いままで
時間に伴って歩いている。
また、ここに入って来た。
高く飛んでいる音が、機内の静けさで、かすかに聞こえる。
飛行機の小さい窓から、あの見慣れた輝きを眺めて、
懐かしい昔の記憶が、あたまに浮かぶかのようだ。
夏の砂浜で、友達と遊んで、けらけらと笑っていた。
ある秋の午後、休耕した畑の中で、
隣近所の人と焼き芋を作っていた。
そして二十五歳の冬、異国の彼と初めて会った。
その下手で、可笑しくて、
滑らかでない日本語は、今はもう聞けなくなった。
あと三時間。
このたびは、春の日だまりの下で、
彼と一緒に風物をゆったりと探勝する。
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近く図書館に行って、私を探せ~♫