
学びは、「いつもの場所」ではないところに。-越境体験-
「越境」ってなんだ?
最近、くららの脳内は、「越境」がホットになってます。
今までは、中高生たちに「学校」という日常生活の空間を脱することで、自己をみつめる新しい視点を与える活動をしているな、という認識と実感がありました。
日常生活という空間を脱することは、コンフォートゾーンを脱することとほとんど似ているかなと思っています。「いつもの仲間」「いつもの仕事」「いつもの場所」「いつもの会話」…慣れ親しんでいる、すぐ理解できることから、ちょっと抜けてみることが、まさに「越境」です。
そして、活動をはじめてからちょうど7年が経とうとする今、「おや、この「越境」は、中高生たちだけが必要なチャンスではないのだな」と、実感しはじめています。
心の豊かさにつながる「越境」
Grow&Leapのイベントには、(時には9歳の子も)10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代…幅広い方々が、まんべんなく参加くださることが多いです。そうした中でいろんな世代の方が満足してくださいます。2月は、中高生が企画したイベントが毎週のようにありました。そして設立から今日まで、満足度5段階評価が4.0を切ったことはありません。
このような7年間活動の中で、
年齢・経験値に関係なく誰もが、相手に学びを与えることができる。
年齢・経験値に関係なく誰もが、相手から学びを受け取ることができる。
そして、それは人に心の豊かさ・満足感を与えることができる。
と、深く実感しています。
以下は今月開催されたイベントの感想を抜粋してみました。
『普段友達とは話さないような深いテーマについて、異なる価値観を持つ方々とお話しできたことは、とても貴重な経験でした。また一つ人として成長できたと感じています!』(高校生)
『色んな方の考えを知ることができて面白かったです!当たり前と思っていることを疑うことはとても大事だと思いました。また、今回の会を経て、自分に嘘をつかない、ということを大切にしていきたいと思いました!!』(社会人)

先日、高校2年生が対面で企画した対面のイベントでも、幅広い年齢の方々がご参加くださいました。イベントが終わった後、70代の方が「時間を忘れて没頭して楽しんでしまった!」と、私に若々しい感想を伝えにきてくださいました。
ビジネスパーソンにも必要な「越境」
そして、くららの脳内でホットになったポイントとして、この「越境」はビジネスパーソンにも必要とされている体験である、ということです。大企業の社員の方々が募金で、Grow&Leapの活動を支援してくださったことから、支援先のNPO法人として今月末に200名近い社員の方々にお話しをさせていただく機会をいただく予定です。
そして、このような場をいただいたことも、くららの脳内に「越境」がキーワードとなって駆け回っている所以でもあります。
越境学習とは、ビジネスパーソンが所属する組織の枠を越え(“越境”して)学ぶことであり、「知の探索」によるイノベーションや、自己の価値観や想いを再確認する内省の効果が期待されています。
フラットなコミュニケーションに、「越境」がある。
社会の中でポジションは必要不可欠ですが、このポジションが時に、互いに学びを得るチャンスを邪魔をすることがあります。
特に異世代が混じると起こりがちなのが、特に経験値が高い人や年齢が上の人が、支配的になりやすかったりします。例えば、必要以上に自分の知識を披露してしまったり、自分の考えを一方的に押し付けたりすることがあります。
またその逆で、経験値が低いことや年齢が下の人が、自分の殻に閉じこもってしまいやすかったりします。例えば、表面上でだけ捉えて、分かったふりをしたり、発言を控えながら、結局自分の考えや立場に閉じこもってしまったりします。こうなると、「越境」が起こりません。
そこでGrow&Leapには、設立当初から、『コモンルールYES』というものがあります。
自分とは反対意見である、相手をまずは「そう感じるんだな!」と受けとめること。「違う!」と否定から入らないこと。また、自分と同意見である、相手をまずは「なぜそう感じたのかな?」と受けとめること。別の視点や背景があって生まれているかもしれない。
つまり、相手が何を伝えようとしているのか、その言わんとしていることに耳を傾けてみる。そうすると、新しい何かが見つかるかも!という姿勢のことです。
「いつもの場所」ではないところに。
私たちは自分自身の「人生というプロジェクト」の唯一の責任者であり、リーダーです。そのような立場にある私たちが、自己のわがままに忠実になって「発言」し、「離脱」することによって、最終的には組織や社会にとってもより良い状態が生まれる
例えば学生であれば、教室の中で、
「いつも発言する人」がいて、「いつも発言しない人」がいて、「いつもの場面」が訪れて、「いつもの通りの展開」がある。
まあ、何事もないのが一番、といいながら、なんとなくすぎる日常。
社会人であれば、職場の中で、
「いつもの上司/部下」がいて、「いつものお客さん」がいて、「いつもの仕事」があって、「いつもの通り、思い通りにならない展開」がある。
まあ、忙しいうちが花、といいながら、なんとなくすぎる日常。
そんな日常の中に、「越境」が加わると、それは自分を再発見したり、自分の視点を広げたりして、自分の人の心の豊かさにつながります。
Grow&Leapの社会的な存在意義の1つは、「中高生の自分らしいキャリアデザインを支援する、個性教育」という文脈の中に存在している、
異世代間の交流で今までになかった視点や価値観に出会う「越境体験」
なのかもしれません。
「越境体験」してみたいなという方は、ぜひ3月のイベントにご参加いただけたら嬉しいです!(後日視聴チケットあり)