、が伴うもので、申し訳ない気持ちと情けない気持ちでまた気分が少し沈む。とくにアルバイトとはいえすでに決まっていた仕事を休むのは申し訳ないと強く感じる。同時に自分の調子が良い時はお互い様でみんなと助けあえる人でいたいと思う。

入院すると検査があったり、オリエンテーションがあったり、すこし忙しいのだけど、落ち着いてからまっさきにチームメイトに電話した。

何も考えずに休んだらいいよ
身体動かせる時に動かしたらいいよ

その言葉のおかげで関西大会に向けて頑張ろうって逆に自分をあげてしまうのではなく、いまいい感じに休もうって思えて、休めた。

チームメイトが紹介してくれた曲、救われた!

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