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【コンテンツの価値を育てる】楽曲や記事を風化させないためにできること

2022年4月、FlowBackにインタビューした際、メンバーのTATSUKIさんがお話されていたことがずっと記憶に残っていた。

今までは曲をリリースしたらリリースイベントをして、お客さんと育てていくのが主流だったんですけど、コロナ禍になって、曲が風化して終わっていくという印象がすごくあったんです。
僕らだけじゃなくて他のアーティストでも、こんなにいい曲なのにっていう。楽曲の新しい育て方を違った観点から作りたくて。

【FlowBackインタビュー】
再出発を決意した4人の現在地


楽曲と連動したアパレルブランドを立ち上げた経緯として、TATSUKIさんはこのように語ってくれた。

これは私も以前から気になっていて、アーティストご本人が発言してくれたことで、やはりそうなのかと感じた(そしてFlowBackさんの取り組みも素晴らしいと思う)。

コンテンツは風化するのか

例えばライターも、記事を公開しても数分で「いい記事でした。次も楽しみにしています」で終わってしまう。

もちろん読者はそれ以外どうしようもないですし、それでも十分うれしいです。

でも、中には1年かけて書く記事もあり、公開した瞬間から風化する現象自体が、悲しいというか、恐怖心すら芽生える。

ライターの仕事とは一体何なのか。サステナブルとは?

ライターですらこんな気持ちになるのだから、アーティストはもっとそう感じているだろうなと思う。

曲自体はその後も残るとはいえ、「新曲が待たれる空気」は年々早まっているようにも感じる。

だからこそ進化する必要があり、それが原動力にもなる。

とはいうものの、常に先を目指さなければならないプレッシャーを、アーティストが過剰に感じなければいいなと切に願う。

それならば、そもそも風化させない工夫だってできるのではないか、と考えてみた。

風化しない記事にする

ここからはライター、インタビュアーとしての私の目線で書きます。

インタビューや曲のレビューなど、記事にも旬があり、公開直後が最も読まれる。

取材目的はさまざまだが、アーティストへのインタビュー記事の場合、楽曲リリースなどのプロモーションを兼ねていることが多い。

曲がリリースされてから徐々に、「新曲」というイメージも薄れていく。当然、その曲についてのインタビュー記事も同じ道を辿る。

曲だけでなく、記事の風化についても考える必要がある。

でも、誰しも一つくらいは「ずっと覚えている記事」があると思う。そういう記事を目指せばいい。そして、読んでもらう。曲も聴いてもらう。

インタビューでそれを目指すとしたら、どうすればいいのか?

曲のことだけでなく、普遍的なことや、今後のアーティスト活動にも共通するような答えを出してもらう。

そのためには、核心を突いた質問をする。曲の魅力を届けることを前提として「誰が歌っているのか?」にフォーカスする。

曲は何ヶ月かで旬を過ぎても、アーティストの人生はこれまでもこれからもずっと続くのだから。

でもインタビュアーとしての自分は、そのフィールドに立てていない。ベンチ入りもしていない。だから勉強しなければ。自分だけのためではない。

発信を続ける

発信し続けることも大切なのではないだろうか。

Culture Cruiseでは最近「今週の人気記事」をツイートしたり「編集部セレクトの注目記事」をInstagramのストーリーズにUPする試みを突然始めた。

正直、アクセスはあまり広がらないけれど、目にした人が何かを思い出すきっかけになってくれればと思っている。

記事の中での工夫

「風化させない発信」は、記事の中でも工夫できる。

例えば2022年6月に書いたTHREE1989の「Just be Blue」という新曲のレビュー。

この曲は雨がテーマになっているということで、THREE1989が過去にリリースした雨の曲も一緒に紹介した。

自分でも改めて聴いて感想を書く。YouTubeも埋め込む。何年経っても素敵な曲は素敵なままだ。

結論として、THREE1989が持つ雨への価値観の素晴らしさにつながることを目指した。

一つの曲について書く時は、他の曲や人も取り上げていろんなMVを紹介する。

あまり貼りすぎると記事の読み込み速度が遅くなるので、何でもかんでもとはいかないけれど、なるべく名前を出す書き方は、立ち上げ当初から意識している。

あえてきっかけを作る

TATSUKIさんのお話(過去の記事)をきっかけに、このnoteを書いていることも、コンテンツを育てる発信方法だと思っている。

FlowBackを話題にして曲を聴くきっかけにしたり、Culture Cruiseの記事もあえてURLと一緒に取り上げる。

人によってはあまりよい方法と思われない方もいるかもしれないけれど、私はこういうことをどんどんやってもいいと考えている。

実際、自分でURLを掘り起こさなければ、代わりにやってくれる人なんていないのだから。

FlowBackの記事は2022年5月のライブが軸となっているので、今読むと、過去のインタビューという印象は拭えない。

でもそうなることは想定内だったし、極力古さを感じないようにするための話をしようと心がけた。

結果的に、FlowBackさんはずっと読めるような貴重なお話をしてくださっている(私の質問は相変わらずなのでもっと勉強します!)。


考え方しだいで、コンテンツはもっと良質になれる。

進化することは自分自身で努力するしかないけれど、すでにあるものの価値は、みんなで育てていくことができる。

ライターの仕事とは一体何なのか。
今日のところは「価値を広げる仕事」と捉えておくことにする。

今日も1曲1曲を大切に聴かせていただこう。


▼FlowBackさんのダンスパフォーマンス映像もかっこいいので観てください!

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長谷川チエ / Culture Cruise
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