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後編:国内外で盛況だった「サスコン2023」の裏側を担当者にインタビュー
2024年1月、CUCグループと経営支援先の医療機関で働く全スタッフを参加対象に、サステナビリティをテーマにしたアイデアコンテスト「サスコン2023」を開催しました。国内と海外の各拠点をオンラインでつないで実施した本イベント。前編では、サスコンの開催背景や本選当日の様子をお伝えしました。
後編では、「医療×環境」という一見すると遠いテーマをいかに当事者意識を持って考えてもらうか、準備過程に詰まった工夫をサスコン事務局の齋藤さん、本永さん、三橋さんに伺いました!
(本ページトップの写真は、サスコン事務局メンバーの皆さんです。CUCグループ恒例の「 C 」のポーズで)
今回お話を伺った方
齋藤 春佳(さいとう・はるか)
2022年トロント大学人類学部卒業。同年4月CUC新卒入社。入社後、ホスピス型住宅を運営するグループ会社 CUCホスピスに出向し、経営企画として施設業務の標準化やサービス企画を担当。2023年7月よりCUC 経営管理部にてCUC各事業部およびグループ会社の経営管理を行う。2022年11月よりサステナビリティプロジェクトに参画。本サスコンでは事務局のリーダーを担当。
本永 絃(もとなが・げん)
2021年11月CUC中途入社。前職は人材紹介会社で医療法人の看護師紹介を行う。CUCに入社後は、CUCが経営支援を行う医療法人内の採用・定着の支援を担当。2022年11月よりサステナビリティプロジェクトに参画。本サスコンでは、事前準備段階での企画に加え、本選当日の運営統括を担当。
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___ 1月に実施されたサスコン、盛り上がりましたね。終えてみた率直な感想はいかがですか。
(齋藤)まずは無事に終えられてとてもホッとしています。大きなトラブルなく成功してよかったな、というのと、社内でたくさんの方に「サスコンよかったよ!」とフィードバックをいただき、今は安堵の気持ちです。本永さんはどうですか?
(本永)僕も安心しました。イベントの録画データを改めて見返してみて、「やっと出来上がったんだ...」という達成感があります。
(齋藤)2023年4月にイベントの開催が決まってから、約1年間かけて準備してきたので、思い入れがありますよね。
___ 約1年間!長い準備期間の中で、どんなことが大変でしたか?
(齋藤)まずは企画のスタート時点で一番懸念だったのが、エントリーが集まるかでした。
サスコンの参加対象はCUCグループに所属する全従業員をはじめ、経営支援先の医療機関で働く職員の方々すべて。
普段、企画業務に取り組んでいる部門の方だけでなく、医療現場(自社拠点であるホスピス施設や訪問看護ステーション、経営支援先であるクリニックや病院)で働くすべての医療従事者の方にも興味を持って参加してもらえるコンテストにしたいという想いがありました。
日々の患者様に向き合い忙しくされている皆さんに、「サステナビリティ」「環境」という普段意識しづらいテーマでアイデアを出してもらうにはどうすれば...?というのが最初にぶつかった難所でした。
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___ 実際どのようにコンテストへのエントリーを促されていったのでしょうか。
(齋藤)フェーズごとに色んな施策にトライしました。具体的には、このような感じです。
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まずひとつ目は、理解促進・企画段階のフォローです。サスコンの告知自体は昨年6月に社内に行いましたが、ただ告知しただけではエントリーは集まらないと思ったので、社内勉強会でコンテストへの理解を深める機会を作りました。
社内勉強会は目的別に3回に分けて実施しました。
1回目(基礎編):「サステナビリティ」「SDGs」「ESG」とは何か、なぜ社会的に注目されるようになったのかを知る
2回目(応用編):国内外の医療法人で取り組まれている環境対策のアイデア事例を紹介し、当社のマテリアリティの一つである「地球環境に配慮した経営」の解像度を高める
3回目(企画編):企画の基本的な進め方を体系的に学びたい人向けに 企画に必要なスキル・企画の基礎知識の理解を促進する
(本永)いずれも任意参加だったにもかかわらず、合計200名以上の視聴があり、「SDGsを身近に感じるきっかけとなった」「このテーマに取り組んで社会に貢献したいと感じた」と参加者から前向きな感想が聞けて嬉しかったです。
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(齋藤)ほんとですね。一方で、「サスコンに興味はあるけど、ひとりではアイデアが浮かばずエントリーに踏み出せない...」といった声も聞こえてきました。
それなら、と企画したのが、自分のアイデアや困りごとを相談できたり、一緒に企画を進める仲間が見つかるサスコン座談会の開催です。
座談会当日は、CUCグループ各社から18名が参加して、グループワークでそれぞれのアイデアや悩みをシェアしました。
(本永)普段なかなか交流機会のないCUCグループ各社の社員が入り混じって、フードロスや節水など、普段身近に感じている環境テーマをわいわい喋る感じがすごくいいなと思いました。
この座談会がきっかけでチームを組んで本選まで進んだチームも生まれたので、やってよかったなと思っています。
(齋藤)また、上の図の「施策②」の部分にあるように、一次選考を通過して本選に進んだ9つのエントリーに対して、希望するチームには、本選準備がスムーズに進められるように社内の先輩企画職からからメンターを1名ずつアサインし、本選に向けて伴走する体制をつくったりもしました。
___ 色んな施策を打たれたんですね。サスコン事務局は、こうしたイベントプロデュースの経験者が集まっているんですか?
(齋藤)いえ、現在サスコン事務局は8名体制ですが、こうしたイベントの運営経験者はほとんどいませんでした。
なので、経験豊富なメンバーの意見を参考にしながら、事務局内でアイデアを出しあい、手探りで進めました。正直とっても大変でした(笑)。
(本永)未経験ゆえの不安から、とにかく色々やってみた感じはありますよね。
イベントのロゴを作ったり、当日の台本を書いたり、普段の業務では経験しないことの連続で、当日までに何度も「やばい」と思った瞬間がありました。その都度、チームの皆さんが助けてくれたおかげで乗り越えられました。
皆さん普段はそれぞれの部署で異なる仕事をしているので、多様な観点から絶妙なアドバイスをもらえてありがたかったです。
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___ 国内外から77件エントリーが集まったと聞きました。
(齋藤)はい。企画当初は「初年度だし、まずは20件!」とエントリー件数の目標を置いていたんです。それでもエントリー数が集まるか不安がありましたが、予想を大きく上回るかたちで多くの関心を寄せていただいて、嬉しく思っています。
(本永)結果、任意参加のコンテストでありながら、CUCグループのほぼすべての部署からエントリーがありましたね。
(齋藤)ベトナムの経営支援先病院からもたくさんエントリーがありました。そのあたりは是非、海外事業部の事務局メンバー、三橋さんに聞いてみてください!
言葉の壁を乗り越え、ベトナムでサスコンが盛り上がった背景
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オンラインでお話を伺いました!
三橋 咲那子(みはし・さなこ)
2019年8月 国際教養大学 国際教養学部卒業。2020年4月にCUC新卒入社。入社後、国内事業の企画・採用を経て、2022年7月に海外事業部へ異動。現在はベトナムにて主に経営支援先の医療法人の管理業務を行う。2022年11月よりサステナビリティプロジェクトに参画。
___ 三橋さんは、ベトナム駐在中ということで、サスコンでは主に海外拠点との連携を担当されたんですよね。今回、ベトナムからのエントリーが多かったと聞きました。
(三橋)はい、今回のサスコンは経営支援先の病院職員も参加対象だったので、ベトナムの病院で働く職員約400人に参加を呼びかけたところ、看護師から事務スタッフまで、病院のあらゆる部署から数十件近くのエントリーが集まりました。
元々コンテストのような行事ごとには積極的な文化があるので、10件くらいは集まるだろうと思っていたのですが、予想を超える盛り上がりに驚きました。
___ エントリー資料の記載はベトナム語ですよね。日本で審査を行うにあたって、言葉の壁にはどう対応されたんですか?
(三橋)ベトナム語であがってきたエントリーは、現地の英語・日本語を話せるスタッフに協力してもらって、ベトナム語から英語へ翻訳しました。
また今回、ベトナムからエントリーしたものが3件本選に進んだので、本選のプレゼン準備も、翻訳ができる病院スタッフみんなで準備した感じです。
___ 本選当日、プレゼンはベトナムの皆さんもリアルタイムで参加されたのですか?
(三橋)そうです。ただ、プレゼンを行う登壇者が話せるのはベトナム語のみでした。同時通訳を入れたいと思ったのですが、当日の時間も限られていることから、事前に現地で録画したデータに日本語の字幕をつけた動画を流すことにしました。
プレゼン後の審査員との質疑応答のやりとりは、通訳できるスタッフが間に入ってリアルタイムに進めました。今まで日本との接点が少なかったので、いい意味で緊張感のある場に参加できたのは、現地スタッフにとっても意義深いなと思いました。
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和やかな様子のなかで、プレゼン前は皆さんとても緊張されていたとのこと。
サステナビリティを自分ごとで考える好機として来年へバトンをつなぎたい
___ 今回サスコンの事務局運営をされた齋藤さん、本永さん、三橋さん。皆さんがサスコンを通してご自身の変化や、今後への想いを教えてください。
(三橋)実は私、最初はこんなにもたくさんのアイデアが集まるとは思っていなかったんです。
サステナビリティとか環境って、医療の真ん中にあるテーマではないので、ふわっとした話になってしまいがちだと思っていて。でも実際やってみると、意外と「こういうイベントを求めていました」という声が現場にあることを改めて知りました。
とくにベトナムは、まだまだ組織内でサステナビリティの考え方が根付いていないので、コンテストを開催する価値が十分あったと感じます。
サスコンは、準備する過程でも職場に活気が生まれて楽しいですし、今後も新しいテーマで開催していけるといいなと思います。
(本永)僕はこのサスコンを通して、自分のサステナビリティへの視座が上がったと思います。
というのも、一昨年サステナビリティプロジェクトにアサインされた当初は、このテーマへの理解が深くない状態でした。SDGsはよく聞くけど、掴みどころがないイメージを持っていて。
それが、サスコン運営を通して国内外のサステナビリティ事例に触れるうちに、企業活動における持続可能性の重要さを理解しましたし、環境問題への視界も変わりました。
今後は、サスコンを毎年この時期の風物詩にして、CUCパートナーズで働くみんなが目指す場所として盛り上げていけたら、と思います。
(齋藤)私個人としては元々、もっと日本の人たちに環境に興味を持ってほしいと思っているので、引き続き何らかの施策を打ち出していきたいと考えています。
コンテストとしては、来年以降はまた雰囲気を変えて、環境に限らずいろんなサステナビリティに関するテーマにスポットライトを当てていけるといいですね。
社内にサステナビリティのエキスパートは多くないので、社外の有識者の方とも連携して勉強させていただいて自分たちも知識をつけ、来年以降の提案を進めていきたいと思っています。
サスコンの全体像を紹介する前編記事もぜひご覧ください!
ここまで、サスコン事務局のメンバーへのインタビューを通して、コンテストの裏側をお伝えしました。
CUCグループとして「医療」と「環境」をテーマにしたはじめての試みであり、初のグローバルイベントとして開催された今回のサスコン。
前編記事では、コンテストの概要紹介や開催の背景、本選当日の様子を掲載しています。ぜひこちらもご一読ください。
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