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10代、ハンドルを握らず走行。

10代、ハンドルを握らず走行。

これ、車だったら大事故が起こりますが、、、、。実際の乗り物の話ではなく、中高生たちの進路選択の話です。高校卒業後、「進学」するとしても「就職」するとしても、自分の人生のハンドルを握るどころか、運転席に座りながら目を閉じたまま、助手席の自分以外のだれかにハンドルを回されてしまう。そう感じたという話です。


『高校生』 という言葉の意味するところ。

最近、工業高校などの進路指導の先生方とお話する機会がありました。高校卒業後、就職を選択する生徒たちが全校生徒の5割程度いる高校です。数年前もこのような機会はありましたので、2度目の機会になります。

私が現在、Grow&Leapを立ち上げて運営するようになった背景には、塾に通う生徒の進路に対する悩みを目の当たりにしたことがあげられます。10年ほど前、会社員として塾で働いていた頃、「やりたいことがわからないから、とりあえず〇〇大学」を目指すという生徒がほとんどでした。塾には全校生徒のほぼ100%が進学する高校の生徒が多く、地域のトップ校の子たちも大勢いました。私が卒業した高校も田舎の進学校で、卒業後に「就職」を選択する仲間との接点はないまま大人になりました。会社員として働き始めても、塾で進学校の生徒たちと関わってきたわけで、私の中で『高校生』という響きは、ほとんど「進学校の生徒」をイメージしながら口にしてきていました。

「高校生」がイミするところ

進学校であっても、専門性のある高校であっても。

しかし、工業高校の先生のお話を人生で2度目にしっかり耳を傾けた時、私の『高校生』という言葉の響きが意味するところが狭かったことをはっきり自覚しました。工業高校の先生の口から出る『高校生』が抱える、進路の悩みの声が聞こえてくるような気がしました。結局、進学校であろうと、専門性のある高校であろうと、10代の「やりたいことがわからない」悩みは共通していることが感じられたのです。

あらゆる高校


工業高校の先生方から聞いたこと。

工業高校の先生方から聞いたことを整理すると、ざっくり以下のような内容です。
・コロナ禍から進学の割合が徐々に増えていること。(7:3程度から、5:5程度へ)
・「工業」「商業」という言葉を高校名から取りのぞく傾向にあること。
・就職先を選ぶとき、家から近いか?先輩が行っているか?休みがいつどの程度あるか?重要視する傾向にあること。
・親と子の関係性はかつてより近くなっていて、親の意見を素直に聞く子が多い傾向にあること。
などです。

家での親子の進路に関するコミュニケーションは?

「なぜ工業高校で、進学希望者が増えているのか」尋ねると、先生が言うには、「家でのコミュニケーションは、こういったものではないか?」と。

親 「就職、進学どうしたい?」
子 「わからん。」
親 「(どうしよう...大学全入時代...コロナ禍で学生生活らしいこともできてないだろうし...とりあえず時間をかせぐとして...)じゃあ、進学?」
子 「(!...進学いいんだ)じゃあ、そうする。」

以上をふまえて、「進学」するとしても「就職」するとしても、自分の人生のハンドルを握ろうとせず、目を閉じたまま、助手席の自分以外のだれかに危険を察知され、ハンドルを回されている。これは、特定のだれかの責任ではないと感じていて、責任があるとしたら、社会全体の責任かもしれません。

Grow&Leapが対象とする中高生は。

改めて、Grow&Leapが対象にしている、『中学1年生〜高校3年生』の意味を個人的に、頭の中で再定義してみました。

現在または将来、Grow&Leapのプログラムを受講する生徒らが通う高校が、「進学」する生徒が多いのか?「就職」する生徒が多いのか?通信制なのか?全日制なのか?どの都道府県か?どんな家庭で育ったか?といったことは、気にしていません。集まった生徒の表面的な結果の話でしかありません。現状では、Grow&Leapのメイン事業My Story Projectを受講する生徒が、進学校が多いのは事実ですが、特に狙っているわけではありません。8割程度が自らの意思で応募しています。

Grow&Leapのプログラムを受ける対象の基準は、「進路の選択に現在悩んでいて、自分の意思に従って選択することを本人が望んでおり、自分ならではの選択の基準を自覚した上で行動する意欲があること」です。これを再確認しました。

自分の意思で選択することを望むかどうか

人生の運転免許取得期間?

私は、10代を「人生の運転免許取得期間」として、ゴールデンタイムだと考えています。自動車の運転免許は学科試験や実技試験を経て、事故の事例を聞いたり、標識も整備されていて、定期的にチェックがあります。しかし、人生を運転するための情報や知識や技術を身に付ける機会が、10代には非常に少ないと感じています。何も知らない状態で、「さて、キミはどこに行きたいんだね?」の答えは、「.......わからない」となるのも無理はありません。中高生に、「将来何をやりたいか」を聞くのは、異国から来た免許のない人に、車でどこに行きたいかを聞いている状態です。

向かうところどんな世界があり、どんな運転の仕方をすればそこに行き着けるのか、そのためのスキルはどのようにすれば身に付けることができるのか、その上で、自分はどこに向かいたいか考える機会を届けていきたい。

人生のハンドルは自分で握ることができるものであることも知って、アクセルとブレーキの両方があることも知って生きたら、未来はもっといいものだと思います。

どこ行く?

自分の人生のハンドルを自分がぎゅっと握りしめる。

10代のときにあらゆる情報と行動を重ねてみること。
自分の人生は自分が運転席に座っていることを知って、いろんな人から成功体験、失敗体験を聞いて、実際に小さくでもやってみること


そしてタイミングが来たら、経済的に社会的に、時にまっすぐ、時に山道を、時に下り坂、時には右折、左折し、時に停止しながら、自分でアクセルやブレーキを踏んで、他の誰でもない自分が、自分の人生のハンドルをぎゅっと握りしめて歩む先に、個人と社会にもっといい未来が待っていると信じています。


Grow&Leapでは、月に1回程度、中高生と大人が交流する機会があります。My story projectでは、ここに加えて週に1回ペースでコーチング、メンタリングの機会があります。

[今後のGrow&Leapのイベント予定]

10月12日(土)20時〜21時半/ zoom
異世代間交流 _秋まつりイベント
『いまの中高生って、こんなこと考えているんだな!』がわかります!全国の中高生のリアルな声を聞き、ミニゲームや対話をしながら等身大の声を聞きましょう!実際のお祭りみたいな雰囲気のオンラインイベントです!
※中高生、大学生、社会人が参加

11月4日(月・祝)13時〜16時/ 名古屋
中高生×オトナの共創イベント_THE リーダーズラボ
https://the-leaders-labo.peatix.com
※中高生、大学生、社会人が参加

THE リーダーズラボ

ぜひ興味のある方は、中高生でも大人でも、是非足を運んでください。

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