おばさんの特性
今回はある日のエスコンフィールド北海道での、あるおばさんの行動特性について考察していこう。
おばさんは場所取りが得意だ。
五人の子どもたちの運動会の場所取り競争で培われた技術。
昔取った杵柄というやつと思われる。
立見席のほんの少しの隙間に「隣、いいですかぁ?」って訊くか訊かないかのうちに半身をねじ込み、少しずつ推し友の分までスペースを広げることなんて造作もないことだ。
おばさんはカメラの機能を使いこなせない。
露出だのISO感度だのは全く理解していない。
フォトグラファーの次女に懇切丁寧に教えてもらったはずなのに、覚えてない。
ほとんどオートフォーカス任せだ。
連写の設定など不可能に近い。
おばさんは知らない人とちょっと仲良くなるのが得意。
おばさんはとりあえず隣の席の人に話しかける。
今回は、結構な大きさの望遠レンズを持ってた明らかにファイターズファンのおにいさんと今日の先発の話をして交流を図る。
更に彼の高そうなカメラをさりげなく褒めておく。
おばさんは人に頼みごとをするのも得意。
連写の設定ができなくて困っている様子を少し大きめの声でアピールする。
そして「これってどうやって連写モードにするのかわかりますか?」と、隣のおにいさんにすまなそうに助けを求める。
そうすると、おにいさんは「ミラーレスの機能はちょっとわからないなぁ。」と言いつつも、おばさんのカメラを持っていろいろ試して、「できましたよ。」って設定の仕方まで教えてくれるのをおばさんは知っている。
おばさんは声がでかい。
おばさんは野球場ならどんな大声を出してもいいと思っている。
推しの姿を見ると更にヒートアップして我を失う。
推し球団のマウンドに推しが立つ始球式なんてとんでもないことになる。
推し友が撮っていた動画でカッコいいを連呼しているのがおばさん。
2分過ぎくらいからヒートアップ。
おばさんは出口がわからない。
これは野球場に限ったことではない。
出口を探してエスコン内を2周もして、係りの方に訊いてやっと外に出ることができる。
全く根拠のない自信で推し友より先を歩いて、無駄に疲れて早く訊けばよかったと後悔するのがおばさん。
おばさんは「せっかく」と「ついでに」が好き。
せっかく仕事をを全部後回しにして札幌に来たんだから、ついでに映画観て帰ろう。
せっかく映画観るために中心部に来たんだから、ついでにおいしいもの食べよう。
おいしいもの食べたついでに、夏物の服をみていこう。
となってどんどん帰りが遅くなるおばさん。
結果、帰宅した日の夕食はセーコーマートのお世話になるのが常である。
ついでに観た映画はこちら。
おばさんは疲れが取れない。
二日間、推し活ではしゃいで、ついでの映画で3回泣き、買い物で歩き回ったおばさんの疲れは週の半ばまで持ち越される。
無理をしたつもりはないけれど、疲れが取れない年になったことは否めないと感じてしまうのがおばさんである。
おばさんはパソコンを使いこなせない。
カメラで撮った推しの連写をパソコンに保存するのに、えらい時間がかかるのがおばさん。
やっとできた画像を別にいいよと言っている息子に、有無を言わせず見せまくるおばさん。
なので、別にいいよと言っているかもしれない皆様にもお見せしちゃうおばさん。
まとめ
ここでおばさんの特性を考察してきたなかで、ひとつ言っておきたいことがある。
このおばさんは、おおらかでのんびりしているというイメージの強い北海道民、生粋の道産子である。
決して大阪方面のおばちゃんではない。
エスコンフィールドに溢れていた黄色いアニマル柄の服は持っていない。
飴ちゃんもカバンに入ってない。
が、おばさんは密かに思っている。
「私の前世はきっと大阪のおばちゃん。」
その可能性はかなり高いということをこのレポートの結論とする。
したっけ