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フジテレビは記者会見をした意味があったのか?

27日に始まったフジテレビの記者会見は日付をまたいだ28日、午前2時を過ぎ、漸く終了した。会見に参加した記者からは、日枝会長に会見の参加を求める問いかけや、被害者女性の報告を1年半ものあいだ沈黙し続け、中居氏を起用していた責任問題、社内のコンプライアンスについての質問が上がり、そして中盤には、我慢の限界に達した記者達の怒りのヤジが飛び交う事態となった。あまりにも長い記者会見に、的外れな記者からの質問も加わり、フジテレビはなぜ、今、会見を開いたのかさえもよく分からい状態になり、本筋の部分がぼやけてしまっているように感じた。

フジテレビ社員Aは本当に関わっていないのか?

開かれた記者会見を見て、私が一番問題だと思ったことは、週刊誌に取り上げられ、事件の発端となった食事会に、フジテレビ社員Aが、関わっていないと言い切ってしまったことだ。港社長は社員AのショートメッセージやLINEの記録を確認した上で判断したと発言したが、「誰が誘ったのか」という記者の質問対しては、守秘義務を考慮した上で答えられないとの回答をした。また、会見で港社長は、中居氏に対してヒアリングを行った一方で、被害者女性に対しては行っていないとの発言をしており、このことから、中居氏と被害者女性の間で事件の認識が異なっているということは明らかだろう。おそらく、フジテレビサイドは、中居氏のヒアリングから、社員Aが食事会に関わっていないと判断を下した。だとすれば、被害者女性が嘘をついているということになるが、私はそうは思えない。なぜならば、被害者女性が会社(フジテレビ)に通報したのは、社内業務の一環として開かれた会社の食事会に参加していたという認識を持っているからだ。でなければ、トラブルが起こった際に、フジテレビに通報する理由がない。会見では、日弁連のガイドラインに基づき、第三者委員会で認定されたこと以外は認められないと回答を拒否する場面があったが、プライバシーの観点から守秘義務の責任があるにせよ、中居氏のヒーリングを一方的に信じ込み、被害者女性のプライバシーを保護する事を盾に社員Aをかばっているのではないかという印象を持たざるを得なかった。

フジテレビは記者会見をした意味があったのか?

そもそも、社員Aが関与しておらず、今回の案件が被害者女性と中居氏の個人的な関係だとすれば、代表取締役会長の嘉納氏と社長の港氏が辞任した説明がつかないのではないだろうか。スポンサーが離れた理由がそうだとすれば、今日の様な記者会見を開く前に、名誉毀損と損害賠償請求で週刊文春を訴える必要があるはずだ。17日に開かれた記者会見に端を発し、そこからスポンサー離れが始まったわけだが、今回の記者会見を見ても、フジテレビの信頼回復は当然のことながら望めないだろう。

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