デカフェ・ティーをめぐる冒険
カフェインの摂取は控えること。
これはかなり辛いお沙汰である、ということは、紅茶愛好家ならきっとわかってくれるはず。
現在第二子妊娠中の私は、まさに今、この辛い制限の真っただ中にいるのです。
寒い朝に飲むミルクとお砂糖たっぷりの甘いミルクティー。
ライブラリーで仕事をするときには、タンブラーに入れた熱々のストレートティー。
仕事と家事を終えてホッと一息のフレーバーティー。
私の日常に当たり前のようにあった紅茶をなくすなんて無理! カフェイン量を気にしながら飲むのもイヤ!
となれば、選ぶ道はひとつひかない。デカフェ、つまりカフェインをカットした紅茶を手に入れるしかないのです。面倒な反面、ちょっと前まではデカフェなんて気の利いたものはなかったと思えば、ありがたいことだよなぁ、とも思う2018年の妊婦。
さて、これだけティーバッグティーが溢れているアメリカのスーパーなのだから、デカフェのブラックティーなんて簡単に見つかるでしょ、と思っていたのですが… さすが期待を裏切らない(?)アメリカ。そんな簡単にはコトを終わらせてくれないのでした。
近所のスーパー4軒(アメリカ系のSafeway, Walmart、オーガニック系のWhole Foods, Sprouts)をまわった結果として、手に入れることができたデカフェティーはたったの1種類。それも、純粋なブラックティーではなくスパイスのフレーバーがついたもの。
TAZO(タゾ)のチャイのデカフェバージョンです。
(トップの写真に真ん中下方に写っている箱)
TAZOといえば、スターバックスで提供されるティーとして有名なブランド。アメリカのティーカルチャーを作った神様的存在である、故Steven Smith(スティーブン・スミス)が1994年に立ち上げ、全米に流通する人気ブランドに育て上げた後、1999年にスターバックスに売却したティーブランドです。スタバの「タゾ・チャイ・ティー」のタゾ。
他に選択肢がなかったこと、そしてチャイも好きだしその時の気分にもフィットしていたことから、しばらくはこのデカフェティーで作る濃ーいミルクティーが定番でした。
それでもやっぱり、チャイのスパイスがいらないな〜という気分の日もあるわけで。遠出の買い物でも、雑貨系のショップでも、紅茶を扱っているところを見つけてはチェックすることで、いくつかデカフェティーを見つけることができました。
ただし、その全てがフレーバー付き!
アメリカの人たち、フレーバーが好きすぎる…。ただただシンプルなブラックティーのデカフェはないのか…と諦めかけた時、ついに出会ったのが、トップの写真で主役級の存在感を放っている、Ty・phoo(タイフー)でした。
Ty・phooは、紅茶の国イギリスでかなりのシェアを占める庶民派紅茶ブランド。一般市民が毎日ガンガン飲むための紅茶、という感じです。あまりイギリスっぽくないこのブランド名は、中国語で医者を意味する「丈夫」に由来するそう。
World Market(ワールドマーケット)という、世界の雑貨や食品を扱うお店で見つけました。日本のラムネやグミ、中国のスパイス、フランスのジャム、アジアの国々のインスタントラーメン各種…など、とにかくいろんなものが雑多に置いてあって、とても楽しいお店なのですが、ここで紅茶を探すというのは盲点でした。
しかもこのTy・phoo、ひとつのティーバッグに入っている茶葉が多めで、しっかりとした味わいながら、渋みが少なくて飲みやすい。ストレートでも、ミルクティーにしても◎なティーバッグティー! しかも庶民派ブランドだけあって、大箱の中に大量のティーバッグが詰め込まれていて、毎日飲んでも2ヶ月は余裕じゃないか?という量。それが8ドルくらい。(しかもこの日はティーが20%オフなのでさらに安くゲット)まさしく探し求めていたデカフェティー!
どこまでも続くかと思われたデカフェのブラックティーを探す冒険は、紅茶大国イギリスによって見事完結したのでした。
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