「道~挫折の中の人へ~」について。6~初音ミク調声編~
お久しぶりです、菊坂遼哉/鍔木シスイです。
今回は、この記事のタイトルにもあるように、「道~挫折の中の人へ~」という曲の作成過程の中でも、
「どんな風に初音ミクを調声したのか?」
という過程と、
「調声をするときに気を付けたポイント」
について書いていこうと思います。
1、声質を決める
まず、基本となる「声の質」を決めます。
この曲では、基本的に、
Aメロ → Bメロ → サビ
の流れで、サビに行くほど初音ミクさんの声が力強くなるように声質を調整しています。
ライブラリとしては、
Aメロ → 初音ミクSoft
Bメロ → 初音ミクOriginal
サビ → 初音ミクSolid
という風に、素朴でやわらかな歌声から、一番スタンダードな声、そして力強く歌ってくれる声へ、とライブラリを切り替えてます。
また、それぞれのパートで「こんな風に歌ってほしい」というイメージが異なるので、明確に「少し大人っぽく」や「ハキハキと」というイメージがあるときは、GenderFactorやBrightnessといったパラメーターもいじります。
この二つのうち、GenderFactor(ジェンダーファクター)は、私は一つのパートに対して一括で同じ値として調整することが多いです。
対してBrightness(ブライトネス)は、時と場合によりますが、細かく値を変えることもあります。
2、歌ってほしい音程を打ち込む
これに関してはちょっとだけ手抜きしました。
この「道~挫折の中の人へ~」という曲に関しては、メロディ部分をあらかじめフルートかピアノの音で作ったMIDIデータがあったので、それをそのままPiapro Studioに読み込みました。
3、歌ってほしい歌詞を入力する
これは地道に入力しました。
私の使用しているPiapro Studioでは、いわゆる「流しこみ」という機能がありますので、これもそんなに苦にはならない作業です。
4、細かい調声をする
これはこの曲の冒頭部をスクショしたものです。
上の、ひらがなの書いてある灰色の四角が「ノート」。
楽譜で言う「音符」を並べたものですね。
こちらに関しては、MIDIデータのまま調整はしてません。
発音記号に関してもそのままです。
要するに、ノートとその中身に関しては「ベタ打ち」ですね。
で、下の、薄い色のグラフですが、これが今回の調整の要。
「Dynamics(ダイナミクス)」というパラメータのグラフですね。
わかりやすく言うと、歌の「抑揚」、「強弱」を表します。
同じ歌手が歌っていても、曲や歌詞の雰囲気に合わせて、少し声を強くしたり弱くしたりすると思いますが、あんな感じです。
マイク自体の音量は「Volume(ボリューム)」。
人の声の細かいニュアンスなどは「Dynamics(ダイナミクス)」、という感じでしょうか。
この曲に関しては、グラフは直線ツールのみで描いてます。
また、「ここは強く」、「ここは弱く」などをどうやって判断しているのか……ですが、これは実際に自分で歌ってみて判断しました。
もともと、仲間内で「みんなで合唱するための曲」として作っていたこともあり、いい練習になりました。
4、まとめ
今回のポイントをまとめました。
1、まずは声質を決める
2、細かい調整は、Dynamics(ダイナミクス)だけでもいじってみる
3、わからなかったら自分で歌ってみて判断する
それでは、最後に、恒例となりました動画をぽんっして終わります。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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