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息子がイギリスの高校を卒業しました

今日は息子の高校生活最終日でした。

と言っても卒業式も無し。用事のある生徒だけがめいめい登校し、用事が済めば下校するというあっさりした1日で彼の高校生活は終了しました。

イギリスの高校にあたるシックスフォームの学生生活は、どちらかと言えば大学に近く、大半の生徒は選択した3教科だけを学びタイムテーブルに従って教室を移動する方式なので、日本の高校のように最後に「蛍の光」を歌ってクラスの皆とさよならするようなイメージとは違います。

それでも息子にとっては、それなりにエモーショナルだったよう。なんと言っても、レセプション(小学校1年生の前の準備年)から小学校7年+中学校5年+高校2年の計14年間も同じ学校に通い続けたのです。中学校や高校に上がるタイミングで「同じ学校にばかり通い続けるのも世界が狭くなるのでは……」と別の学校に進学する事も考えたものの、結局は本人の希望で同じ学校に進学しました。

気が付けば、驚きの小・中・高一貫教育。公立なのに(笑)

もういっその事、大学も作ってもらって仕事も貰って一生世話して貰えば?と冗談を言っていました。

というわけで高校卒業記念に、小学校からの歩みをサラっと振り返りたいと思います。

イギリスの小学校はとても小規模で、公立小学校は通常、1学年に1クラスか2クラスしかありません。(1クラス30人以下の定員と決まっている)

息子の学校は1クラス制だったので、先生も生徒も全員がお互いを知っていてとてもアットホームな雰囲気でした。

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レセプション(5歳)の頃。

小学校時代、5年生の時には卓球の団体試合でイングランドで2位、6年生では優勝する事ができました。

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そんなこともあって息子は学校でもちょっとした有名人だったらしく、下級生にサインをねだられたこともあるそうです。そりゃ居心地よかったことでしょう(笑)

学校のウエブサイトに写真を使ってもらった事もありました。

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2015年のウエブサイトに使われた写真なので他の子達のお顔もそのまま載せます。

中学校になると人数は1学年180人に増えましたが、顔見知りも多く相変わらず居心地良さそうでした。

制服は小学校時代はポロシャツ、トレーナー、ジャージなどでしたが、中学校ではYシャツ、ネクタイ、ブレザーのカチっとしたものになり、随分堅苦しくなったなあ、と思ったものです。

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中学校初日。2014年9月。

その後の高校2年間では私服。ほぼ100%自由ですが、ジャージ素材のボトムスだけは禁止でした。とはいえ、ジーンズより楽なのでしょっちゅうトラックスーツのボトムを履いていっていましたが。(先生に見つかると注意されるそうです)

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シックスフォーム初日。2019年9月。随分背が伸びました。

こんな風に書くと、とても、のどかな学校生活だったかの様ですが、実はロンドンの中でも犯罪率の高い、所謂「ラフ」なエリアにある学校でした。

周囲には「カウンシルフラット」と呼ばれる公営住宅も多く、様々な家庭の子が通っていました。収入の低い家庭の子供が受けられる「フリースクール・ミール」(給食費無料)になる子供の割合も高い地域です。

中学校では生徒によっては、素行が悪くて退学処分後、ギャングの仲間入りしてドラッグ取引に手を染めてしまう子もいました。決して品行方正な子供ばかりが集まる学校ではありませんでした。

しかし息子はむしろ、そんな学校に通っている事を誇りに思っていたようです。

「私立の学校は裕福な家庭の子ばかりが集まって本当の世界ではないから興味ない。僕の学校のような場所こそリアルワールドだと思うよ」

そんな事を中学生の頃から言い出し、「レフトウィング」寄りになってきた彼。

親としては、もう少し品のいい学校に通わせた方が良かったのかな……と思うこともありましたが、自我の芽生と共にそんな発言をする様になった彼を頼もしく思ったりもしたものです。

高校最後の試験は2週間程前に終わり、その後は授業に出席するかどうかは自由だったのですが、息子は最後まで出席しました。それはとても意外だったのですが、「もう復習しなくてもいいって変な気分」と学生生活や勉強を名残惜しく思っているようでした。

最終週に、お世話になった先生方にチョコレートを贈りたいと言うのでそれは良いアイデア、カードもつけなよ、と言うと、めんどくさそうであまり乗りきでなかった息子。

彼の反応は無視して私がThank you カードを買ってきました。書いても1、2行かなと思っていたのですが、いざ始めると、なかなか真剣に書いていました。特に一番感謝していた大好きな数学の先生に書いたカードはちょっと感動的。

そのカードです。(息子の許可得てます) 

先生のおかげで数学の楽しさを知れた事、ロックダウン中もウィットに溢れた先生がクラスを明るくしてくれた事、先生のクラスに行く時の興奮をずっと忘れない事など感謝の気持ちが綴られています。

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私も今日は、14年前に息子が5歳で小学校に入学して以来、親としても色々な事を一緒に頑張ってきたなあと、なんだか感傷的になっていまいました。

(おまけ)

息子が学校を出る時、知らない女の子(多分8年生か9年生、12~13歳?)の下級生が彼の名前を呼んで、電話番号を教えてほしいと言いに来たそうです。

え!?それって告白じゃないの!?と私は興味深々。でも本人は「いやあ……何も言えないよ」とほぼ無視したそうです。

「ええっ!かわいそうじゃない?」と言うと、余計な疑いをかけられたくないから話もしないのが一番だそう。

余計な疑いとは。未成年との不純異性交友?

18歳でもう小児性愛者(paedophile)に間違われることを心配しなければならない社会もなんだかなあ、とも思いますが、まあそれくらい注意深くていいのかもしれません。イギリスは18歳で成人だし。

そうかもしれないねえ……中国の故事だけど、日本でも「李下に冠を正さず」と言うことわざがあるよ、と説明するとうんうん、と頷いていました。

とりあえず息子、思慮深い(?)青年に育ってくれてありがとう。今日は親バカ炸裂日記でした。



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