見出し画像

Romeo återvänder ensam(和訳:ロミオは独りで帰ってくる)

水面を覆う凍り付くひとすじの風、死者の世界からの残響
嫉妬深く嘲笑う海からの呼びかけ
冬は桟橋の小屋を破壊し、祝福の7月から
木と石でできた観覧車の骨組みから灯を奪う

(君が欲しい、君は僕のものだ、僕だけのものだ)
街中は常にオフシーズンで
レストランは1年中空っぽだ

バーには残骸が張り巡らされている
僕たちは失くした物を悼む
雪は陸地の瓦礫を運び
黒い枝が白い家を暗く染める
全てが君のものになってしまってから、
雪と砂に覆われた売り出し中の看板しか存在しなくなった

ベランダでウィンドチャイムが君の歌を奏でる
空っぽの窓が一晩中鳴り続ける
古い思い出は眩暈のように渦を巻く
鉄と毒と鉛の空へ向かって

君のバルコニーにいるジーンズ姿のロミオのように
僕はもう一度、君の網戸に映る影になる
君のドレスは僕の手の中のぼろ布のようだ
僕は砂の上ですら足跡一つ残さずに去っていく

Romeo återvänder ensam

いいなと思ったら応援しよう!