空間を繋ぐ階段の名前や種類、魅力まで。
こんにちは~広報担当の奥本です!
みなさんはどんなおうちに憧れがありますでしょうか?
平屋、マンション、メゾネットタイプのマンション、二階以上の戸建て住宅・・・
また階段のありなしについても希望が分かれるところです。
アパートやマンションなど階段がない生活を長くされていた方の中には、“階段のある生活”に憧れを持っていらっしゃる方もきっといらっしゃいますよね。
今回は、階段が欲しい方にはさらに魅力を!
「階段は昇り降りが面倒だし、ない方がいいな~」という方にも魅力的に思っていただけるような「階段」のお話をしていきたいと思います!
階段のパーツの名前
階段は多くのパーツからできていて、それぞれに名前がありますが、普通に生活していると“階段”以外の名称を話す機会はないですよね。
ということで一つずつご紹介していきます!
今まで知らなかったパーツの名称をぜひ覚えてみてください!
■踏み面(ふみづら)
昇り降りする際に足を置いているところです。一つの段の奥行きを指します。
住宅では15cm以上と建築基準法で定められています。
■踏み板(ふみいた)or段板(だんいた)
踏み面の材料となる部材のことを指します。
■蹴上げ(けあげ)
一段の高さの幅を指します。住宅では23cm以下と建築基準法で定められています。
■蹴込み板(けこみいた)
段と段の間の板のことで、蹴上げの材料となる部材のことを指します。
蹴込み板がない階段の場合は、「スケルトン階段」「ストリップ階段」や「オープン階段」「シースルー階段」などと呼ばれます。
■段鼻(だんばな)
踏み板(段板)の先端の部分を指します。駅などの公共交通機関では多くの人が階段を利用するため、段鼻の部分に滑り止めや、色が付けられていて識別しやすいようになっています。
■蹴込み(けこみ)
段鼻の先端から、下の段の蹴込み板までの寸法を指します。
■ささら
階段を支える斜めの梁のことを指します。
■踊り場
長い階段や向きを変え降り曲がる階段を設ける場合に、途中に設ける広い段のことを指します。住宅では高さ4mごとに踊り場を設けなければいけない、と建築基準法で定められていますが、4mに達していなくても踊り場を設けることにより、足を滑らせてしまったとき、下階まで一気に落ちてしまう危険を減らすことができます。
階段の種類
階段のパーツの名前を知っていただいたところで、ここからは階段の種類についてご紹介していきます!
■直階段
上階から下階まで折れ曲がることなく、一直線に結ばれている階段のこと。
一般住宅で最も多く使用されているタイプで、見通しの良い階段です。
構造がシンプルであり、少ないスペースで設置できるため階段の中でも安価に施工することができます。
■かね折れ階段
L字に曲がっている階段で、途中に踊り場があります。
折れている分直階段よりも広い面積が必要になってきますが、吹き抜けに設置することで開放感と、アイレベルの変化も楽しむことができます。
■回り階段
U字に曲がっており、途中に30°または45°に分割した三角形の踏み板(段板)を設けた階段です。
■折返し階段
途中の踊り場で180°に向きを変える階段です。
回り階段との違いは、30°または45°に分割した三角形の踏み板(段板)があるか、踊り場なのかです。
広い踊り場があるため、昇り降りが楽というメリットがあります。
■らせん階段(スパイラル階段)
上から見ると円形になっている階段で、らせん状に回りながら昇降します。
階段で唯一曲線が用いられており、デザイン性の高いフォルムが人気です。
広い住まいでしか設置できないのではないかと思われるかもしれませんが、実は狭小住宅でも設けることができます。
また、蹴込み板をなくしスケルトンにすることで、光を遮らない開放的な階段空間を実現できます。
階段の魅力
最後に階段の魅力についてお話しします。
階段は高低差のある場所への移動手段として作られたものですが、ただの移動手段にしてしまってはもったいない!というくらい奥が深い魅力があります。
建築の観点からすると、階段は立体的なオブジェクトであり、インテリアの一部として、美しい構造を表現できるものなのです。
オフィスなど特にそうですが、収納棚などを除いて縦方向に長いオブジェクトはあまりありません。
住まいにおいても同じことが言え、家具を除いてしまえば縦方向に長いオブジェクトがあまりない中に階段があることで、視覚的変化という“楽しさ”を感じることができます。
階段は吹き抜けの中にありますから、その吹き抜けを活かし上手に階段を設けることで、縦方向へ空間の繋がりが生まれ、大きなインテリアの一部として美しい存在感をもたらすことができます。
あえてスケルトンに見せることで、閉鎖的にならず、光が導かれた明るい空間となります。
また階段が部屋の真ん中に設けられている住まいもありますが、それは決してネガティブなことではありません。
例えばLDKの真ん中に階段があり「リビング」と「ダイニングキッチン」に空間が分かれている場合、生活のシーンを増やすことができます。
程よく視線が遮られることで、居心地良くそれぞれの空間で過ごすことができるのです。
さらに内面的な視点からすると、階段の高さや幅、長さによって心身に与える疲労感も変わってきます。
“昇りやすさ”や“降りやすさ”は「行きやすさ」に繋がり、精神にも大きな影響を与えますから、どんな人が、どんなときに、どれくらいその階段を使うのかを考慮して階段は作られています。
物理的な距離だけでなく、心の距離が広がらないような階段を心がけることが大切ですね。
移動手段としてだけではなく、空間と空間を繋ぐことができる魅力のつまった階段についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は階段の施工事例をご紹介していきますので、ぜひそちらもお読みください!
最後までお読みいただきありがとうございました。