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線維筋痛症回復記④〜大学に復学するも苦難の連続〜

大学に復学したはいいものの…

 その年の春から大学に復学を決めた。
私はプールにも週三回欠かさず通っているし、もうだいぶいいだろう、身体 の調子も良くなって授業にもまともについていけるだろうと考えていた。
 しかしそれは安易な考えだったと思い知る。

 いざ講義が始まると、1時間半も授業中に座っていられなかったのだ…………。
 下を向いて板書をするのも、まあつらいつらい。30分もうつむいていたら頭がクラクラして卒倒しそうになる。この時は、下を向いてノートテイクをしていると頭に血が登ってきてのぼせのような状態になっていた。そんな状態で講義に集中できるはずもなし。ぼんやりとした状態で椅子に座っているだけ。

 自分が情けなかった。こんなにストレッチも毎日欠かさずやって、定期的に運動もしているのに…と思うと涙がこぼれた。しかし辛くてもやるしかない。大学を卒業したいのなら単位を取るしかないのだから。
 出席している講義の先生方に事情を説明し、具合が悪い時は教室を頻繁に抜けても良い、オンラインでレポートを提出しても良いなど、数多く配慮してもらった。
 
 自分から積極的に働きかけることで、身体に不自由があっても、自分にとって居心地の良い環境を作っていくことできるとこの時の経験から学ぶことができた、ような気がする。

プールでは背泳ぎとクロールを泳げるように。まだ体調安定せず。

 一方で、プールでのリハビリは着実に進み、背泳ぎとクロールを泳げるまでに成長していた。担当についてくれたコーチが本格的な指導してくれたおかげで、身体に負担をかけずに力を抜いてゆっくりと泳げるようになった。
 水の中ではできることが着実に増えているのに、陸の上では痛みと戦う日々。
 めげそうになる心に鞭打ちつつ、プールでのリハビリを続けることがきっと何かにつながると信じて、この頃は必死にジムに通っていた。
 なによりも、水の中に浮かぶことで力が抜けて気持ち良い。水の中で身体を動かすだけで、痛みが消えていくのが不思議だった。

メディセル筋膜療法の治療を始める。

  そしてまた、大学への通学とプールのリハビリと並行して、2017年ころから、メディセルという機械を用いた筋膜療法を始めた。筋膜療法の治療は痛みや炎症を伴うこともあったが、この筋膜療法がわたしの痛みを軽減する一つのターニングポイントになったといえる。とてもよく効いたのだ。

 メディセル筋膜療法とは、メディセルといわれる特殊な機械を用いて、捻れたり拘縮している筋膜を剥がす治療法である。
 長時間同じ姿勢でいることが続いたり過剰に身体を使いすぎることで、筋膜が固まってしまう。この固まった筋膜をほぐすことで可動域を広げることができ、筋膜の下にある骨や神経の不調さえも改善することができるのだ。
 
 詳しくは以下のページを参考にしていただきたい。(製品の公式HPに飛びます)

メディセルで行う筋膜リリースとは

 メディセルで行う「筋膜リリース」とは、筋膜のねじれや拘縮を解きほぐすことです。
メディセルは皮膚吸引という方法で、皮膚を直接吸引することにより、結合組織のゲル化(※)や
高密度化等の間質液(リンパ液等)の循環不良を、頭から足の先まで、様々なヘッドと専用機器を用い、
優しく素早く安全にリリース(解放)する 方法です。

公式HPより引用

 わたしは週に1回、首、肩、腰など、全身にこのメディセルを用いた筋膜療法を受けていた。
 最初の頃は、一番弱い出力でも真っ赤に跡がつき痛々しいくらいだったが、治療を受け続けるにつれ跡が残ることも減っていった。皮膚を吸引する圧が強くなればなるほど跡も残りやすかったが、一時的に赤くなるだけで、冷やしたり放っておくと数日でその腫れは引いた。
 メディセルの治療をしたあとは、体がだるくなることも多かった。しかし、次の日には不思議なくらい腕や肩が動かしやすくなっている可動域の改善にはかなりの効果を感じられた。なお、メディセル筋膜療法について多くの大学や医療機関が連携し科学的・医学的な効果の研究が進んでいる。医療現場以外でも、スポーツや美容といった観点からも効果が期待される機器なのだ。
 
 メディセルの治療を始めてから、全身にまで広がっていた痛みはなくなり、肩や首の、要所要所のポイントが痛むだけにまで回復した。
 
 腰の痛みは日常生活では感じなくなっていたし、手足の痺れも時々、たまにあるくらい。ただ、首や肩、鎖骨のあたりはまだかなり痛みが残っていて、俯いて机で作業をしたり、スマートフォンで作業するとすぐ頭が痛くなったり首が痛くなったりした。(なので、大学で授業を受けるのはかなり辛かった。)
 ただ、水泳を続けて肩や首に筋肉が増えれば、筋肉で弱い関節をカバーできるようになるので痛みもだいぶ減ってくる、と鍼灸院の先生から指導されていたので、この時は一生懸命泳いだりストレッチをしていたと思う。

 なお、メディセルを用いた筋膜療法は全国の鍼灸院や整骨院で治療が受けられる。興味がある方は以下のページを参照していただきたい。
 メディセル導入施設一覧

ブレインフォグ、不眠症の方が辛くなる

 毎朝決まった時間に起きて、決まった場所に行き、決まった行動をするようになると、夜眠れないこと、そして、朝起きられないことがだんだんと辛く感じるようになってきた。
 他の記事にも書いたが、この時はブレインフォグの症状も出ており、頭がぼんやりして1日何も手につかないことも頻繁にあった。ぼーっとしているので何もしても楽しくない。ひと月の半分くらいはずっとそんな感じだったように思う。身体の痛みはプールに行って体を動かすことで軽減できていたが、不眠症の方とブレインフォグのほうは運動をしても効果を感じられない時も多く、どのように対処したら良いのだろうと悩み始めてもいた。
 そして、これらの症状の方が身体の疼痛よりもつらくなってきたのもこの頃だった。

⑤へ続く

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