見出し画像

日本語教師養成講座、終えました。

資格をどう活かす? どこで働く?

1.5年かかって修了

2022年10月から始めた「日本語教師養成講座」を今年(2024年)の3月に修了しました。
1年半、かかりました・・・。
長かったし、途中でくじけそうになりました。
早い人は、なんと! たった半年で全ての課程を終えて卒業して行きます。
私が2022年10月に入学し、一緒にスタートした人が半年後の2023年3月に卒業しました。
その人は、卒業後、程なくしてオーストラリアで日本語教師の職につきました。
すでに、仕事が決まっていたので、就職の条件である420時間をとにかく早く終えなくてはいけなかったそうだ、と別のクラスメイトが教えてくれました。

また、もうひとり、私から遅れること1ヶ月、11月に入学してきた人も3月に卒業しました。この人に至っては、正味5ヶ月で420時間を終えたことになります。

「働きながらでも資格が取れる」はウソ

とまでは言いませんが、かなりかなり難しいと思いました。
よく、いろいろな日本語教師養成講座の学校が「働きながらでも資格が取れる」と謳っていますが、私はそれは厳しい、というのが実感です。
よっぽどルーティンが決まっている仕事・職種で、残業も一切なく、出張もないならやってやれないことはないでしょうけど・・・。

私が1年半、一緒に学んだ人たちでフルタイムの仕事に就いていた人はひとりだけ。
その人は介護職なので、仕事の合間や夜勤のときに勉強する時間がある、と言っていました。
そして、在籍できる3年間ギリギリで卒業できました。
やはり、仕事の都合で学校を欠席せざるを得ないときもあり、丸々1ヶ月休んでしまうなんてこともあったそうです。

もうひとりのクラスメイトは、病院の事務職だったそうですが、日本語教師の勉強との両立ができず、仕事を辞めたと言っていました。
私は趣味で習っていたピアノをやめました。
養成講座で座学のときはまだ、ピアノを練習する余裕もかろうじてあったのですが、基礎講座が終わり、演習が始まるともう手一杯で何もできませんでした。

モチベーションは3ヶ月しか続かず

私が通っていた学校の場合、「基礎講座」と呼ばれる座学は、週1回3時間で1章勉強します。
これは、最大週4章まで取ることが可能で、上に書いた半年で卒業していく人は4章取っていました。

私は、火曜日と金曜日の午前中のクラスで各3時間、1週間に6時間の座学。
半年コースの人は基礎講座(座学)を3ヶ月で終えるのですが、火曜日と金曜日に各3時間、さらに土曜日の午前中と午後のクラスそれぞれ3時間(土曜日は合計6時間、学校にいることになりますね)、週に12時間も勉強するわけです。

私は最初は週2回取っていて、そのままのペースで進むと基礎講座は半年で終わる予定でした。

しかし、最初は張り切って好奇心を持って勉強していましたが、あっという間に息切れし、3ヶ月が過ぎた時に、週2回から1回に減らし、基礎講座を半年で終える予定が9ヶ月かかってしまいました。

早く卒業することが目的ではなかったので、週1回の授業で内容をじっくり復習する時間が持てて、私は満足していました。

私からピアノを奪った「演習」

基礎講座が終わると、次のステップは演習です。
私が通っていた学校は、演習(「みんなの日本語」という教科書を使って、文型・文法を日本語学習者に教える練習)が週2回ありました。
他の学校でもこのぐらいのペースなんでしょうか?

みんなの日本語には、ひとつの課に2〜4つの文型があります。
この文型をひとつ、生徒は与えられて学習者にわかりやすいように授業を作ります。

与えられる時間はだいたい8分
8分で、文型の紹介から使い方、発音までやります。

私は8分ということは、別に6分でも10分でもいいんじゃないか、と思っていたら、これがタイマーをかけて8分きっちりに収めないといけない練習でした。

しかも、学習者が習っていない語彙=未習語彙を使うと必ずチェックされました。

ちょっと考えてみてください。

みなさんが何か事情があって、スワヒリ語を勉強しなくてはいけなくなったとします。
一番良いのは、先生が日本語を話せることですね。スワヒリ語ペラペラの日本人の先生、が理想と言えるでしょう。
日本語でスワヒリ語の説明をしてくれると、授業がとてもわかりやすいです。

次にありがたいのは、先生が英語を話せることではないでしょうか。
スワヒリ語で「%#x!%#(←こんにちは:だとしましょう)」は、「It means HELLO in English」と説明してくれるとまあまあ理解できるでしょう。

これが「媒介語」と呼ばれるものです。

なんと、私が通っていた学校の演習では、媒介語を使わず日本語を日本語で教える練習をしたのです!
これを「直接法」と言うそうです。

日本語が分からない人に、日本語で日本語を教えるって・・・。
ものすごく不毛な気がして、もう日本語教師養成講座やめようかな、と思いました。

スワヒリ語をスワヒリ語で学んだとして、一体、どれぐらいの期間で、「サバイバル・スワヒリ語」をマスターできると思いますか?
かなりの熟練教師ならその能力があるかもしれないけど、直説法は効率が悪い教え方なのでは?という思いは、今でも持っています。

ただ、直接法のメリットは、いろいろな国からの学習者がいるクラスで発揮するようです。
英語が母語、または英語と自国語(母語)のバイリンガル、という人たちばかりのクラスだと英語を補助的に使って日本語を教えられるでしょう。
しかし、そうではなく、イギリス人もいればベトナム人もいるし、フランス人、イタリア人、ネパール人もいるクラスとなれば、英語を使って授業を進めるのはフェアではないですよね。

で、直接法で教えるために、イラスト(絵カード)や小物を色々準備しないといけないわけです。
見て状況が分かる、と言うのが一番なので。

与えられた8分の中で、学習者にとって新しい文型を教える準備のために、8時間かかるなんてこともざらでした。
この準備に時間を取られ過ぎて、ピアノを練習するヒマもなくなり、結局、ピアノは辞めざるを得ませんでした。
私は趣味のピアノレッスンを辞めるぐらいで済みましたが、上に書いたクラスメイトは仕事を辞めたとのことなので、収入が絶たれることとピアノを比べてはいけないですね。

半年で卒業していく人のスケジュールは?

半年で養成講座を終える人たちの、基礎講座が週に12時間/3ヶ月だと書きましたが、後半の3ヶ月はもう鬼のスケジュールだそうです。

演習が初級中・上級のふたつに分かれていて、私は初級演習を週2回3ヶ月間、続いて中・上級演習を週2回3ヶ月間、合計半年で履修。
その後、3ヶ月間の教育実習課程が続きました。
これは、週に1回3時間だけだったので、演習を思うと楽でした。

半年で養成講座を終える人たちは、初級演習を週2回、中上級演習を週2回、そして、教育実習(3ヶ月)、これら3種類を全て同時進行でやっています!

例えば、月曜日と木曜日に初級演習各3時間、火曜日と金曜日に中上級演習各3時間、そして、土曜日に教育実習3時間!

私が演習用のレッスンプラン8分を作るのに8時間かかる、と書きましたが、これ、月・火・木・金・土曜日、と各々10分程度のレッスンプランを作るためには、どんな生活パターンになるんでしょうか?
考えるだけで恐ろしいです。

実際、このスケジュールだったクラスメイトが3人いるのですが、聞いてみたところ、みなさん口を揃えて「何をやっていたか、全く覚えていない」。
これで現場に立つことができるのか・・・?
でも、私が特に仲良くなったクラスメイトたち3人のうちふたりは日本語教師として活躍しています。

と言うわけで、日本語教師養成講座420時間を終えるのが私にとっていかに多くの犠牲を払い、大変だったかを語っただけで3,000文字を超えてしまったので、もっとタイトルに沿った内容は次回に!






いいなと思ったら応援しよう!

yoshie*美江
読みに来てくださった方に居心地の良さを提供できるアカウントを目指しています。記事を読み、ひと時あなたの心がほぐれましたらサポートお願い致します。