この曲のココが気持ちいいぞ!    ~「真夏の世の夢」/ 松任谷由実   ユーミンその①

「真夏の世の夢」(1993年)/ 松任谷由実
作詞・作曲:松任谷由実

1972年がデビューと言うからもう50年ですか・・。
ずーっと最前線で時代を駆け続ける国民的アーチスト、ユーミンなわけですが、ディスコグラフィーを見てみると、デビュー後早い段階からヒットチャート上位を騒がせていたわけではないんですね。
この「真夏の世の夢」は当時、シングルとしては4年ぶりだったみたいですが、たしかに久しぶりにユーミンがヒットしたな、感がありました。

しかしまぁ、詞、曲ともにさすがさすがの表現力。
「♪骨まで溶けるような テキーラみたいなキスをして」って、天才か。
男女がギラギラと汗をテカらせ、テキーラを煽りながら踊り明かす熱帯夜が目の前に再現されます。
ユーミンといえばまったり、ふんわりした曲調がお得意のようなイメージもありますが、体が勝手に動き出してしまう小気味良いリズムもいいですねぇ。

Aメロはどこか懐かしい感じのメロディーで進んでいくわけですが、そっからユーミンならではのキレッキレのBメロへ突入していきます。
ユーミンってね、Bメロがべらぼーに上手いと思うんですよね。
Bメロのコードこうかな。

なんですか、このⅡ#M7(Ⅲ♭M7)って・・。

まぁそもそも、このBメロがいきなりⅥ7から始まっちゃってるところも見なければいけませんね。その前からのコードはこうですかね。

Aメロ最後、Ⅲ7sus4→Ⅲ7になってて普通だとⅥm(Cm)に行くのだが、このⅢ7をⅤ7と捉えることで、C7に飛びやすくなってる(Ⅴ→Ⅰ)ってことなんですけどね。

E♭キーだとピンと来ないかもですので、Cキーのものも貼っておきますね。

「♪踊りましょう」のところのⅡ#dim7といい、「♪夢は」のところのⅡ#M7といい、破壊力抜群です。特に後者。

イントロのベースラインをヒントにこのBメロのベースラインを作ったのか、はたまたその逆か。。

個人的にはね、ギターソロあるじゃないですか。
このギターソロ寸前、せっかくね、変則リズムでいい感じのお膳立てがあるので、ソロは熱帯夜をつん裂くようにバリバリ来て欲しかったなぁ。
音がちょっと奥まってて上品なんよねー。
ま、他の曲聴いてても、ユーミンなのか正隆さんなのかがこういうギターの音が好きっぽいんですけどね。

あと、そのすぐ後の半音上がる転調も、上がり方もうちょいなんかアイデア無かったんかなぁ。
すんません。申し訳ない。

この曲を皮切りに、「Hello, my friend」「春よ、来い」「輪舞曲 (ロンド)」と、立て続けに新曲をトップチャート放り込んできたこの時期のユーミンはほんと神がかってました。

みなさんは「テキーラみたいなキス」、したことありますかぁ?

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