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円安が、日本のインターナショナルスクールに落とす影

円安に甘んじてはいられない


$1が130円を超えてどれぐらい経つでしょうか?
4月半ば頃からじわじわドルが強くなり始め、円が反発することもなく、130円台に入りしかもそのまま安定している昨今。

私は主にETFで投資しているので、この円安は本当に痛い!

岸田首相が経済不案内なのは首相に就任してすぐに国民が知ることとなりましたね。
しかも、岸田さんはどうも「お金は持っていない方が清々しい」みたいな感覚がある人に見えます。
こういう人が一国の長であるのはマズい、と思っていましたが、予感は当たり、では円安に傾き出した時に何かするのかな?と見守っているも、特に何もなし。
1.5ヶ月ほど前でしたか? 日本への海外からの受け入れ人数をこれまでの1万人から2万人にする、と発表し、
「円安なので、外国から日本へ旅行しやすいだろう」と言っているのを聞いて、開いた口がふさがらなかったのは私だけではないと思います。

いや、そりゃ私も家の中で家族には言っていましたよ。
「今は20年ぶりぐらいの円安だから、日本に海外から旅行者が来てくれたらコスパの良い滞在ができるだろうし、多くの外国人が日本円を使ってくれたら、多少、円高に傾くのではないか」と。

でもこんなこと、五十絡みのおばはんが晩ご飯の片付けも終わり、カウチにくつろぎつつ観るテレビに突っ込み入れながら「そうなったらいいのにな」ぐらいの市井に埋もれる小さな意見ですよ。

まさか、岸田首相と同じ意見だったなんて!
私でも首相になれそうですね。

さすがに岸田さんもご自身の経済おんちのヤバさに気づいたのか(いや、相変わらず気づいていないけど、周りの進言が聞こえたのか、なんせ「聞く力」が自慢ですしね!)、眠っている1000兆円だかの個人預貯金で投資を、って言い始めましたね。
(これも「ちょっと待って!」と言いたいことのひとつ。
確か、最初の頃は岸田さん「所得倍増」って言っていましたよ。それがいつしか「投資で所得を増やす」にすり替わっています。「所得倍増」と「投資で財産形成」は全く違うのに!)

今の20代、30代、40代にどれほどの貯金があるのかは見ようとせず、国民の預貯金1000兆円、と大雑把にも程があるひとくくりで金額を提示され、「さあ、あなた方が持っている貯金で投資を!」なんて言われて、一体、何人ぐらいが「よっしゃ!株買おう!」って奮起するでしょうか?

しかし、こうやって首相が積極的に投資を促すということは、次回の国会議員の資産公表では、国会議員のみなさんの資産が銀行の預貯金だけでなく、土地や不動産、株などを国民のお手本になるように所有し、その額が公表されるということですよね?

楽しみです。

インターナショナルスクール事情

いきなり話題が変わるようですが、6月10日(2022年)のyahooに興味を惹かれる記事が掲載されました。

実際に記事を読むと、①日本に世界の名門校の分校が開校することが生む地域へのメリットと、②日本人家庭の子供をそういったインターナショナルスクールへ通わせるメリット、デメリットの二つの内容が書かれてあり、②の方は特に新しい角度から切り込んだ内容ではないと感じました。

以下、記事を読んで私が思ったことを書いていきますが、言いたいことはコレに尽きますので、別の用事で忙しい方はこの絵だけ見て行ってもらえれば幸いです。


日本の郊外、地方に海外名門校の「分校」ができる理由

上の記事を読みながら、なぜ、海外の名門校が日本に分校を持つのか、なぜ、需要があるのかを記していきます。

* < >付きのタイトルに付された記事は、Yahooからの抜粋ですので、直接記事のリンクを読む方は飛ばしてください。

<海外名門校が日本の地方興しに?>

(Yahooの記事より抜粋)

岩手県のスキーリゾート、安比にイギリスの名門校「ハロウスクール」の系列校『ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン』(以下、ハロウ安比校)がつくられるとして、注目を集めている。
ハロウ安比校は11歳~18歳の男女を対象にした7年制。生徒の内訳は日本勢と海外勢が半々で、中国、シンガポールなどのアジア圏のほか、アメリカやフランスから入学する生徒も。授業はすべて英語で行われ、教員はイギリス人が中心だという。
近年、開校した、あるいは開校予定の主なインターナショナルスクールの所在地は地方が多く、長野県の白馬村や軽井沢町は国内有数のリゾート地、広島県の神石高原町は風光明媚な観光地だ。
リゾート地の中に学校をつくると、それを目当てに保護者が世界中からやって来て、地元にお金を落とす。
ハロウ安比校はスキー客の減少に悩むリゾートホテルが誘致したもので、今回成功すれば、町おこしを狙って学校の誘致に動く自治体が出てくるかも。

<子供をインターに通わせる理由>


少子化や核家族化が進んでいるのは世界でも同じ。そのため子ども1人にかける教育費が増えていて、その傾向は富裕層ほど顕著である。また、親としては思春期の子どもにどう向き合い、難しい年ごろを乗り切っていけばいいのか悩むところ。この時期にしっかりと教育をして、自立心を養ってくれる存在として、インターナショナルスクールへの期待が高まっている。
国際色あふれるキャンパスの中で、子どもたちは自然と触れ合いながら、さまざまな事柄を学んでいく。併設されているスキー場やゴルフ場で課外授業を受けたり、乗馬を楽しんだりもできる。
インターナショナルスクールでは探求型の学びが重視される。語学力だけでなく、疑問を掘り下げ探求する力が養える。
(これが需要でしょうか。)

<とは言え・・・>

教育とは、自分が暮らす国の文化に根差したもので、学校はそれを継承していくところ。例えばハロウ校の場合、イギリスの上流階級の文化を受け継ぐ学校。将来的にそこで生きていくつもりなら合理的であるけれど、日本で生きていくのであれば話は別。
中高生の間に学ばなければならないものは歴史をはじめ、古文や漢文など、ほかにもたくさんある。英語や国際感覚を身につけられたとしても、その一方で、言語として日本語を深く学ぶ機会を失うおそれがあるのではないか。

<インターに向く子、不向きな子>


そもそもインターナショナルスクールと日本の学校には、どのような違いがあるのだろうか。インターナショナルスクールに法的な定義はない。アメリカンスクールや朝鮮学校のような、特定の国籍や民族を対象とした学校とも異なる。文部科学省は“主に英語で授業が行われ、外国人の児童生徒を対象とする教育施設”との見解を示している。

ルールや制約があったほうが動きやすいタイプと、その是非を自分で考えて決めたいタイプがいたとします。インターナショナルスクールに向いているのは後者。世界を舞台に活躍したい人、外資系企業で働きたい人も向いているでしょう。

記事を読んで

上にも書いたように、この記事から「日本人家庭の子供をインターに通わせるメリット、デメリット」に関しては目新しいところが無いと感じました。

普通の(?)インターナショナルスクールではなく、イギリスの名門校が日本に分校を持つことが、地方都市の経済を発展させる、という点が私には新しい観点に思えました。
チャーチル首相も学んだ学校と聞くと、アジア各国の子供を持つ富裕層が注目するでしょうし、彼らが入学してくれると外貨が日本に落ちることになりますね。

ただ、これも本当に学ぶ子供たちを中心に考えていることなのかなあ、との疑問は残りました。

日本のスキーリゾートや、地方の風光明媚な土地に雄大に広がるキャンパス。
学校の敷地内に馬場があったり、ゴルフ場まであるのは一聞すると豪華ですが、そこで学ぶ子供たちにとってはどうなんでしょう?

中学生や高校生は、自立心が芽生えてくる年頃。
自分たちで電車に乗って出掛けて、買い物や食事を楽しんだりゲームセンターへ行ったり、観光したり、そんなあれこれをしたい年頃ではないでしょうか?

幸い日本は治安が良いうえに公共交通機関が発達しているので、子供たちだけでも気楽に出掛けられる環境。
仲の良い友人たちとの買い物やランチは、学校以外の場所での社交として、彼らの成長に大切な部分だと思っています。

しかし、これが交通の不便な郊外や地方にある学校だとしたら?
広大でなんでも揃っているキャンパスだと言えども、なんだか子供を檻に閉じ込めてしまう環境なんじゃないか、と感じます。

名門校のボーディングスクールとはそういうものだよ、と言われると返す言葉はありませんが・・・。

お金は寂しがり屋さん

さて、名門校では名門校であるための質が高い教師陣が必要ですね。

インターナショナルスクールの先生たちは、これまでに歴任してきた学校やその時の同僚との間にネットワークがあり、情報交換を続けています。

たいていのインターでは、2〜3年程度の契約を先生と結び、契約が切れると日本の中の別のインターに転職する人や、別の国に行く人がいます。
もちろん、この学校が気に入っているから、と契約を更新しながら何十年も勤務し続ける先生もいます。

私たちほとんどの人間がそうだと思うのですが、自分の経歴履歴を最大限に評価してくれる企業で働きたい、持っているスキルで最大限稼ぎたい、新しい職場で更なるステップアップをしたい、というのは本音でしょう。

インターナショナルスクールの先生たちは、経済発展著しい地域の学校へ行きたがります。

20年ほど前だったら中国、ここ10年ぐらいだとドバイ。
これらの地域は世界中からビジネスチャンスを狙って人々が集まってくるので勢いがあります。
世界の名だたる企業が支社を出し、社員を送るので当然、その子弟たちのための学校が作られます。

羽振りの良い地域には羽振りの良い人々が集い、大きなお金が動くので、インターナショナルスクールのお給料もかなり高額だと耳にしました。
payの良い学校は教師になるにも狭き門だとは思いますが、学校側が教師を選べる=質の高い人材を採用できる、ということですよね。

他方、日本も1980年代は勢いがありましたが、今はもうこのクソ暑いのに政府が節電を呼びかける体たらく。
止まらない円安。
この国で働きたいと思うインターナショナルスクールの先生はいるんでしょうか?
特に縛りがないなら、誰でもより多く稼げるところに行きますよね。
結果、海外と比べてお給料が安い日本のインターにはどの程度の教師が残るでしょうか?
そして、日本に暮らす外国人たち(外資系企業の駐在員やスポーツ選手などなど)がその子供たちが通う学校のレベルに満足できなければ??

インターナショナルスクールの先生に限らず、何かのスキルで生きていける人たちは、何も日本にいなくてもよりpayの良い国に出て行ってしまうでしょう。

日本の円安は、私たちが海外旅行に行くと高くつくな、程度の話ではなく、優秀な人材流出の危機でもあるわけです。

「お金は寂しがり屋」とは、かつて友人から聞いた言葉です。
お金は仲間のいるところに集まっていくものだと。
居酒屋で呑みネタだと思って聞いていたけど、コレ、真実をついている名言だと思います。

日本の片隅にいる名も無いひとりのおばはんですら、こんなに円安を憂いているのに、政府も日銀も何も手を打たないですね。

それなのに、今月の選挙ではまたまた政党は変わらないのか?

以上です。

「円安は人材流出の危機」とひと言で済む内容を、政権批判とインターナショナルスクールの是非を交えて、こんなに長々と書いてしまいました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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