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桜を眺め、桜を残し、桜を知る -2022年春

年度末と年度はじめ。
組織改変に人事異動、子供の卒業・卒園と入学・入園・進級。
世間一般的に、3月半ばから4月半ばくらいまでは、バタバタと落ち着かない人も多いと思う。

だから、毎年4月のこの時期になると、ちょっとだけ寂しく思うことが多かった。
「あぁ、もっとゆっくり桜を見たかったなぁ」と。

朝の忙しい時間に流れるニュースで、桜の開花宣言を聞きつつも、それより優先度が高い目の前のアレコレにかまけていると、2週間なんてあっという間にすぎ、気づけば桜の木は爽やかに初夏に向かう緑色に変わっているのだ。
葉桜も好きだけど、やっぱり枝いっぱいに花を纏った姿が見た後だからこその葉桜の良さ。
気づけば葉桜だった、というのは寂しいし、悲しい。
花見をしたいとまでは言わないけれど、満開の桜を見上げて、「あぁ、やっぱり綺麗だなぁ」と感じる時間が欲しかったのだ。

そんな数年を過ごしたせいか、今年はとにかく桜に貪欲に過ごしてみた。
毎日桜の木が目に入るように、保育園の送迎や買い物で通る道を変えてみる。まだ花の気配などどこにもない頃から、蕾の具合を近くで見てみる。
些細なことだけど、それだけで意識はグッと変わったと思う。

その結果、桜の開花から葉桜になるまで、私のInstagramは桜の定点観察日記のようになっていた。これは、それをまとめた記録のnoteです。


私的初桜
確か、東京の開花宣言の2日後くらいに撮ったもの。



初桜の2日後


初桜から4日目
満開ですねぇ。
この時は、カメラのファインダーを覗くと、これは現実の世界かな?と思うほど美しかった。


4月1日
3月で2歳児までの保育園を卒園し、新しい保育園へと転園した次男の入園式後に、二人で見に行った桜。

萼と蘂の赤が目立つようになってきた頃。
この日は風がとても強くて、花びらはもちろん、花が丸ごと降って来るのを、3歳の息子と一緒に、「すごいねぇ、綺麗だねぇ」と見上げていたことを覚えています。
さっきまで枝で揺れていた花が、ふわりと生垣に落ちたのを、二人でたくさん拾って帰りました。


雨が降り、いよいよ今年の桜も見納めかなと見に行ったり。

雨の雫に、少し重そうに頭を下げる花と、うっすら曇った背景。
これもまた、とても印象に残っている桜の景色です。


4月も1週間がすぎた頃。
初桜からは2週間くらい経ち、葉の緑が鮮やかに目立つように。


そしてこれが、今年最後の桜の花。

もうすっかり葉桜だなぁ、と眺めていたら、まだひっそりと残る桜色を発見。
きっと去年までだったら気づかなかっただろうなぁと思うと、そんな自分の変化も嬉しくなったり。


日数にすると、トータル25日くらい。
いつもはあっという間だと思っていた桜の季節も、こうやってふり返ってみると、ずいぶん長い間楽しんでいたなぁと気づくのです。


そして楽しみはまだまだ続きます。
息子と拾ってきた桜の花びらは、綺麗に処理して半分は押し花に、もう半分はウォッカにつけて桜チンキに挑戦中。


そして、もうひとつ。

毎日毎日、頭のどこかで桜のことを考えていたおかげか、こんな素敵な本にも出会ってしまいましたよ。


原書房さんから出ている「花と木の図書館」というシリーズの1冊。
この美しい装丁! そして、桜の歴史や品種、それにまつわる各国の風習や文化などの情報がぎっしり!
毎晩、寝る前に少しずつ読み進めるのが、今の楽しみです。



春には春の花を目一杯楽しみ、次の季節へ向かう。
今年はそんな楽しみ方ができているせいか、「また来年ね」という気持ちで散りゆく桜を眺めています。



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